Goatmoon:[Finnish Steal Storm]


フィンランド産、BlackGoat GravedesecratorによるNSペイガンプリミティブブラックメタル、2007年2nd
10曲39分弱。我らがSatanic Tyrant Werewolf aka Nazgulが切り盛りするWerewolf Recordsより。
見てくださいこのジャケ。もうこのジャケだけで花丸100点満点です。当分ケータイの待ち受けはこのジャケットに決まり。
2007年当時はるまげ堂始めいろんなところで見かけたものの華麗にスルー決めていたのを、後から切腹クラスで後悔していた一枚。
さて、前作はとにかく汚くやかましく荒々しい、しかしメロウなメロディセンスが光る素晴らしいフィニッシュプリミティブでしたが、今作は一転。
寒々しくメロウなフィニッシュプリミティブ、力強いNSプリミティブをベースに、民謡ヒロイックヴァイキング、もっさりB級ペイガン時々シンフォを巧みに取り込んだ、かつてない桃源郷サウンドとなっている。


Satanic WarmasterBlutschreiEnsiferumを絡ませて、MenhirThrudavangerを思わせるうっすらファ〜ファ〜だったりキラキラクサシンフォだったりするシンセや哀愁溢れるしっぽりアコギ、さらにチューバ、ティンホイッスル、フルート等のフォークマニアにはたまらない郷愁系笛類が絶妙に絡む、といった感じの悶絶クサペイガンプリミティブ
ドカドカ荒々しいブラスト、ドッシリ横揺れなどを交えつつ、勇ましく、かつツタツタとRawに疾走する。
フィンランドらしい寒々しい哀愁を爆発させるメロウ極まりないトレモロ、民謡ヴァイキンガーガッツポーズ必至の明るく熱いヒロイックメロ、およびそれらの中間のような無骨な哀愁メロなど、頭っからケツまで非っっっ常にメロディアスで殺傷力バッツグングンのクッサいメロディが炸裂しまくっている
わかりやす過ぎる民謡サウンドが絡みこそするものの、その絡ませ方がまたかな〜り絶妙で、Darkthroneの精神を受け継ぐオールドスクールプリミティブという軸から全くブレてはおらず、実にストレートにブラックメタルを感じさせてくれる一方で違和感無くヴァイキングヴァイキングしている点に惚れる
スタイル同様音質もガッツリ変化しており、前作のプリミティブ極まりないやかましくけたたましい音質とは打って変わって、マニア好きするプリミティブらしいRawさを保ちながらクリア(あくまでプリミティブ的な意味で)でバランスのとれた(あくまで(ry)かなり聴き易いものとなっている。
ヴォーカルはヒステリックな高音ガナリ絶叫。とにかく全編必死の形相でヤケクソ上等に絶叫しまくっており、全編年中無休で血管がブチ切れそうなテンション。高音の混じり方がTjolgtjarに通ずるものがあり、ネチっこいヒステリックさを備えていて非常に邪悪。また#8[Mythical Story (Draco cover)]では男前なクリーンコーラスなども被さる。


というわけで、とんでもなく上玉の本気印◎ペイガンプリミティブの大傑作
フィンランド系プリミティブも民謡ヴァイキングも好きな自分にとっては、歴代トップ10に入りそうなほどのファーストインパクト、即ドツボに特急突撃され、ハートをわし掴みにされてしまった次第。何度聞いても全く飽きが来ない。
どの曲も至極かっこいいのだが、お気に入りは#1[Eclipsed by Raven Wings]、#2[Alone]、#3[Bitter Winter of Depression]。特に#2は発想の勝利と言っていいほどメロディが秀逸であり、ヴァイキングメタル史に残る名曲。
前述したように、民謡サウンドを取り入れてはいるものの、根本的にはSatanic WarmasterHornaHammerなどのド直球王道フィニッシュプリミティブに属するスタイルなので、それらが好みであればきっと気に入るはず。
もちろん、それらに加えて民謡ヴァイキングがすきならなおのこと美味しくいただけること請け合い。
自分も苦戦したし、入手しづらい音源の一つであるとは思いますが、血眼になって捜しまわる価値があると自信を持って保証できる素晴らしき一枚。
Hyper Recommend!!!!!!!!!


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