霞鳥幻樂団:[衒学奇譚]

三味線バンジョーアコーディオン、ギターにベース、ドラム唄!
僕個人というごく局所的に驚異的な猛威を奮っている東京の和洋折衷フォークロック/メタルバンド、2009年ミニアルバム
以前紹介したお試し盤の4曲を再録し、新曲を一曲加えた5曲14分強。
前作でも大絶賛したとおり、ロシアやフィンランドに匹敵する悶絶アコーディオン+三味線&バンジョーの和メロという反則級に唯一無二の、最高に楽しいNo.1かつOnly1な、踊らにゃ損々お祭りフォークメタルが楽しめる


タツタドタドタと軽快に疾走するドラムの上で、アコーディオンが異国情緒の哀愁溢れる牧歌的な調べを奏で、三味線とバンジョーが雅な風情漂う和のメロディをベンベンチャカチャカと弾きまくる
民謡クサメタラー昇天ものの悶絶フォークロアクサクサメロディをこれでもかと炸裂させる驚異の霞鳥ワールドはもはや向かうところ敵なし、問答無用昇天必至悶絶万歳の圧倒的破壊力。
しょっぱな開始2秒で凄まじい哀愁を脳髄に叩き込んでくる新曲#1[四方八方]からしてもう尋常じゃない。これまでの曲とは赴きが異なるシリアスな楽曲であり、和琴を弾いているかのような三味線&バンジョー(なんとなくWindirの涙無くしては聴けない神曲[Byrjing (The Beginning)]を思わせる)と麗しののヤサグレ芸者ヴォーカルが見事にマッチした、日本舞踊フォークメタルといった感じの超名曲。おそらくメンバーの思惑の外だと思うのだが、中間パートがモロにTrollfestを彷彿とさせ思わずニンマリ。
前述したように残りの4曲は以前紹介した曲なのでそれらの感想はそっちのレビューを見てもらうとして、やはりどの曲も実に即効性の高いキャッチネスを持ちながらも味わい深く、素晴らしい曲尽くし。
と、収録内容は前作デモ+αといった感じだが、音質が随分と改善されている。重厚感を増したリズム隊、色艶を増したメロディ隊と、全体的に厚い音質となっている。各楽器がバランスよく配置されているおかげでそれぞれの持つ魅力が存分に生かされており、とくに前作ではこのバンドの主力たる三味線とバンジョーがその線の細さからどうにも周りに埋もれがちな感が否めなかったが、今作ではそれらが随分ハキハキと情緒感あふれるメロディを聴かせてくれる点が実に嬉しい。ドラムもよりパワフルとなっており、ギターとベースも随所でその存在感をアピールしている。彼ら地味にいいメロディ奏でてます。
美しき和ゴス芸者ヴォーカルも色っぽく妖艶なファルセットや可愛いポップ歌唱など、魅力を失うことなく線の細さがカバーされている。また新曲での力強く不機嫌な低音から伝統芸能を思わせる日本的歌唱まで披露しており、その表現力にますます磨きがかかっている。さらに#3[それ行け!霞鳥幻樂団]での噛みつくような咆哮&ブラッキー喚きのダブルデス声コーラスや、#1#4[Forest]での陰陽座っぽい男声コーラスなど、コーラスワークのパワーアップもナイス。


というわけで、もう奇跡という言葉すら生ぬるいくらい素晴らし過ぎる渾身の改作
既にこのレビュー書くために連続6周くらいしてるんですが、全く飽きません。もうこのレベルになるとボリューム不足すら感じません(笑)
KorpiklaaniFinntrollTrollfest好き、もとい全フォークメタラーおよびアコーディオンメタラー必聴のバンドです。ほんともっと広く認知されたら大ヒットする気がします。
僕が人生を賭してでも(笑)大プッシュしたいバンド、民謡好きのみなさん、ぜひ聴いてください。


・オフィシャルサイト:音源通販可。ディスクユニオンでも取り扱いが始まったとか。
・Myspace:衣装やブックレットなどのヴィジュアルワークのこだわりっぷりもたまらない。
ちなみに今月27日(土)、自主イベント「口から火を噴く鬼将軍 Vol.2」Deathscytheもお世話になった新宿URGAにて開催されます。
未だ音源化していない名曲群、悩みの種藪椿麝香なども聴けると思うんで、お暇な方はぜひ参戦してみてください。