S.S.W.G.:The Existence Issue


アメリカ産ブラックメタル、2011年1st。9曲27分弱。
Njjjjjjiiiiiiiiが有名なE.E.E. Recordingsよりリリース。
バンド名に「S.S.」と入っており、かつ戦争的なモチーフを用いてはいるが、バンド名は「Shoot Shit With Guns」の略でありあくまでNSバンドではないとのこと。


【初期衝動そのままにつんのめりながらもグッと胸を打つ程メロディックに暴走するブラックメタル!】


ツッタンツッタンミドルテンポ〜スタスタ2ビートまでノリ良く絡めながらカンカンバコバコドガドガスココココと初期衝動そのままに前のめりで猪突猛進ブラスト疾走する荒々しいドラム、ジャージャーと歪んだツインギターが掻き鳴らす、寒々しくもがっつりメロウなTransylvanian Hungerトレモロ、捲し立てるような焦燥感と狂おしいメランコリーが襲い来るようなトレモロ/リフ、豪たる邪悪さが滲み出るブラックメタル・リフ、スラッシーなオールドスクールリフ、そこはかとなくトラッドな情緒感の感じられるペイガン風味のリフ、ギャァギャァと早口でハイテンションかつイーヴィルに絶叫しまくる喚きガナリヴォーカル等が絡む。


アメリカ産だがサウンドは完全にノルウェーフィンランドあたりのヨーロピアンスタイルであり、ブルータルかつメロディアス、非常にストレートでド直球にカッコ良いブラックメタル
#1[Nuclear Aftermath]の幕開けを聴いた瞬間のファーストインプレッションはAntichristUnder the Sign of HellあたりのGorgorothの子孫という印象だったが、全体通して聴くとGorgorothより大分メロディック路線。
メロディ、リズム、ヴォーカルがただひたすらにハイテンションで実に爽快。
小気味良いノリノリテンポから早回しの様な爆走ブラストまで、急峻なスイッチングやタメを巧みに駆使したリズム使いが抜群にかっこよく、爆走パートの前のめり無勢いはスペインのNazgulUruk-Haiに近いように感じる。
さらにギターがメタメタに煽情力のあるメロディをガッツンガッツンかましてくるんだからもうたまらない!
ちょいちょいペイガン臭なども匂わせ、#5[Triumph through Perseverance]#9[WWIII]あたりなどはAorlhacSuhnopferのフランス勢にも通ずるクサみすら感じられる。
音質も程良くプリミティブなラフさ、Rawな質感を残しながらゴリゴリとパワフルで分離も良く、オーソドックスなブラックメタルとしては理想的と言えるだろう。


というわけで、2009年結成と若手ながらかな〜りレベルの高い一枚。
捨て曲全くなし、全曲3分前後というボリューム感もこのスタイルならちょうど良いと思う。
ブラックメタルとしての本質を確実に突いており、ブラックメタルフリークスへの訴求層はかなり広いはず。
ロディックブラックメタルが好きなら絶対に聴いて損しないと太鼓判を押せるので、あまり流通していないとは思うがもし見かけたら是非ゲットされることを推奨したい。


【お気に入り】
#9[WWIII]:クサ爆走の恐るべき破壊力に白目ひん剥いてもんどり打ちながら悶絶。
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#5[Triumph through Perseverance]もメロメロ爆走なインスト曲でカッコ良し。