Belliciste:[Sceadugenga]


ニュージーランド産プリミティブ・ブラックメタル、2014年1st。8曲44分強。
Todestrieb RecordsよりCDでのリリース。
前作デモ共々Bandcampにてデジタル盤をNYP購入することが可能。自分はCDを購入。


再生開始一秒目からガッツポーズ必至!いかにもUGらしくストレートな荒々しさを保ちながら鬼メロディックかつブラックメタルとしての芸達者ぶり」を惜しみなく爆散するトータル・プリミティブ・ブラックメタル
#1[Sceadugenga]冒頭こそ、一聴した瞬間Satanic WarmasterBekhiraを真っ先に思い浮かべる、寒々しくかつメロウなトレモロを掻き鳴らしながらドタドタバコココと突っ走るいかにもなドタバタメロウ・プリミティブ。
しかしながらアルバム全編通して聴いてみるとそんな枠には到底収まりきらず、スラッシーなザクザク・リフによるオールドスクールな展開、トゥルー・ノルウェイジャン系ぽいハキハキしたメタル感のあるギターフレーズ/リフ、いまだデスメタルとの境界が曖昧な頃を髣髴とさせる気持ち悪い系ギターソロが出たかと思えば、ヴァイキング感ある渋み勇壮メロディが掻き鳴らされたりと、「UGブラックメタル」という軸をブレさせることなく持ち得る「ブラックメタルのメロディ」でこれでもかというほどキャッチーに攻め立てまくる!
出番こそ少ないものの荘厳な雰囲気をうっすら醸し出すシンセ(この“うっすら感”が実に通好み!)や、この手にしては珍しくメロディを主張するベースが用いられたりなど、メロディ面では全く隙を見せない。
さらに、こまめにリズムパターンを切り替えながらも疾走疾走また爆走と緩急つけつつ徹頭徹尾前のめり。
ロディックに突っ走るパートはNekrokrist SSな突進的ノリも感じさせ、シーンによってはドッタドッタドッタドッドタッなんてD-beatくさい疾走も噛ましたりなど、リズム面でもこれまたキャッチーなことこの上ないのだから堪らない!


というわけで、UGらしいラフさを保ったキャッチー極まりないプリミティブ・ブラックであり幅広く推薦したいハイレベル作。
前述の通り、過去作含めBandcampでNYP購入が可能であるため、興味を持たれた方は是非とも聴いてみていただきたい。
ちなみにこのBellisicteKrigeistによる独りバンドなわけだが、氏は他にも同国のUGなRawプリミティブBlood of the Moon、フレンチ臭いジメり気と憂鬱感を感じさせるBarshaskethに参加しており、さらにUKのコールドかつほんのりカスカディアンな独りアトモスフェリック・ブラックBrònを主催し(独りバンドなのになぜUK?)ており、それぞれスタイルは異なるものの「メロディの恐るべき破壊力」はどのバンドにも共通してイケてるので、人脈掘り推奨人物に指定だ。


【お気に入り】
#1[Sceadugenga]:これがいわゆる悶絶疾走プリミティブ。
Facebook
https://www.facebook.com/belliciste
【Bandcamp】
https://belliciste.bandcamp.com/
【レーベルサイト】
http://label.todestrieb.co.uk/