Sühnopfer:Nos Sombres Chapelles


フランス産、ペイガン・ブラックメタル、2010年1st
今フランスの若手注目株筆頭であるSigillum Diabolicumライブサポートとして参加しているArdraosによる一人バンド。
Arkha SvaKawirAorlhacなどをリリースしているフランスのThose Opposed Recordsよりリリース。
7曲38分半。


【ヒロイック&メランコリック大吟醸!悶絶号泣至福昇天のアコギ入りウルトラメロウ系激クサ爆走メロディック・ペイガン・ブラックメタル!!】


ザラザラしたプリミティブな質感の高音強調めツインギターが、胸が苦しくなるほど悲愴感で一杯の激クサメランコリックな、それでいてペイガンな勇壮さの滲んだガッツポーズ系号泣トレモロ、母なる大自然への敬意が滲んだような柔らかくも誇らしげな陽性トレモロなどを苦悶しながら掻き鳴らし、軽快なツタツタ疾走からスポポポポポズタタタタタと勢いのあるブラストまで目まぐるしく絡めながら焦燥感に急き立てられるように前のめりで突っ走る。
そこにヒステリックな泣き交じり高音絶叫ヴォーカルが、胸を締め付ける悲痛さを滲ませながらどうしようもない感情に突き動かされるようになりふり構わず壮絶テンションで慟哭の絶叫を必死に張り上げまくる。
純朴な情緒感を伴いながら豊かなメロディを紡ぐフォーキーなアコギに「ヘイ!」な掛け声や朗々としたヲーヲーコーラスなども適宜絡む。


とにもかくにも強烈にクサクサなメロディを伴いながら怒涛のように爆走爆走また爆走な猛烈ハイテンション・メロディックブラックメタル
レーベルメイトであるフランス産のAorlhacにかなり近い激クサ爆走スタイルだが、あちらがメランコリック10を悲愴感3ヒロイック7のブレンドとするなら、このSunhopfer悲愴感7ヒロイック3ぐらい。
AorlhacHeathen Dawnに例えるなら、こちらはWindirといった感じか。


なんといっても「これいくらなんでもクサ過ぎやろ」ってくらい凄まじい哀愁を撒き散らす悶絶至極の極上メランコリック大吟醸メロディが止めど無く繰り出され、石につまずき豪快につんのめり地べたを這いずり、それでもなお血反吐を吐き地面に指を突き立て号泣に咽び泣きながらも前へ前へと初期衝動ムキ出しに突っ走る様がかっこよすぎる。
こんなに痛々しいまでの悲愴感に満たされながらも、隠しようもない熱血ペイガンなヒロイックさが迸る熱血メロディたるや、涙腺が惜しげもなく感涙の涙を出血大サービスするもどうしようもなく満面の笑顔でガッツポーズを決めてしまうだけの超絶破壊力。
しかし胸を締め付ける琴線刺激しまくりのクサさはAorlhacと同等ながら、理性をかなぐり捨てたなりふりかまわない爆走感ではSuhnopferの方に軍配が上がると言え、わけもわからず焦燥感に駆りたてられながらその刹那に全ての感情をぶつけるような猛烈ハイテンションがアルバム通して維持されているのだから凄まじい。
ツインギターの絡み方がまた絶妙なのよホント。
まくしたてるようなヴォーカルも暴走感に拍車をかける。
フランスのヴォーカルってこういう、なにかに追われてるかのような息せききった感じ出すの上手いよね。語感の問題かな。
ともかく、涙も笑顔も堪えることが出来ない、悲しくも勇壮なメロディが次から次へと炸裂するスリリングな楽曲にもうメロメロだ。


というわけで、フランスらしいメランコリックさが爆発したメロブラの傑作。
前述したAorlhacHeathen Dawn好きなら問答無用、Sigillum Diabolicum好きにもオススメできるだろう。
特にWindir好きにはストライクゾーンど真ん中ドキューンなんじゃなかろうか。#4["Espérance!"]#6[Reliques (part 1)]あたり特に。
というか、咽ぶようなクサメロ爆走が好きであればこのアルバムを聴かないわけにはいかないと思う。
たしかAorlhac3rdと同時リリースだったように記憶しているが、今年までこのアルバムをスルーしていたなんて切腹ものですよ実際。
そのAorlhac3rdも昨年までスルーしていたし、我ながら僕の選球眼には問題アリだなと強く感じさせられた大名盤。
またこのアルバムが気に入ったら2007年のEPも全く同等のクオリティが炸裂しているので是非聴いてみて頂きたい。
爆裂オススメ必聴必涙の一枚。


【お気に入り】
#1[Nos sombres chapelles]:うちしあわせぇっしあわせぇっ!しあわせみるくがでちゃううっ! てゆーか全曲良すぎてこんなんベストチューン選びようないよ!!w
MySpace
http://www.myspace.com/suhnopfer