Gwydion:「Ynis Mon」


ロゴが微妙にWindirっぽいポルトガル産シンフォニック&ポルカローレ・ヴァイキングメタル、2008年1st。新人バンドかと思いきや1995年から活動しているベテランさん。Trollzornからようやくのフルレンスリリース。
これまたデビュー作からクオリティーの高いバンドの登場です。


Finntrollパイレーツ・オブ・カリビアンなスケールのでかいインスト#1からしてすでに小悶絶。戦のSEとか入っててこれはのっけからかなりクル。
そして剣のキンキンいう音をバックに、ドン、ドドドドンドン、という力強い太鼓、フガフガアコーディオンがかぶさり始まる民謡ヴァイキングの楽園。
Running Wild系勇壮リフポルカアコーディオン&豪華絢爛Key重厚なリズム隊に乗って敵味方入り乱れた戦場で大乱舞する舞踏派バトルメタル!!「血沸き肉踊る」という慣用句をメタルで表現したらきっとこんな感じ。
ズンズンダカダカ重厚な刻みリフといちいちヒロイックなギタメロ、ひたすら牧歌的なアコーディオン、殺伐としたバトル感とやたら熱の入った雄叫びヴォーカルが魂を熱く奮い立たせ「少年よ、バトルアックスを抱け」とか言わんばかりの海賊王サウンドに心ときめく。
キラキラKeyによる大仰なシンフォニックアレンジ(ちょっとDornっぽい?)も荘厳でウマウマ(゚Д゚)
楽曲は緩急に富み、シリアスな横ノリミッドテンポから一転してアコーディオンや激クサKeyを伴ってドラマチックに疾走する様は鳥肌もん。Thronarの力強さとTurisasの大仰さを得たThiasos Dionysosみたいな感じ。あっ!!最強じゃん!!しまったぁ〜


音質はクリアかつ骨太。力強く存在感のあるドラム、ギターが後ろに引っ込んで聞こえるくらいやたら前に出たゴージャスKey&アコーディオン。うーん、いいミックス(笑)


ヴォーカルはTurisasをもう少しグロウルっぽくしたような野卑た雄叫び系デス&ノーマルボイス。悲痛な感情のこめられた雄々しい咆哮に漢惚れ。まったりクリーンボイスも実にいい味を出しており、Hin Ondeなオカマ声でThronarが如く叱咤激励する、みたいな?熱いことこの上なし。
また「ハイ!ハイ!」という掛け声も完備。無敵だ。


全曲悶絶クラスだが、とりわけ哀愁アコーディオンと雄叫びで幕を開ける#8は最強の出来。Thiasos Dionysos羊メタルHeidrunを彷彿とさせる、涙とニヤニヤが止まらないポルカ大爆発チューン。悶絶至極、感涙必至、一発昇天確実の破壊力。このサビのアコーディオンのメロディを聴きたいがために民謡バンド買っているといっても過言ではないくらいツボ。


というわけで、分厚い派手派手Keyとやりたい放題のアコーディオンに彩られた、シケシケのペイガン的哀愁と勇ましさダダ漏れガッツポーズ系民謡ヴァイキングメタル
派手なKeyとポルカアコーディオンだけでも拍手喝采ものなのに、曲の合間に用いられる戦闘SEが熱く、むせび泣く勇壮なギタメロが熱く、雄々しいヴォーカルが熱い。このかっこよさはハッキリ言ってずるい(笑)
最近もてはやされている民謡バンドはどーも小手先でお祭りサウンドやってりゃとりあえずウケルみたいな感じでどーも嫌なんだけど、このバンドはヴァイキングの深い悲しみや怒りの滲んだ悲壮感(#3泣ける)が存分に感じられ、そーした薄っぺらさは皆無。最近聴いたものではSvartsotに並ぶ個人的ヒット作だ。
民謡ヴァイキンガーは全員黙って聴きやがれこんちくしょう!!と叫びたい、民謡、シンフォ、ヴァイキングの魅力がギュッと詰まった密度の濃い一枚。わんだほーヽ(゚Д゚)ノ


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・Gwydion at MySpace#8:Turning of the wheelを聴いて握りこぶし。