Finsterforst:「Weltenkraft」


全世界のアコーディオニストに贈る渾身の舞踏派フォーク/ヴァイキングメタル。ドイツ、2007年1st。2006年EP:「Wiege der Finsternis 」付き二枚組限定盤。
だいぶ前にサンプルをダウソした時「アルバム出たら絶対買う!!」と心に決めつつ、実際に出たら買わなかったという曰く付きのバンド(笑)いやほんと、こんな熱いバンドスルーしてたなんて愚かしいにも程がある(笑)流行りものには飛び付かないという悪癖は一刻も早く改善すべきですね(笑)
ヴァイキング再考にともない真っ先に購入した、一人ヴァイキング祭第一弾。


ダッダカダッダカ力強くリズムを刻む、Ensiferumっぽいヒロイックなメロデスヴァイキングに乗っかって空前絶後の殺傷力を持つアコーディオンがポルカチックに疾駆する史上最強に牧歌的な疾走フォーク/ヴァイキングメタル
アコーディオン「も」用いてるんじゃなくて、アコーディオン「をメイン」に据えた、ありそうでなかった、しかし皆が待ち望んでいた超ド級の新人バンド。
Finntroll1st:#7Windir2nd:#1に始まった、我が飽く無き至高のアコーディオン探求の旅はこれにて終結。と締め括ってもいいくらい個人的ツボをえぐりまくるお祭りサウンド
あぁたまんねぇ、たまんねぇっす〜(´ρ`*)ハァハァ


アコーディオンのもつ牧歌的でどこか懐かしげな雰囲気を最大限に生かして、とてつもない哀愁をまき散らしつつ徹頭徹尾プカプカ大乱舞する民謡サウンドに思わずため息が漏れる。なんかね、アコーディオン聴いてると幸せになるんだよね(笑)幸せなんだけど、胸が締め付けられるように切なく苦しい・・・もしかして、これは恋?(バカ)
聴いてるとまず八割方ニマニマしちゃうんで電車とかあまり人の多いところでは聴かない方がいいかも。なんせこれ書いてる今もディスプレイの前で顔は満面の笑みですから(笑)


どうしても強烈なアコーディオンにばかり耳が行ってしまうが、実はギターもかなり男前なフレーズを連発しており、ここぞというところでヴァイキングメタラーガッツポーズ必至の情熱的な勇壮メロディ・民謡メロディかましてくる。またベースもビコビコ硬い音で耳を惹き、ドカドカと手数足数の多いドラムも素敵。


さらに随所でアコギや笛、クワイア風キーボードなどを効果的に用いており、土着的な雰囲気やBlack Messiahに似た哀愁も漂わせている。特にぴーひゃら笛とアコーディオンがユニゾンする所なんかは民謡メタル屈指の悶絶指数を誇る
曲は総じて長めであるが、疾走展開を軸にゆったりアコースティックパートあり、ブラックメタル的爆走ありと緩急が効いている。


ヴォーカルはメロデス/ブラックにいそうな聴きやすい高音デスボイス。なかなかにかっこいい声だ。
コーラスは#7#10でのみ聴ける。#7のわーわわコーラスは萌える(笑)


EPの方はサンプルで聴いていた3曲。基本的にアルバムと同じような内容だが、こちらのほうがスッキリうまくまとまっている、てかはっちゃけているように感じる。熱いヴァイキングギタメロの殺傷力は本編を凌駕せんほど。特にガッツポーズ必至のギタメロとクワイアKey、Thiasos Dionysos系笛&アコーディオンが一丸となって疾駆する#2は全ヴァイキンガー悶死確実のハイパーキラーチューン。


彗星のごとく現れた愛すべきアコーディオン馬鹿。10曲77分(EP含むと100分超!!)寝ても覚めてもアコーディオンづくし。これはEquiribliumに匹敵する鮮烈なデビュー作かも。
しかし、どの曲も一曲の中でいろいろと展開してはいるものの、同じフレーズの反復が多くそれ故に少し冗長に感じてしまう。また曲ごとの差別化があまり図られておらず、頭っからケツまでずっと同じという印象がぬぐい切れない。結果的に散漫としてしまい、聴いている途中で少しダレてしまうという点が、素材がいいだけに非常に残念。もう少しコンパクトにまとめて、なおかつ曲にも幅が出てきたりするとかなりすごいことになるんじゃないかと思う。
あとは、個人的にアコーディオンソロなんかあったりすると悶絶指数が20は違ったんで、次はよろしく(笑)
とはいえ、デビュー作にしてはあまりにもクオリティの高すぎる一枚+α
民謡ファンなら絶対気に入ると思うし、前述したようなバンドやBlack Messiah2ndみたいなしつこいくらいこってりした哀愁が好きな人にもウケそう。
なにより、アコーディオンフェチなら某○○病に匹敵するくらい脳髄とろけます
極上の民謡ヴァイキングにみんなニヤニヤすればいいじゃない。


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