Ashen Light:「Pesn' Velesa」


ロシアの凶悪派白塗りフォーク・ブラックメタルの1999年1st。
「一体どこの原理主義ブラックメタラーさんですか(゜Д゜;)」といった感じの、レコード店で見かけたら確実にジャケ買いしてしまいそうな強烈白塗りジャケが魅力的。特に右上に写ってるコイツ↓↓が素敵(笑)

さて、音の方はというと、ペイガンなギターとさまざまな音色を響かせるキーボで、ロシア真っ盛りの民謡哀愁フレーズを延々繰り返す洗脳系シンフォ・ブラック。
豪華絢爛キーボと共に、薄っぺらな音質で終始ハイテンションに駆け抜けるブラックメタル然りとした音像はウクライナのバンドに近い感触。
ただ、ウクライナ系と違って禍々しさはそれほどでもなく、キレイめ癒し系メロディは彼のPagan Reignをも彷彿とさせなかなかの哀愁っぷり。さすがロシアのバンドというか、透明感のある素朴な郷愁メロディが心に沁み入ります。むしろ、これはもうヴァイキングメタルの範疇で語られるべきかも。


ボーカルはウクライナに多いタイプのケバだったヤケっぱち系ガナリ絶叫。これ系のデスボイス妙な素人臭さがあるよーに感じるんだけど、このボーカルはそれに輪をかけて素人っぽく、危うさ情けなさ共に二倍(当社比)
んで、ドラムはたぶん打ち込みかな?ブラストはほとんどなくて疾走がメイン。


ロシアの深い森を思わせるインスト#1に続いて、#2ではピポポポピポポポピポピポポ〜電子音丸出しの頭悪っぽい笛キーボが炸裂!!このメロディは一度聴いたら脳髄にこびりついて離れない#3はナイスロシア!!な木こりブラック。#4は透明感あふれるキラキラ疾走が素敵。#5#6Pagan ReignNokturnal Mortumといったいでたちの悶絶チューン。そして#7はさらに悶絶度上げ目で民謡疾走する殺傷曲。打って変わって#8Emperor直系のシリアスで荘厳な爆走シンフォ・ブラック。そして森林系インストの#9でしっとり締め。


総括すると、ロシアンヴァイキングなメロディをふんだんに盛り込んだ、ウクライナ風味の悶絶シンフォニック・ブラックメタルといったところ。
見た目の凶悪さとは裏腹に、煌びやかな癒しメロを伴って疾走するような素敵サウンドが展開されていて実に聴きやすい一枚。曲によってはもろロシアンヴァイキングしてます。捨て曲一切なし。
もちろん(?)B級らしい洗練されてなさ加減があるんでその手のマニアも納得の品質(笑)
ロシアの民謡系が好きな人には堪らないであろうメロディが堪能できる全9曲45分弱、ぜひお試しあれ。
ロシアいいよロシア(´Д`*)ハァハァ


・Official Site:何気にもう7枚もアルバム出してんのね;
・MySpace:#1のインストだけ聞ける
2001年にライヴ音源などを加えた再発盤が出ている模様。
この作品以降はフォーク色がなくなり硬派なプリミティブ・ブラックをやっているようだ。