Nocturnal Feelings:[Tropa de Destrucción]


コロンビア産ブラックメタル、2014年4th。7曲35分半。
アメリカのAh Puch Recordsより1000枚限定でリリース。
ゼロ次元さんにオススメされて購入。多謝!


温度差の魔拳!南米の熱気と北欧の冷気が荒々しく突貫する飛竜昇天破ブラックメタル
ポコポコスポポポズドドドと汚らしく前のめりに猪突猛進するドラムはいかにも南米ベスチャル系の熱気ムンムンだが、ザリザリジャージャーと劣悪ノイズに埋もれがちなトレモロ/リフはむしろSargeistCataplexyあたりを思わせる寒々しくダークにメロウな北欧コールド・ブリザードというRaw & Melodicスタイル!
ドラムの忙しない乱痴気騒ぎっぷりが、やはり北欧ブラックでは出せない南米独特のノリというか味わいを発散しておりガツンと気持ち良い!
その上で掻き鳴らされるトレモロ/リフはプリミティブ的というよりはむしろ北欧メロブラ的な、ブラックメタラーなら反応せざるを得ないセンスのメロディを紡いでおりドストレートにカッコよし
さらに深くリバーブをかけてギャァギャァと喧しく喚き立てるヴォーカルがこれまた90年代地下ブラック感満載であり、#2[Muerte en Gólgota (Intervención)]のギャァギャァ喚きなどは楽曲展開も併せて1st[In the Nightside Eclipse]の頃のEmperorIhsahnをも髣髴とさせ、これまたカッコよし。
突進一辺倒かというと決してそんな事はなく、#3[Iniciación (Metal Negro)]冒頭でクリーントーのギターを用いたり、#5[Through the Stars]ではミスティックな瘴気を充満させるミドルテンポ中心の楽曲だったり、#6[En su nombre]のサビパートではほんのり儚さをにじませたリフを鳴らしながらゆったり横揺れたりなど、一曲の中で/そしてアルバムの中で巧みに展開が設けられていることで疾走パートのカタルシスやメロディの破壊力が盛り立てられておりブラックメタルとしてのトータルバランスは意外にも高めなのがニクイ
バンドイメージとしては暴れはっちゃくブルドーザーでありながら、計算高さを感じさせないレベルで緩急をスッと聴かせる楽曲展開はなかなかどうして良く作られていると思う。
ちなみにラストの#8[Black Ceremony]はギターのFalakが過去に参加していたThy Endless Wrathのカバー曲。
原曲は聴いたことないが、物憂げでアダルティなアコギを弾きながらデス・ウィスパーで「セイタ〜〜〜ン、ルシファ〜〜〜〜」などと詠唱するアッチ側で落ち着いた曲であり、アルバムを締めくくるのにちょうどよい塩梅。


というわけで、南米ブラックの初期衝動剥き出しの荒々しさと90年代北欧ブラックの荘厳な寒々しさを同時に体感できる地球丸ごとナイス・ブラックメタル
2001年から現在まで活動している、もう古参と言っても過言ではないバンドのようだが、それも納得の貫録と言えるだろう。
生々しいドラムの作用か、北欧ブラックのような別世界のファンタジーを鑑賞する感覚よりは小さなハコのライブで頭振ってるような感覚が想起されるのが個人的には◎
劣悪気味な音質も含めてブラックメタルとしてなんも考えずにカッコいいため幅広くオススメしたいのだが、幸か不幸かゼロ次元さんでは僕がオーダーした段階で売り切れになってしまったようなので、気になった方はゼロ次元さんに再入荷希望を出しましょう!(笑)
とゆーか過去作も入荷してください!


【お気に入り】
#4[Tropa de Destrucción]:メロメロメロディ〜〜〜ック!!
【レーベルサイト】:現在アクセス不可の模様。
http://www.inframundo-records.net/ahpuchrecords.html
【Bandcamp】:過去作の視聴が可能。DLは不可。
https://nocturnalfeelings.bandcamp.com/


本作の動画が見つからなかったため過去作から。
今作に比べて南米感かなり薄めだけど、これもカッコ良すぎでしょう!