Laster:[De verste verte is hier]


オランダ産自称Obscure dance music、2014年1st。4曲45分弱。
Dunkelheit Produktionenよりパッチ付きCDおよび500枚限定LP(白100、透明100、黒300)が、Broken Limbs Recordingsよりテープが100本リリース。
自分はテープバージョンをゲット。
White OakWilloosSea of TreesといったNiceダッチ・アトモスフェリック・ブラックを展開しているW. Damiaenが参加している。


どこか上品で神秘的・荘厳な雰囲気を纏いつつ、暗く沈鬱な厭世観の中で思いつめたような狂気を発散させるデプレ気味アトモスフェリック・ブラックメタル
昨今のポスト・アトモスフェリック系のようなエモーショナルな感傷も滲ませながら、描き出す世界観は徹底的に暗く冷たい。
内向から外向へ絶望の起伏を象徴するかのように緩急をつけて叩きつけられるドラムの上で、物悲しく感情を発露するメロディと悲痛な絶叫を張り上げ悶え狂うデプレ風発狂ヴォーカルが胸を打つ。
抽象的な荘厳性も感じさせつつ、感情的なメランコリーも兼ね備えており、このあたりの感覚は北欧ブラックの荒涼感と現代ブラック的なアプローチを上手く融合していると感じられなかなか良い塩梅。
いやしかし、これのどこがダンスミュージックだ!
気持ちが切なく沈み込むしブラスト激烈だし、ノれねえよこんなん(笑)
と思ったが#3[Ik - mijn masker]の5分過ぎ辺りから「ウー!ハー!ウー!ハー!」ジンギスカンのような掛け声が入り、「ああ、ここらへんはダンスミュージック意識してんのかな」と思ったけどやっぱりどう考えても場違いだしおかしいでしょこれww
さらに#4[De verste verte is hier]ではJoy Divisionを思わせるドッタンドドタンな根暗ポストパンクが披露されたりもしており、やはり古くより続くアトモスフェリック・ブラックとは一線を画す世界観を持った新世代バンドなのだなぁと感じる。


というわけで、緊張感溢れる厭世メランコリーが楽しめる現代アトモスフェリック・ブラックとしてお勧めしたい一作。
海外ではカスカディア系の影響下と紹介されており、僕もその流れで知ったわけだけど、カスカディアっぽさはWhite Oakの方が上かな?
カスカディア系の中であえて似てるバンドを挙げるとすればTwilight FallsとかStellar Descentとかあのあたりの激烈メランコリック系だろうか。
前述のようにメンバーが共通するWhite OakWilloosSea of Treesが好きであれば是非とも聴いていただきたいし、2010年代以降のアトモスフェリック系ファンなら楽しめるハズなので一聴の価値ありだ。
あ、逆に今作気に入ったらWhite OakWilloosにも迷わずGO!ですよ!


【お気に入り】
#2[Tot de tocht ons verlicht]:本作の中では一番カスカディアっぽくて好き。
【レーベルサイト】
http://www.dunkelheit-produktionen.de/
http://brokenlimbsrecordings.com/:BLRはリリース品も良いし対応も親切な良質レーベルなのでオススメ。
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https://www.facebook.com/lasterspraak
【Bandcamp】:過去作含めNYP購入が可能。
https://laster.bandcamp.com/