Downfall of Nur:[Umbras de Barbagia]
バンドロゴがナスカの地上絵みたいなアルゼンチン産アトモスフェリック・ブラックメタル、2015年1st。5曲54分。
イタリアのAvantgarde MusicよりDIGI-CDおよびデジタルアルバムでリリース。
自分は100セット限定の16Pフォトブックセットをゲット。ナンバリングは9/100。
バンド名の「Nur」とはイタリアのサルディニア島で青銅器時代から2世紀頃までおよそ2000年栄えたNuragic文明の事を指すようだ。
「Nuragic文明の没落」と言ったところだろうか。
A.氏なる人物が中心メンバーであり、現在はP.氏をセッションドラマーとして加えた二人体勢だ。
北米とも北欧とも異なるエスニックな郷愁メロディを携えた2010年代式自然派ペイガン・アトモスフェリック・ブラックメタル!
厳粛で神秘的・荘厳な雰囲気を纏い、アコギによる素朴で力強いパートからポスト・ブラック風の情緒感を匂わせるエモーショナルなトレモロ掻き鳴らしパート、荒々しいドカドカ疾走パートまでダイナミックに展開する、いわゆるカスカディア系に近しいスタイル。
アコギやシンセサイザーにとどまらず笛やストリングス、パイプにピアノなどの多彩な楽器を自然に配した楽曲はSaorを髣髴とさせるが、しかしそこで繰り広げられる哀感の強い翳ったメロディからは西洋とは芳香の異なる異国情緒が感じられ、得も言われぬノスタルジーに恍惚としてしまう。
というわけで、前述のバンドロゴやアニミズムの呪術者のようなジャケットから感じられる原始的な怪しさが功を奏している、最近のカスカディア類例バンドの中でも独特の空気感が楽しめる好盤。
前述のSaorやPanopticonなんかに比べると地味目で若干シリアスなサウンドではあるが、個人的にはこれが派手過ぎない絶妙なサジ加減であると感じられ、民族楽器のヒーゼン感も相まってハマるとクセになると感じた次第。
Saor、Wolves in the Throne Room、Skagos、Merkaba、Falls of Raurosあたりが好きな人にオススメしたい。
【お気に入り】
#2[II - The Golden Age]:The Golden Ageと言われるとof the Grotesqueと繋げたくなる世代。
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【Bandcamp】:過去作のデジタル盤がNYP/1USD等で購入可。
https://downfallofnur.bandcamp.com/
【レーベルBandcamp】:本作のデジタル盤およびCDが購入可。
https://avantgardemusic.bandcamp.com/