Sun Worship:[Elder Giants]


太陽崇拝というバンド名が最高にシビれるドイツ産アトモスフェリック・ブラックメタル、2014年1st。4曲37分。
イタリアのView from the CoffinよりテープとデジパックCDでリリースされた。
自分はCDを入手。


ドイツ産ではあるが、Wolves In The Throne Roomの影響を強く感じさせる厳粛かつ神々しい雰囲気に満ちた21世紀型アトモスフェリック・ブラック。
バコバコと荒々しく叩きつけられる生々しく苛烈なドラムに乗せて、厳かな叙情を湛えた凛々しくも美しいトレモロを掻き鳴らすエモーショナルな情景描写スタイル。
これまでにリリースされたデモやスプリットでもカスカディア・ライクな音楽性ではあったが、今作ではより一層カスカディア感が強くなった。
最近のカスカディア一派はその黎明期以上にシューゲイザーやフォーク、あるいはポスト・ハードコアな手法が強調され、また所望される傾向にあるように感じるが、このSun Worshipは過去作から一貫してそういった「飛び地」的なアプローチを滲み出る程度に抑え、あくまで北欧真性ブラックメタルから地続きのブラックメタルとしてのカスカディア・スタイルをビシッとキメてくれており、実にカッコ良い!
特に1st〜2ndあたりのWITTRSkagos1stを髣髴とさせるこの音楽性は、派手さや外連味を極力削ぎ落とした、まさにトゥルー・カスカディアと言ってしまいたいほどの“芯”が感じられてなんとも素晴らしいこと!
WITTRの再現度が高いド直球フォロワーと言うとEncircling Seaが真っ先に思い浮かぶが、あちらは木目調の温もりや甘目のメロディがより強調されているのに対し、このSun Worshipは脈々と受け継がれてきたブラックメタルの背徳の遺伝子がリフのそこかしこに見受けられ、寂寥感が胸を打つメランコリックなメロディは標準装備しつつもより硬派なサウンドと言えるだろう。
噛みつくようなヴォーカルもWITTRNathan Weaverそっくりだ。
ラストトラック#4[Transneptunian (Infinite Gaze)]Burzum名作3rdのラストトラック#4[Tomhet]を思わせる虚無感漂うアンビエント・チューンとなっており、やはりオーセンティックなブラックメタルへの崇敬を窺い知ることが出来る。


というわけで、過去作の時点で要注目バンドだったが、満を持してリリースされた今作はそんな期待に応える傑作だ!
過去作で聴かれた、Ash Borerを思わせるハードコア感溢れるドカドカ疾走が聴けなかったのはちと残念だが、しかしなんせ非の打ちどころがない程に完成度が高く、カスカディア・ファンは必修必悶だろう。
リミテッドかどうか不明なもののレーベルでは現在Sold Outとなっているが、今作含めリリース品はすべてBandcampで無料DLすることが可能なので、気になった人は迷わず全作ダウンロード推奨!
また本作はDead SectionというレーベルからLPリリースが決まっているようで、この記事を書いている時点でみちのく Onlineさんが発注を受け付けているので、アナログ環境のある人は売り切れる前に予約しときましょう。
グレートですよ・・・こいつぁ・・・!!


【お気に入り】
#3[Elder Giants]:楽曲の山場でギターのリズムが若干怪しげだが(笑)メリハリの利いた楽曲展開とメロディの応酬が素晴らしいにも程がある!
Facebook
https://www.facebook.com/sunworshipband
【Bandcamp】
http://sunworship.bandcamp.com/
Soundcloud
https://soundcloud.com/sunworship
【View from the Coffin(レーベル)】
http://www.viewfromthecoffin.com/
【Dead Section(レーベル)】
http://deadsection.dk/store/