トロルのトロルによるトロルのための2013年ベスト!
もう2014年2月も半ばだよ!
というわけで、2013年ベストです。
おそらく日本最遅なんじゃないでしょうか。
ここまで遅いと一周まわって新しくないですか?ないですか、そうですか。。。
今回は新譜部門と旧譜部門に分けてみました。
書き始めた時は各音源1行2行コメント書いてサクッと終わらそうと思ったんですが、普段レビュー全然書いてないせいか、いざ書き始めると書きたいこと一杯あって、なんかすごい分量になっちゃいました。
まぁいつものこと。
ちなみに、各音源で文章量やテンションに差があるのは、それぞれ書いている時に入ってる酒の量の違いによるものであって、決して音源の良し悪しに由来するものではないので、ご留意されたい。
それでは、まずは新譜部門!
新譜部門
大和TROLL杯2013を勝ち取ったのは、ウクライナのプリミティブ気味ペイガン・メロブラの超大型新人! 何度聴いても笑顔がこぼれてしまう、恥ずかしいほどにヒロイック&メロディック大吟醸なゴキゲンメロディを撒き散らしながら徹頭徹尾ツタツタドカドカパンキッシュに疾走するとか、それ反則やろー!! これでガッツポーズせずして一体何でガッツポーズするというのか! 本作は我らがゼロ次元さんリリースの2ndフルレンスにあたるわけだが、1stもゼロ次元さんがリリースしていたのに全然ノーマークだったことが恥ずかしい・・・!! メロディアスな疾走ブラックと言ってしまえばそりゃ星の数ほどいるけど、非常にわかりやすいド直球スタイルながら明朗なメロディと快活な疾走感の突き抜けっぷりは似たバンドがなかなか思い浮かばないという絶妙にニッチなオリジナリティを発揮しており、お見事の一言! 何より「俺たちはこういうブラックメタルをやりたいんだ!」という、若手らしいエネルギーに満ちたバンドとしてのアイデンティティをハッキリ明確かつ鋭角に感じ取ることができるのが最高にカッコイイじゃないですか! てかこれどう考えてもライブで見たら確実に悶絶失禁ジョビジョバレベルなんで、次回か次々回あたり黒犠牲の生贄に捧げるのはいかがでございましょうかゼロ次元さん? 視聴:#8[Вузли із шнурів і щілин] |
今をトキメく個性派カスカディアン・ブラック両バンドによる待望のスプリット。 もうこれは非の打ち所が無いっすな。 先鋒Vestigesは相変わらず完成度の高いポストハードコア風ブラックメタル、というよりブラックメタルinspiredな激情ポストハードコア。 2曲18分半で大作1曲のような構成だが、静動緩急やタメを絶妙に駆使してテンポ良くかつドラマティックに展開しており、まったく長尺曲っぽさを感じさせない構成力はさすが。 特に胸を打つ激情メロを伴ってドタドタと軽快に豪快に疾駆する様は実に痛快。 一方次鋒Panopticonはと言えば、前作にあたる4thでは朴歌的なカントリーミュージックを前面に押し出していたが、今回はコンピレーションアルバム[...on the Subject of Mortality]やA. Lunn翁の別バンドであるKolgaを髣髴とさせる、シューゲ色の濃い幻想的で浮遊感溢れる作風。 甘〜くドリ〜ミ〜に残響を響かせるメロウかつノスタルジー極まる暖かなメロディを、手数脚数の多い苛烈なドラミングに乗せて凄惨な絶叫を張り上げる、Panopticonでしか為し得ないワンダーランドが惜しげも無く展開されている。 旧き良きブラックメタルの形骸を打ち捨てた、常識を打ち破る新世代ブラック珠玉の3曲が楽しめる。 やはりPanopticonはこうでなくては! というわけで、とにかく昨年は何聴くか迷ったらこれを聴いていたってくらい聴きまくった作品。 視聴:Vestiges:#2[VIII] 視聴:Panopticon:#3[A Letter] |
カナダのカスカディアン・ブラック最高峰、満を持しての2nd!にして衝撃作! アルバム導入部の甘っ甘にドリーミーなポストロックからして「こいつらやりやがった!」感がハンパないわけですが、そのポストロックサウンドを引き摺りながら畳み掛けるように突入する、ポストロック/シューゲイザー系の空間的響きを持つギターによる夢幻と幻想と郷愁の音響残響ポスト・ブラックメタルにはもう只々ド胆を抜かれるばかり! スプリットここ数作のポスト・アトモスフェリック・ブラック路線を更に推し進め、進め過ぎて極まっちゃった到達点はあまりにも唯一無二! どう聴いても夢心地ポストロック、だけど確かにブラックメタル!というこの感覚は、上に紹介した最近のPanopticonにも通ずるアプローチであるが、ポスト・ブラック円熟期の昨今をしてなお多くのバンドが目標としながらも到達しえていない境地、まさに究極のポスト・ブラックメタルと言えるだろう。 1stの頃の純朴フォークな雰囲気は随分と影を潜めてはいるが、要所要所でその残滓が垣間見え、Skagosの変わらぬ矜持を感じ取ることが出来るのも素晴らしい。 なにはともあれ、ヒップスターでベッドルームなポスト・ブラック勢では到底為し得ない、あまりにも先進的で鮮烈過ぎる異妖にして威容な異形の偉業たる傑作! 視聴:#1[Anarchic I-IV] |
アメリカ産若手パンキッシュRAWプリミティブのコンピレーションテープ。 当ブログでも何度か取り上げ、例のファンジンでも大プッシュさせていただきましたが、いやはやこれは素晴らしい! 「Vlad Tepes+Satanic Warmaster meats Bone Awl」とでも表現すべき、寒々しくも淫靡でメロウなトレモロを掻き鳴らしながらドタバタと粗暴かつ荒々しく、そして軽快に疾駆する、Cirrhus流温故知新スタイルの集大成、最高到達点ともいうべき作品。 本作はリリース当時、2013年末にリリース予定の1stフルの前哨戦とアナウンスされていたが、その1stは手元に届いたのが2014年に入ってからであるためあまり聴き込めてはいないものの、今のところの印象としては本作含め過去作よりも若干ノリ弱めでストイック気味になっており、本作の方がよりCirrhusらしい作品という風に感じている次第。 とにもかくにも、僕が求める理想のプリミティブブラックメタルをかなりの実現度で体現してくれているため、ある意味上記Zavod'よりもツボを深くエグく抉られてしまった作品。 視聴:#1[Time Honored Barrier] |
AAAAAAAAAAAAAAAAAAGGGGGGGGGGGHHHHHHHH!!!!!!!!! ロシアが産み育んだスラヴォニック・ペイガン・メタル・ゴッド、Pagan Reignの、なんとなんとのライブDVD! もちろんオフィシャル!マジか! まさかPagan ReignのライブDVDを手にする日が来ようとは・・・! 本作は4thリリース後、バンドとして一番脂が乗っていた2006年、ロシアはトヴェリで行われたライブを収録。 画質音質ともにB級バンドとは思えぬクオリティ、選曲は1stから4thまでファン納得の品揃え。 何気に演奏の安定感は結構なもので、ライブらしく多少のテンポアップやアレンジは加わりつつもスタジオ作の再現度が高いのが嬉しい。 また曲が終わる毎に「ぱーがんれいん!ぱーがんれいん!」とコールが巻き起こり、会場の熱気も伝わり、ライブの臨場感を体感できると共に単純に音楽作品としても楽しめる。 時折ステージ上のカメラマンがガッツリメンバーの前に立って邪魔になってるあたりも含めて(笑) 特にOreyの雄姿を拝めるのはもちろん、フルートからシンセ、パイプ系の笛等民族パートを一手に引き受ける、大人しめメガネっ子文学系女子大生といったビジュアルのLada嬢の可憐で落ち着いた佇まいにおじさんはキュンキュンしてしまったよw とにかくファンなら楽しめること間違いなし、マストなライブDVD。 ライブ見てえええ!!! 視聴:#6[Бессмертное Племя] |
今やKrallice、Wolves In The Throne Roomに並ぶ現代USブラックの代表格たる貫録を感じさせつつあるAsh Borer、期待のEP。 前作[Cold of Ages]では減退したかに思われた荘厳魔性の雰囲気がここにきて嬉しい大復活。 [Cold of Ages]で確立されたバンドサウンドのブルータリティを損なうことのないクリティカルな音質を維持しつつ、1stまでの厳粛で威容な瘴気に満ちた空気感を取り戻すことに見事成功している。 さらに超常の緊張感と名伏し難き厳かさを残響に滲ませる、茫洋としていながら得体の知れない重厚な圧迫感を感じさせる荘厳神秘の轟音トレモロのメロディは過去作に勝るとも劣らぬ鬼気と魔性を孕んでおり、フィジカルとスピリチュアルの絶妙な配合はこれまでAsh Borerが培ってきた真なる成長の証左と言えると思う。 収録時間は2曲34分半とEPにしてはボリューミーであり、個人的に彼らの最高傑作である1stに匹敵する傑作だと感じた一枚。 視聴:#2[Dirge Purgation] |
ドイツの詳細不明プリミティブのEP。 ザ・Satanic Warmasterフォロワー! スラッシーなリフも絡めながら、寒々しくメロウで適度に明るい哀愁ダダ漏れトレモロを掻き鳴らしてドッタンドドタンツタツタドカドカ! SxWxのSxWxらしさをデフォルメしたかのような王道フィンランドサウンドには悶絶不可避! #3[Litany to the Moon]のKey絡めたメロメロ疾走とか、もうSxWxの3rdに収録されててもおかしくないレベル。 特にこの曲のサビのフレーズは、My Favorite BMの一つであるBlack Mistを彷彿とさせ、今現在活動が不明瞭な彼らの代わりに是非ともドタバタメロウの神髄を極めていただきたいところだ。 視聴:#3[Litany to the Moon] |
フィンランドからフォークメタル界を牛耳るフンッパトロル軍団の6th。 Finntrollにはどうしても2nd、3rdあたりのエロロイエロエロな酔いどれフォーク(というか[Trollhammaren]とか[Jaktens Tid]のような縦ノリ疾走曲)を期待してしまうため、猥雑さが感じられないクリアなメタルマッチョ音質や、勢いやノリよりも整合感の方が強く感じられる楽曲に、初聴時こそ「なんだか小奇麗にまとまっちゃったなぁ」とイマイチな印象を持ったが、どっこい聴けば聴くほどハマっていき気付けばかなり高頻度に聴きまくってしまっていた。 じゃぁ今作はスルメ盤なのかというとそうでもなく、[Trollhammaren EP]を思わせるゴージャスなシンフォサウンドで奏でられる異国情緒に満ちて所々にヴァイキングっぽさも滲ませた、非常に「Finntrollらしい」メロディのわかりやすさや殺傷力は2nd、3rdに匹敵すると思う。 4th、5thでも良いメロディは確かにあるけど薄味控えめな印象を受けていたが、今作は全編にわたってキャッチーなメロディが目白押しとなっており大変充実した内容となっている。 特に#7[Skogsdotter]や#9[Två ormar]など、楽曲によっては1stの頃の「戦うフォークメタル」感を感じ取ることができるのが1stファンとしては嬉しい限り! 末永くお付き合いしたい愛聴盤だ! 視聴:#7[Skogsdotter] |
ロシア産ポスト/シューゲイザー・ブラックメタル1st。 我らがゼロ次元社長のサブレーベルMAA Productionsよりリリース。まー。 オサレでモダンでほんのり憂鬱なAmesoeurs〜初期Lantlos的アプローチを嫌味なくあざとさ若干な感じで、デプレ寄りにまとめあげた好盤。 「お前らはこういうのがツボにクルんだろ〜?」と言わんばかりにウィークポイントを的確に突いてくるというか、いまやシューゲ・ブラックは巷に溢れ返っているが、「そうそう、そこそこ!」という痒いところにとびきり手が届く感じ。 個性はと言えばジリジリビコビコ絶え間なく自己主張の強い歪ベース。 基本的にベースが良く動くブラックメタルはHakuja然りCelestia然り大好物なんだけど、このアルバムに至ってはそれが少し過剰というか、#2[Хозяин Слёз]タメ後の間奏パートなど、ギターが最高に琴線刺激なメロディを奏でながら気持ち良く飛翔している横で自己陶酔に浸るが如くベースがビンビコビコビコ一心不乱に弾きまくっていたりして、正直「おい、ちょっとお前黙ってろよ!」と感じる場面がそこそこあるのだが、まぁそこまで含めて退屈しないというか(笑) ややもすれば無個性の大売り出しになりかねないポストブラック界隈に於いて王道路線なスタイルでありつつ個性的でレベルも高いということで気に入った一枚。 視聴:#2[Хозяин Слёз] |
ポストブラックの名門、中国Pest Productionsが発掘したニュージーランド/USAの新進気鋭ポストブラック、1st。 Alcest、Amesoeursにいち早く応答した第二世代ポストブラック不朽の名作・白コンピの血統に連なるPest Pro.流ポストブラックスタイルをハイクオリティに踏襲。 ポストロック度数高めで、曇天に残響を甘く棚引かせながら痛烈に胸を掻き毟る殺傷力オメガストライクな琴線刺激ノスタルジック・トレモロで全編覆い尽くされており、それでいてブラックメタル然りとしたブルータリティを貫いているのだからたまらない! モダンな都会的ダークさやネガティビティも感じられ、例えるならDopamineをAmesoeurs、あるいは初期Lantlos(#5[The XIXth Wave]とかかなり露骨)っぽくしたって感じだろうか。Liamにも近いかな。 上記Kultura Kureniyaよりは素直にシューゲブラック。 偉大なる先人たちの叡智を鋭意集結洗練させた、ポストブラックの集大成と言ってもいいような一枚。今後の活動にも期待大! 視聴:#6[Persona I; Lunar] |
Apocynthion:[Sidereus Nuncius] Arkha Sva:[Satanas, Exaudi Orationem] Encircling Sea:[A Forgotten Land] Fell Voices:[Regnum Saturni] heaven in her arms / cohol:[刻光] Skogr:[Skogr] | ApocynthionはSul Ad Astralと同時リリースの高品質ポスト・ブラック。結構気に入ってるけどちょっとバタ臭いオサレさが鼻につくんでSul Ad Astralに軍配。 Arkha Svaライブ盤は文句無し。2008年当時のライブの興奮を追体験。やはりヴォーカルのパフォーマンスは今改めて聴いても異常だ。 Encircling SeaはWITTRド直球フォロワー。内容はかなり高品質で、ケチつけようがないくらい素晴らしいけど、フォロワー過ぎというかもう少しオリジナリティが欲しかった。今後に期待! Fell VoicesはAsh Borerと双璧を成す辛口カスカディア系。今作は世相を反映してか過去作よりは聴きやすさが増したような印象だが、やはりストイシズムに満ちた厳粛なRawアトモスフェリック・サウンドが展開されており流石。 hiha/COHOLは最後までベストに入れるかどうか悩んだ作品。激情迸り苛烈極まるブラックメタルとポストハードコアのクロスオーバーここに極まれり。息が詰まるほどにドラマチック。 Skogrは期待値も込めて。カスカディア系よろしく自然的なモチーフを扱いながら音は割とまっとうにプリ気味メロブラ。初聴時のインパクトが強くてテンション上がった。ちょっと一発メロディ勝負な感があるので、もう一つ楽曲展開の捻りとか緩急、間なんかを獲得してくれると結構面白いバンドになってくれるんじゃないかと期待。 |
続いて旧譜!
旧譜部門
2005年結成の本格カスカディアン・ブラック、2012年3rd。 これまで同様、シューゲイザーやポストロックには頼らない、森の中で焚火を囲うようなアコギ弾き語りが象徴的なフォーク/ドゥーム路線のアンビエント・ブラックスタイル。 1stから2ndにかけて俗世離れしたストイックさが増し、そういう方向で今回も来るかと思ったら、Faunaらしい厳かでアニミズムめいた自然的・神秘的雰囲気を纏ったシリアスさはそのままに、素朴だが凛々しげで心に沁み入るようなメロディを大幅強化。 結果として真性カスカディアど真ん中なサウンドへと進化しており、素晴らしいことこの上ない! Velniasの名作2ndと同タイプだと思うが、こちらの方がリフレインを多用したミニマル傾向が強く、より儀式的な空気感に満ちており得も言われぬ恍惚感に浸ることが出来る。 なにより、甘さ控えめのシブいメロウさがツボ過ぎる! カスカディアン・ブラックきっての傑作だろう! 視聴:#3[Syrinx] |
新譜部門1位に挙げたウクライナ産ペイガン・ブラックの2011年1st。 はい、大体言いたいことは新譜部門で語りました。 個人的には2ndより「やたらめったら」なノリ感が強く、またリフやフレーズがバラエティに富んでいるこちらの方が好きだったりする。 ちなみにオフィシャルサイトによると、このZavod’は当初ファストパンクをプレイしていて、6曲入りのデモを自主リリースしたらしいが、周囲の反応はあまり良くなかったようだ。 しかしその下地あってこそこの「極泣き!ペイガン・パンキッシュ・ブラック!」とでも表現すべき唯一無二のスタイルが確立されていることは多分間違いないだろう。 願わくば是非ともその最初期デモも拝聴してみたいものだ(ゼロ次元さんチラッ)。 視聴:#5[Гори, Гори, Гори] |
アメリカはミネソタ産、新世代系ブラックメタル、2010年2ndデモ。 今最も熱いUSブラック!と吹聴しまくっているこのバンド。 ガピガピジャギジャギと割れまくりノイズ塗れのハーシュギターが、古式ゆかしい邪悪さではなく胸を掻き毟るようなエモーションを発散する、モダンというか挑戦的な轟音美麗スタイル。 カスカディアっぽい神秘性も感じさせる破壊力抜群のメロディを纏ったLonesummerといった感じだろうか。 作品によって長尺アトモスフェリック(というにはノイズ質が強すぎるが)路線と短尺プリミティブ路線を使い分けているが、個人的には本作のようなアトモス路線の方が好み。 ノイズギターによるメロディは勿論だが、ドタバタ裏打ち2ビートの疾走感が何気にかなりイイのがポイント高い! 少数テープリリースばかりで入手難度は高めだが、先日Bandcampに全作品が無料公開されたので、これ読んでる人はぜひ一度聴いてみていただきたい! 視聴:#1[Fast Becoming] |
ドイツ産メロディック・ブラック、2009年1st。 初聴時、1曲2曲と聴いて「良い感じに湿ったジャーマン・ブラックだな」って感じだったが、#3[May I Never Hear Your Voices Again...]を聴いた瞬間ブッ飛んだ! ポストブラックと見紛うような哀愁爆発琴線刺激涙腺決壊系メロメロメロディックトレモロとジャカジャカ掻き鳴らしを纏って軽快に疾駆する極上メロディックブラック!!! 実際最初聴いた時はこの明るいとすら言える軽やかなメロディに「これポストブラックだったのか!」と思ったんですが、よくよく聴いてみるとジャカジャカ掻き鳴らしにはポストブラックの影響が垣間見えつつも、基本は結構まともにブラックメタルやってるんですよね。 クササに進まずブラックメタルの仄暗い哀愁を突き詰めて、ポストブラックの方法論を上手く取り入れたメロディックブラックといった感じ。 これはうぃんたーーー!なジャーマンブラック将軍に敬礼せざるを得ない! 視聴:#3[May I Never Hear Your Voices Again...](8:32から) |
敢えて語ることすら恥ずかしいくらい今更も今更なミクスチャーバンドの3rd。 2013年後半は中学高校の時友人に借りたりレンタルやらで聴いていた音源の回収を始めたわけだが、その流れで数年ぶりに聴き直してみたら、またこれがかっこいいのなんの、当時以上にドハマりしてしまいまして。 ベストとして3rdを選出したけど、とにかく年の後半は1st〜3rdまで聴きまくった。 [Break Stuff]や[Rollin']を始めとした名曲なんて何度ようつべで見たかわからんくらい(ちなみに、中学の頃から[Nookie]よりは[Break Stuff]派だった)。 車乗るときは5回に1回くらいくらいLimp Bizkit聴いてた気がする(車でラップズンズンさせたらメタルよりよっぽどオサレじゃん?みたいなカッコつけも3割くらい含む)。 Fred Durstのラップもクールだけど、Wes Borland独特のグルーブ感バリバリギターがカッコ良すぎる! 普段はアンダーグラウンド嗜好でメジャーに流行ったモノには全然興味を示さないルサンチマン丸出しな自分ではあるけど、やはりかっこいいモノはかっこいいんだと改めて認識させられた。 Limpが再熱してからミクスチャー/ラップコアいくつか聴いてみたけど、やっぱりLimpがズバ抜けてカッコ良かった。 2014年はラップメタル、ラップコアもっと掘ってみたいね。 視聴:#6[Rollin' (Air Raid Vehicle)] |
ロシアのアトモスフェリック・ブラックメタル、2007年1st。 評判が良いのは知りつつもなんとなくスルーしていたが、2012年くらいから個人的にアトモスフェリック・ブラックブームが来ているので試しに聴いてみたら一発昇天。 今で言うところのカスカディア勢に通ずる、空間的広がりを感じさせるザラついた轟音ギターが神秘的かつドイツ産のような程よい湿り気とメロウさを帯びたトレモロをひたすらリフレイン。 Darkspaceをも思わせる無機質で圧殺的な冷気を発する、茫洋としてほんのりグリムなトレモロと、それと相反するじんわりと五臓六腑に沁み入るオーガニックな温かみを滲み出すトレモロとが単調な打ち込みビートの上で鬩ぎ合っており、その絶妙なサジ加減の揺さぶりに心の耐震設備はなすすべもなくただただ崩落あるのみ! 完成度の高さってこういうことだよなぁとしみじみしてしまうくらい完璧な作品。 視聴:#4[The Midnightforest of the Runes] |
世界を股にかけ活躍する国産インストゥルメンタル・ロックの大御所、2012年4th。 名前は知っていて気になっていたバンドだけど、生粋のブラックメタラーである某御仁が絶賛しており、試しに聴かせてもらったらこれがまた大変素晴らしかったので勇み足で購入した一枚。 まるで映画音楽と見紛うような圧倒的スケール感はもはやポストロックの概念を超越した大スペクタクル。 切なく胸を打ち心を掻き毟る哀愁と郷愁を湛えたメロディを纏い、静動、緩急を駆使して劇的にドラマティックに展開する楽曲群、その緻密に精巧に練り上げられた展開の中で突如として噴出するカタルシスはただただ圧巻の一言。 ポストロックの究極特異点を味あわせてくれたお気に入りの作品。 ハマったところでちょうどよく今年3月22日(土)に東京で単独公演するようなので、参戦して目一杯感動に咽び泣いて来ようと思います。 視聴:#4[Unseen Harbor] |
シャレオツなバンドロゴとか売れっ子Deafheavenを意識してそうな、フランスの「這い寄る(」・ω・)」うー!(/・ω・)/にゃー!」系ポスト・アトモスフェリック・ブラックメタル、2012年1st。ちなみにLPで入手。 ニャル子は原作一巻読んでイマイチで、アニメ見てもやっぱりイマイチだったんですが、これはキマシタ! ポストハードコアの影響を感じさせる、空間的でモダンなアトモスフェリック・ブラック。 荘厳美麗なメロディと星が瞬くような宇宙的壮大さを湛えながら、徹底して神秘的でダークな世界観を描いており、理知的でどこか人智を超越したような雰囲気はKralliceにも通ずるだろうか(トレモロ押しでは全然ないが)。 新世代系らしい涙腺刺激系メロディが、あざと過ぎる癒しでブルータルさを損なうことなく巧妙に叙情性を演出している点が素晴らしい。 アスミン結婚でドロドロしたジャネジーをこれ聴いて晴らしませう! 視聴:#6[My Love for the Stars (Cthulhu Fhtagn)] |
UK産自然派ペイガン・ブラック、2012年3rd。 神祖WITTRに通ずる作風と聞いて飛びついたバンド。 ジャケがもうモロにツボ。モロツボ。 #1[A Thousand Winters]の1:50過ぎからのポストブラック的暖かで優しげなフレーズを聴いた瞬間勝利を確信した。 とびきり叙情的で雄大なフォーキーメロでガツガツ攻めるアグレッシブなペイガン系アトモスフェリック/メロディック・ブラックといった路線であり、この時点で最強感漂ってるわけですが、Alcestを思わせる残響クリーンギターが優しく包み込んで来たり、Woeの2ndを思わせる激情慟哭トレモロが狂おしく炸裂したりなどなど、とにかく泣かせ方がエゲツナイ!w また骨格こそ異なるが、確かに神秘的で凛と澄んだ清澄感溢れる雰囲気はWITTRに通ずるものが感じられる。 しかしこれは上述のGram同様ポストブラックを咀嚼したメロディックブラックとしてクオリティが高いというか、いっそ完全無欠とすら言いたくなるレベル。 もっと上位かもなぁと思わなくもないが、ともかく、感涙に咽び泣いた一枚。 視聴:# 2[The Swart Raven] |
カナダ産シンデレラ・サイコビリー、2006年1st。 ここ数年、細々とだが熱っぽく聴き続けているサイコビリー。 はじめはBanane Metalikのようなメタリックなバンドが好みだったが、最近はこういうメロディック・パンクな路線がマイブーム。 ビコビコ気持ちよく響くスラップベース、ドッタカドッタカとビリー独特の躍動感溢れる縦ノリビート、ポップでホラーでコミカルなメロディ、思わず一緒に叫んでしまうウォーウォーシンガロング、そしてなにより麗しのJen嬢の色っぽい艶声によるパワーある歌唱と、どこをとっても理想的パンキッシュ・サイコ! 車運転してる時に聴くと最高にブチ上がれるヘビロテ盤! Jen嬢の妹であるSarah嬢(これまた美女!)がヴォーカルを務めた2ndのRun For Your Lifeもイケイケドンドン! 視聴:#9[The Garden] 視聴:#8[Zombies ate her brain] |
Aryan Blood / Eisenwinter:[Split] Krocht:[Vaandeldrager / Actum] Thantifaxath:[Thantifaxath] | Aryan BloodとEisenwinterのスプリットはファンジン主催者でもあるゆうさんに勧められて買った一枚。ゆうさんがおっしゃる通り、これはドタバタメロウの名作!AxBx側はコンピレーションで既に聴いていたが、Ex側のブチ上がりっぷりったらない!12曲目神! Krochtは、自分でも正直ベストにあげるほどのもんか?と思うんですが、なんか妙にハマっちゃった音源。美意識の高いクサメロを垂れ流すC級プリミティブって感じで、客観的に見たら全然大したことなさそうだけど、僕のハートには結構響いたんだな。 Thantifaxathは昨年のブラックメタル忘年会でこるぴさんがくれた音源。これはヤヴァイ!カナダ産、正体不明の新世代系バンドだけど、なんだろう、この感じ、他に聴いたことないぞこれ。出だしからこの世ならざる彼岸感が尋常じゃない。北米新世代系らしいエモーションから中期〜後期Deathspell Omega、Kralliceまで飲みこんで幽界にブチ込んだような超個性的・前衛的な音楽性。もうちょっとボリュームあったらベスト3に入れてたと思う。下手するとEl-Ahrairah以上に衝撃的だった。こるぴさん多謝! |
以上!
もうお腹一杯。
ちなみに2013年の音源購入数は、新譜119枚、旧譜192枚、計311枚でした。
2012年が345枚だったから・・・
うん、減ってる!
節約できてる!(白目)
ちなみに内訳は
CD175枚、テープ48本、レコード27枚(LP+EP)、デジタル58作、DVD2枚、USB1個。
去年は例年より新譜とデジタル作たくさん買ったなー。
あとは、昨年はライブ一杯行きました。
特にTaakeが良かったです。(小並感)
そんな感じで、今年もハピネス注入!幸せチャージ!してくれる音楽を楽しんでいこうと思います。
よろしくお願いします。