Quintessence:[Le Fléau de ton Existence]


フランス産、激情メロディックブラックメタルOccultaから改名しての2009年1st。9曲45分。
Angmarのドラマーが参加しています。
とにかくクッサクサのメロディが素晴らしく、激烈エクストリームメタルサウンドと緊張感溢れるメロディというブラックメタルの醍醐味が堪能できる一枚となっている


適度に緩急をつけつつ、硬いスネアをトカカカカと小気味良く連打しながらブラストでファストに突っ走り、その上でフランス特有の湿った叙情とロマンティックな美感を感じさせる哀愁ダダ漏れのメランコリックリフ、および北欧っぽい寒々しくもメロウなトレモロ/リフが掻き鳴らされ、荒んだデスヴォイスがハイテンションに叫び散らす。味付け程度にしっとりアコギやシンフォニックなKeyがうっすらと重なる。
しんみりとしたり陰鬱だったりするミドル〜スローテンポやツタツタ2ビートなど交えながら、基本ファストかつメロディアスにブラスト爆走する典型的メロディックブラックメタル路線
雰囲気としては、Angmarメロブラ寄りに仕上げたような感じだろうか。クサさを増したスウェディッシュスタイルとも言えそう。
アルバム通して徹頭徹尾メロウ・メランコリックであり、淫靡な憂鬱感と妙な爽やかさを兼ね備えた心を打つメロディの止まることのない応酬は、さすがはフランス産といったところ。激烈な楽曲と相まってかなりドラマチックな聴きごたえ。とくに#4[Le fléau de ton existence]、#6[Colère d'outre-tombe]、#7[L'extinction de mon âme]などは激しく琴線に触れる泣きまくりのメロディが炸裂しており、激ツボ
ヴォーカルはクセのないハイテンションデスヴォイスフランスのバンドにしてはライトな喉越しというか、かなり健全(笑)もう少しエグかったり強烈だったりしたらもっと良かったかなとも思うが、まぁ普通にかっこいいので問題なし。
音質は分離バランスともに良く、低温までしっかりした良好なもの。エモーショナルな湿り気を感じさせメロディアスな味わいを損なわない程度にノイジーなギター、多少軽めだがガチャガチャドカドカしたブルータリティを感じさせるドラムが楽曲の魅力を引き立てている。


というわけで、爽快な疾走感と胸を掻き毟る怒涛のメロディが際立つ絶品
メランコリックなメロディを武器とするフランス産のバンド、とくに前述したようにAngmarあたりが好きならばきっとツボにハマるだろう。
比較的一般向きというか、ブラックメタルとして非常に素直な内容と言えるので、普通にメロディックブラックメタルと言われるスタイルがイケル人ならば十分楽しめるはず。クサ過ぎるのが苦手な人にはキツイかもしれないが。
これといって不満点がない高品質っぷり、未聴の方はぜひ。


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