Abigail:[Alive... In Thailand]


1992年から活動し世界を舞台に活躍しているベテラン中の大ベテラン、東京のブラック/スラッシュメタルAbigailの2006年ライヴアルバム。1000枚限定手書きナンバリング入り。
去年の浅草エクストリームがかっこよかったので思わず購入。
その活動歴の長さを差し引いてもすさまじい数の音源をリリースし、かつ精力的にライブを行っており、おそらく世界の認識として日本のブラックといったらSighかこのAbigailなんじゃないですかね。
そんなライブバンドとしての誉れも高いAbigailのライブ盤ということで、ヘヴィメタル歓喜と熱狂渦巻くスバラシイ一枚となっている


早回しのスラッシュビートで終始ドタドタと前のめりに疾走しまくる荒々しく豪快なドラムザクザクと切れ味鋭くスラッシーなロックンロール魂溢れるリフ、要所要所で挟みこまれるメタリックでかっこいいソロなどが混然一体となって目につくものすべてをなぎ倒しながらゴリゴリ爆走し、その上でイーヴィルな高音ダミ声がやかましく喚きガナリ散らす
イタリアの汚れパワー/スラッシュBulldozerが良く引き合いに出されるようだ(浅草でも2曲カバーしていた・[Alive... In地名]というタイトルもBulldozerから)が、僕は寡聞にして聞いたことがないので、僕の知識で例えるならば、Motorheadのパンキッシュな爆走ロックンロールとVenomの汚れブラッキンスラッシュを足して、香り付け程度にCeltic Frostの暗黒感をまぶしたといった感じでしょうか。
タメなどを絶妙に使いながら、パンク/ハードコア的なノリと荒くれたテンションで心地よく疾走する抜群のスピード感と、メタラーハートに火をつける攻撃的ながらもメロディアスなギターが作り上げるモッシーなサウンドがとにかく最高。非常にライブ映えする、ノリやすくかつズバ抜けてキャッチーでアグレッシブな楽曲ばかりであり、頭真っ白にして楽しめる。もうね、むちゃんこカッコイイのです!!!
高音喚きガナリのヴォーカルもヒステリックかつ汚くイーヴィルでカッコイイ。
ライブ盤らしい生々しく粗い音質だが、序盤こそギターが引っ込みがちに感じるものの総じてバランス分離ともに良く、暑苦しい熱気が伝わってくる適度なモッサリ感。ドラムの音に迫力があって好きですね。


というわけで、往年のオッサンメタラーが狂喜乱舞しそうな荒くれスラッシュが堪能できる熱い好盤
とにかくキャッチーなリフとヘドバンするのに最適なスピード感がもうたまらない外歩きながら聴いていても、かっこいいギターリフに思わずニヤリとし、自然と体と頭を揺さぶってしまう破壊力。
ベテランらしく煽りも堂に入ったもので、CDなのに思わず「フォオオオオ!!!」と握り拳突きあげそうになる(笑)Abigailコールやハイハイハイハイと掛け声が起きたりと観客も熱狂的といえるほど盛り上がりまくっており、ああ、これはいいライブだなと思わせる楽しい内容。UGバンドのライブの醍醐味が詰まった臨場感たっぷりの一枚。
ラスト、アンコールのN.M.E.のカバーまで含めてノンストップに駆け抜ける13曲43分。
合言葉はSatanic Metal Fucking Hell!!!
是非ご賞味あれ。


・Myspace:ライブまた見たいですね。