Aktarum:[We Are The Trolls]


ベルギー産、ドB級トロリッシュフォークブラックメタル、2008年自主制作2ndデモ。駅前で配ってそうな紙パックでのリリース。
タイトルもズバリ[We Are The Trolls]
和訳するとFinntrollでもTrollfestでもねぇ、俺たちこそが真のトロルだッツ!!!」というところだろうか(一部誇張表現あり)
アルバムタイトルといいのちに紹介する曲のタイトルといい、なんとも紙一重なキワモノ臭がプンプンしますが、ことフォークメタルにおいてはそのネジの外れっぷりが最大の武器になっていることも少なくありません。Trollfestとかね(笑)
このAktarumも、わりと真面目にFinntroll流シンフォブラックしつつもやはりどこかでネジが外れている、トロルファン狙い撃ちなバンド。


FinntrollOrkristに通ずるフォーキッシュかつファンタジックな妖精Keyをのせ疾走する民謡ブラック
#2しょっぱなから「おお、これはFinntrollと思わせるほど、雰囲気とかギター・Keyフレーズとか直球過ぎるくらい愚直にFinntrollを意識した作りで、完全なFinntroll一族の血脈たる音像
Finntrollよりシンフォニックブラック寄りかな?とくにギターが割とブラックしている。
楽曲はツーバスドコドコのミドルテンポを基本に疾走を絡めるスタイル。Keyが楽曲の主導権を握るがギターもそれなりにメロディを奏でている。
モロFinntrollっぽい音色だったりファ〜ファ〜したりキラキラしたりする民謡Keyは安っぽいながらも微妙に壮大さを出そうとしているようで、その辺のオーケストレーションの雰囲気にOrkristのような印象を受ける。しかし昔の人は言いました。「安っぽいKeyはステータスだ。希少価値だ。」このチープ感がマニアにはたまらんのです。


ヴォーカルは喉に痰が絡まっているときに出てしまう声のような情けなさの漂う掠れ気味デスヴォイスハッキリ言って薄い。がんばれ。


#1[Intro]Orkristのインスト曲を彷彿とさせる。Keyによる腐葉土を踏み分け深い森の奥にある妖精王国にたどり着きました」みたいな雰囲気のインスト。この民謡クサメタラーのツボを突いている絶妙なB級感丁度いいでしょう(2丁拳銃風)
続いてヒロイックかつトロリッシュな素敵メロディで幕を開ける#2[Air Force Troll]。このひょっとして頭の中お花畑なんじゃなかろうかと心配になるタイトルですでに一本。安いKeyのモロFinntrollなフォーキー&ファンタジックメロがなかなか。ズンズンしたリフは地味にへヴィ。いい感じに始まったものの特に盛り上がることなく淡々と終了(笑)
#3[Sherazäm]は湿った単音リフが微妙にブラック。キラキラ分補充。2分過ぎからのスピーディな民謡疾走そして繰り返される「ヘイ!」に思わずニンマリ。一度綺麗に締まってからのシンフォニック展開は正直蛇足かも?(笑)
そしてやってきました#4[Rock'n'Troll]。こーのー語ー感(↓↓↑↑)!!(笑)Finntrollで言うところの[Trollhammaren]的なベッタベタのクサキラーチューン。もうのっけのKeyメロからして民謡クサメタラー瞬殺。そしてシャウトイン+疾走スタート!!やられた!!(笑)ブォ〜ブォ〜したKeyのクサメロはアイディア一発の勝利と言わざるを得ない核弾頭クラスの破壊力。目まぐるしく展開しながらもどのメロディも実にキャッチーで、もうガッツンガッツンキてます。そして静かになってもうおしまいかな?と思わせたところでなだれ込むようにイントロのメロディで畳みかける疾走パート大和TROLL満面の笑み炸裂!!悶絶ッツ!!だって歌詩が”Let's go, Rock'n'Troll!! Hey Friends, Rock'n'Troll!!”ですよ?そりゃ穏やかじゃいられませんよ!!(笑)思わず理性がぶっ飛ぶくらいのインパクトがある佳曲。
そして割と普通のKeyによる#5[Outro]で沈むように締め。


というわけで、Finntroll大好きっぷりがそこかしこから感じられるB級フォークブラックメタル
ペラッペラのチープな音質(ドラム打ち込み)や煮え切らないテンション、いまだ拙い曲構成に覇気の感じられない薄いデスヴォイスなど端々から滲み出る微妙さが凄まじいB級臭を放っており、実際Finntrollクラスのクオリティを期待するとかなり肩透かしを食らうのは明白。
しかしながら、ブラック寄りのギタメロやKeyの必殺フレーズスピーディな疾走感にヘイ!の掛け声などパーツパーツでみていくと結構魅力的な部分も多く、磨けば化ける可能性が大いに感じられるダイヤの原石。とくに#4はコンパクトにまとめられたスピーディな楽曲とそこにちりばめられたキャッチーなメロディ、軽快なノリと今後の成長を大いに期待するに十分な素質を持っていると思います
このブログにしてはいやに控えめな表現ですが、実際のところ僕自身は結構気に入っています。
しかしこの音源を大手をふるって多くの人に薦めるのはちょっとためらわれるというか(笑)
今後に期待ですね。マニアなら要チェック!!


・Myspace1stデモの曲[The Ambush]もシンフォヴァイキングっぽくていい感じ。[The fight of Three Rise Men]が地味にかなりヤバス。