Калевала:「Кудель белоснежного льна」


民謡メタルと言えばロシア、ロシアと言えば民謡メタルというくらい最近当たりに当たり続けてるロシアからまたとんでもないモンスターバンドが登場。
アコーディオン大吟醸ポルカローレ・フォークメタル、2008年1st。バンド名は英訳すると「Kalevala」
2007年結成と産まれ立てほやほやの若いバンド。
かのゴータマ・シッダールタは生まれた直後に開口一番「天上天下唯我独尊」と口走ったそうですが、
このKalevalaはその偉大な世界宗教の開祖が如く本デビュー作で唯一無二の大傑作を完成させ、近年素晴らしいバンドが数々その頭角を現してきて沸きに沸いているフォークメタルシーンの頂点に一気に上り詰めた感があります。
なんか新しいアコーディオンバンドが出るたびに節操無く最高最強と書いてる気がしますが、このバンドは最強の中の最強、ジャンプ的に言ったら悶絶力インフレバンド。


アルバム全編通して踊り狂っている特悶絶級アコーディオンがフィバっちゃってるコッテコテのロシアンポルカメタル。
アコーディオンの持つ哀愁とバカみたいな陽気さを最大限に引き出す魅惑の牧歌メロディを炸裂させながら気持ちいいほど軽快に疾駆するアドレナリンドバドバの民謡サウンドは当代最強の殺傷力
跳ねるようなポルカリズムとメロスピ的疾走感の相性は抜群です、姉さん。
頭のネジが一本といわずブッ飛んでしまったような、聴く者を圧倒するアコーディオンのはっちゃけっぷりは世界広しといえども右に並ぶものはそうそういなそうなやり過ぎ具合。


根幹をなすメタル部分がかなりザクザクスラッシーであるのがこれまた堪らない。アコーディオンにばかり耳がいくが、ヴァイキングのような勇壮リフも所々で聞かれる悶絶仕様。あくまでへヴィメタルとしての素養を兼ね備えており、#2#7ではクールにロックンロールしてすらいる。ソロだって弾いちゃうぜ。


そしてKseniya姐御が異国情緒たっぷりに歌い上げる村一番の踊り子ヴォーカルもこのバンドをさらなる高みへと至らしめている。可憐でありながら芯が強く、はつらつとした健康美に満ちたみずみずしい美声。それでいて艶っぽい色気すら感じられる。姐御、惚れました(泣)
またラスト#10では酒臭さすら感じられるようなアクの強い酔いどれおっさんヴォイスも。くっっっせぇ(笑)おっさん、喜々として踊り狂ってます。ふざけすぎ。最後の最後でガツンと笑かしてくれる(笑)


しっとりとしたアコギや笛、その他民族楽器なども用いられており、アコーディオン一辺倒かというと・・・・いや、やっぱりアコーディオン一辺倒だけど(笑)
一曲の中でもメリハリがつけられており、また楽曲も個別化がしっかりと図れている。
それぞれコッテコテの民謡濃度であることに変わりはないが、輪になって踊る曲あり、酒瓶片手に焚き火を囲むゆったりした曲あり、しっとりしたバラードありとバラエティに富んでいる。


というわけでアコーディオン神の申し子による民謡メタルの神盤。
凄まじい哀愁を撒き散らしながら陽気に駆け抜ける全10曲すべてが神曲。

例えるなら、ヴァイオリンをアコーディオンに持ち替えたロシアンKorpiklaaniといったところか。
マジでロシアのどっかの村の祭りから産地直送してきたかのような舞踏チューンの数々は、聴き始めた途端こらえきれない笑みが込み上げてくること必至。
#6#8#10あたりはホント楽しくライライできます。
ケータイで「あ」と入力したら「アコーディオン」と一発予測変換されるような素敵紳士諸兄は、このCD聴きながら踊り狂って天に召されれば楽しい老後@ヴァルハラが待っているはず。
一度に何周聞いても全く飽きがこない、とにかくいーから全員黙って買えってな必聴必涙の一枚。


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