Miaou:「All Around Us」


神奈川発エレクトロニカ/ポストロックトリオ、2008年3rd
心地よいポストロックサウンドと繊細に煌めくエレクトロニカが織りなす「ハッピーリスニング」ミュージック。
その慈愛と光に満ちた柔らかく幻想的なメロディに涙が止まらない最高の癒し系インストルゥメンタルロック。
なんとこのブログに似合わない可愛らしいジャケだ(笑)


早い話が和製The American Dollar。いや、このMiaouのほうが結成は早いのか?
The American Dollar「癒し」というただ一点において研ぎ澄ましたかのような多幸感あふれる素晴らしいサウンド


キラキラと煌めく音色で流れるようにドリーミーなメロディを奏でる音響系キーボードと、ノスタルジックかつ繊細なシューゲイズ的フレーズを聴かせるエレキギターによって描き出される牧歌的サウンドスケープはただただ優しく、心に沁み渡るよう。
躍動感のあるドラムの上には神々しいばかりの光を帯びた清らかなメロディがゆったりと重ねられ、まるで幾重にも折り重なったシルクのベールのような心地よい耳当たり
アコギなどもふんだんに交え紡ぎだされる一点の穢れ無き天界のメロディは、しかし浮世離れはしておらず有機的な温もりを含んでおり、聴く者を柔らかく包み込む母性にも似た包容力が感じられる


とにかくゆるやかに響く美しく儚いメロディが素晴らしく、心を揺さぶるカタルシスを備えたポストロックサウンドと絶妙に絡み合うことでそのドラマ性を何倍にも膨らませ、どうしようもないほどに扇情的。
胸が締め付けられるような郷愁にも似た切なさを感じさせつつも、まるで心が洗われるように癒される。
時折見せるシューゲイザーのような音の奔流は実に爽快。
どの曲も洗練されており、非常にスタイリッシュ。
#4「Morning Sun」のアコギではAlcestが彷彿とされる。
#3「Hello World」#10「Shining」などは特に琴線に触れまくり。


というわけで、エレクトロニカ/シューゲイザーの持つ魅力が感動的なまでに凝縮された傑作。
涙腺決壊クラスの破壊力を備えた癒し系。
儚く繊細でありながらどこまでも優しいメロディは、日々の疲れやストレスを忘れさせてくれること必至。
ヘッドホンで大音量で聞いて恍惚に浸ると本当に何もかも忘れられる。
寝るときのBGMとしてAlcestとともに重宝しているくらいハマってしまい、改めてポストロックに惚れ直した次第。
心の荒みきったブラックメタラー諸兄はこれでも聞いて少し頭を冷やしてください(笑)


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