The American Dollar:「The Technicolour Sleep」


アメリカ産エクスペリメンタルロック/アンビエントプロジェクトの2nd。
AmesoeursのギタリストFursy Teyssierがアートワークを担当しているらしい。
最近ブラックメタルから遠く離れたエクスペリメンタルやポストロック/シューゲイザーがとにかくマイブームなわけですが、そうしたジャンルへの本格的な足掛かりのひとつとして購入してみた一枚。そして最近ヘビロテしてる一枚でもある。


あいにくブラックメタル以外の音楽的素養が皆無なもんで、貧相な例えになってしまって申し訳ないけど、Alcestから綺麗な部分だけを抽出・濃縮して夢見るメロディを配したような雰囲気の、それはそれは清らかなフルインストゥルメンタルアルバム。映画のサントラなんかに近い感覚で、ジャケットの世界観そのままな、光に満ちた壮大な空間が眼前に広がり優しく柔らかく包み込んでくるような、温かみのある美しいサウンド


鍵盤系・ストリングス系のシンセ、効果音等を駆使した透明感あふれるエレクトロニカアンビエント調の曲がメインで、ゆったりたゆたうように紡がれる繊細なメロディは幻想的なことこの上ない。透き通るように鳴り響く淡く霞んだ高音キーの清浄感たるや筆舌に尽くしがたい。


また、ノイジーなギターとダイナミックなドラムが登場するバンドスタイルをとる曲は、轟音美メロを身上とするシューゲイザーそのままの音像であり、どこかノスタルジックで叙情的。心が洗われるようだ。
盛り上がりへの持って行き方が絶妙で、静かな展開から一転してドラマチックになだれ込むところでは並々ならぬカタルシスが得られ恍惚としてしまう。というか泣いてしまいそうだ。


これ程までに美しく気持ちのいい音楽があったのかと改めて感じてしまった次第。
ひたすらにクリーンでノスタルジック、課題とバイトに追われ荒んだ心がスーッと癒されてしまったw
聴いているとしっとりいい感じにリラックスできて、作業用にはぴったりだ。
ちょっとリアルにこっち路線に走ろうかと考えてしまうわw
本気でおススメ。
あわただしい現代社会に生きる人にこそ必要な音楽。ぜひご賞味あれ。


・MySpace - The Technicolour Sleep