Moonblood:「Supreme Black Force Of German Steel」


20以上のリハーサル音源をリリースしている、ドイツ産ウルトラカルト・RawブラックメタルMoonblood!!
このバンドは「オフィシャルではLPとカセットしか出さん!!」「コマーシャリズムがUGシーンをダメにする!!UGであるための最善の方法はどこにも“現れない”ことだ!!」という原理主義全開な素敵二人組で、そのリリース数も凄まじく少ないカルト中のカルトバンド。
この音源は100枚限定(!!)の2000年2nd「Taste our German Steel」に99年のsplit「Fuck Peace! We Are At War!」の3曲を加えてリリースされたブートCDです。いや〜やっと手に入ったw


ブックレットにDarkthroneBathoryにインスパイアされた」的なことが書いてあり、とどのつまりそんな音。つってもBathory聴いたことないけど(笑)
個人的な印象としては、Satanic Warmaster1stを初期ノルウェー寄りにして、勇壮なメロディを付したようなペイガン・プリミティブ・ブラック。終始ファストに攻める攻撃的なスタイルです。


ザラついたギターによるMayhemDarkthrone由来の寒々しく荒々しいリフ、ドカドカ単調にリズムを刻むドラム、高音気味にガナリまくるEvilヴォーカルと、このへんはまさに90年代初頭ブラックの世界観。
特筆すべきはピンと張りつめたエピックなメロディ。除情味豊かで悲壮感タップリなトレモロの殺傷力は筆舌に尽くしがたいものがある。キーボードを用いている曲もあり、曲構成自体はわりと単調だけど、受ける印象はかなりドラマチックです。
また、たまに聴ける悲鳴めいた絶叫が切なくていいね。


音質はというと、耳障りなギターが気持ちいいプリミティブ然りとした音作り。でもドラムもそれほどチープではないし、音の分離はいい方かな。とはいえ一般的なブラックよりは確実に低品質なんで、プリミティブは音悪くてナンボ!!という方でも安心して聴けるはず。


しかし、ホント涙が出るほどメロディがいい。Rawな演奏とあいまってとんでもなくかっこいいことになってます。とくに聴いた瞬間即死確実な#3#6あたりは後世に残すべき名曲。


スプ音源の方はもう少しストレートな音像。いわゆるオールドスクールっぽさが前に出てきてるけど、メロディックなのは言わずもがな。エコーの効いたヴォーカルが邪悪すぎます。


文字通りマニアのみぞ知る隠れた名盤。
メロウなプリミティブが好きで、なおかつペイガンもいけるという人にとってはもう堪らないんじゃなかろうか。
なんだかんだで結構名前は知られているような気はするがw
もっとおおっぴらに活動していればでかいバンドになれただろうに。まぁ徹底してアンダーグラウンドな姿勢を貫いたってのがカルト好きに受けてるってのも大いに事実ではあるけども。内容がいいだけに少し惜しい気もします。
とにかく、クサメロ・プリミティブが好きな人は必聴の一枚。


・Official:解散が惜しまれる(ノД`)・°・。
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・Moonblood@Myspace:上記#3:Then Came the Silenceは必聴!!
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