Nuit Noire：「Lunar Deflagration」

一部のマニアにバカ受け、フランス産【新感覚脱力系ブラックメタル】Nuit Noireの2004年1st。不気味なジャケが秀逸っす。
自称【Faerical Blasting Punk】だそうですが、実際のところはチリチリスカスカの弦楽器隊とベコベコのドラムがダメ気持ちいいパンキッシュなポンコツ・プリミティブ・ブラックメタル。

このバンドを語る上でまず120％論点になるのがこのヴォーカル。前代未聞、弱々しい貧弱男の情けなさ満点裏返りボイス！！ｗｗまさに脱力ブラック。ナヨナヨ声の女々しい泣き言を聞かされるような感覚はハマると癖になるｗｗ
#5の豪快なため息や、#7や#11のどう聞いても「嫌っ嫌っ嫌っ嫌っ！！」としか聞こえない連続絶叫パートは失笑もの(笑)

そんな前衛的すぎるヴォーカルに反して、曲の方はいかにもフレンチらしい憂鬱なプリミティブ・ブラックで極めて高品質。エコーがかかったヨレヨレ・トレモロリフのどこか壊れたような感覚はPeste Noireに近いものも感じられｍｙツボど真ん中。アルバム全編通してかなり陰鬱・メロウで、耳を惹くメロディが詰まっている。#12のアンニュイっぷりは珠玉の出来。
また#7などパンクロック的リフも随所で用いられ、ブラストも交えつつ緩急をつけて疾走していく軽快なドラミングとあいまってオールドスクール系とはまたちょっと違ったノリノリ感が得られる。

メランコリックだったりノリノリだったりするメロディと、文字通り唯一無二の脱力ヴォーカルが織りなす怪しさ超新星爆発のブッ壊れグダグダワールド。
曲自体はプリミティブ・ブラックとして非常にかっこいいので、ヴォーカルのアクの強さにさえ耐えられればかなりおいしくいただけること必至。
キワドイ物件が好きな人は押さえておきたいバンド。大推薦の一枚だけど、この究極の悪ふざけサウンドは聴く者の活力を根こそぎ奪う危険があるので注意が必要。

・Official Site：ｇｄｇｄ
・Official MySpace：今年出る3rdフルレンスの音源が視聴可
・Unofficial Myspace：1stまでの音源が試聴可