For Death and Groly / THRONAR


オランダ出身、メンバー全員ウォー・ペイントばっちりのバトル・メタル・バンド2nd!!
バトル・メタル!!といったらなんといっても昨今のヴァイキング/ペイガン・ブームの先駆けと言っても過言ではない TURISAS ですが、このバンドは彼らよりも遥かに力強く、無骨で勇壮な、まさしくバトル・メタルをプレイしています。


曲調としては、走る展開もあるけど基本どっしり腰を構えた様なミドル・テンポ主体のスタイル。聞くものを力強く鼓舞してきます。ホント無意味に煽動力高い。漢らしさにかけては右に出るものいないんじゃないか?イメージとしては陸に上がって戦いに臨んだ NOMANS LAND


ギターのメロディが常に血圧高めで、渋いながらも実に味わい深いです。渋いっても地味なわけじゃなくて、かなりキャッチーな部類。刻みのバッキングも力強く、泣きのソロなんかもあったりして隙がありません。
そこに、壮大な音色のKeyがファンファーレの様なメロディをファ〜ファ〜奏でたり、シンフォ・ブラックの様にうっすら被さってきたり、はたまた雄大な自然を思わせる美メロを弾いたりと実に芸達者で、楽曲をただならぬものに仕上げるうえで一役も二役もかっています。
そんなギターとキーボが合わさったメロディの秀逸さには目を見張るばかりで、一度聞いたら忘れられない印象的なメロがボカンボカン出てきます。緊張感と癒しの両立したメロ。凄いのは、叙情味たっぷりのメロディでありながら、それでいて全然くどくない、派手じゃないこと。甘くはないけどメロメロという絶妙なサジ加減。そしてどの楽曲も個性的でハズレが全く無いこと。これだけ「聴かせる」メロディに溢れたバンドはそーはいないよマジで。これが格の違いとゆーものか。


ボーカルはブルデスもびっくりのディープなグロウルとしゃがれたブラック声をつかいわけてます。ギターの2人がそれぞれやってんのかな?が、何より一番魅力的なのはマッタリした深みのあるテノール・ボイス。なんとゆーか、曲調もあいまって、いくつもの戦いをくぐり抜けてきた歴戦の老兵士、もしくは部下の信頼も厚いカリスマ性のある王様をイメージせずにはいられない声(わかりづらい)。いや、聞けば分かりますって!!(笑)


またマイナーバンドにしてはかなりしっかりした音造りなんではないかな?音に厚みがあって曲の雰囲気にマッチしてますね。Keyも前に出つつも派手過ぎずGood!!これもこのバンドの力強さの所以の一つかな。ドラムがいい仕事しとるよ!!


Best “逞しい” Tune はやっぱ①。一音めからヤル気満々、最高。ヽ(*´∀`)ノ〜♪ 1曲目にして既にこのアルバムのハイライトです。なんたってタイトルが“ To Kill And Be King ”。熱すぎる!!(笑)特に2分過ぎあたりからの展開は「背中で語る、家族を守るため戦地に赴く漢の生き様」度No.1っす!!
タイトルトラック⑥も捨てがたいね。ガッツポーズ必至なイントロはかなりお気に入り。なんつーか、このイントロ、感動的超大作中世戦争物の映画のエンディングでスタッフロール(画面右に劇中の白黒ハイライトつき)とともに流れてるとこをイメージしてしまった。ハマるハマる(笑)


結論。想像以上にクォリティ高い!!哀愁漂う勇壮メロ、ドラマチックな曲展開、抑え切れない熱き血潮、どこをとっても激しくツボ。俺んなかでは PAGAN REIGN と並んでヴァイキング系最高峰バンド指定。
雄叫び満載。剣を抜く効果音付き。嫌でも戦いを意識させられるまさにバトル・メタル。正直 TURISAS より全然バトルバトルしてますね。 いうなれば、 BATTLE METALTURISAS の曲ね)の熱さをアルバム中ずっとキープしてるかの如き熱さ。血圧高過ぎ(笑)いい意味で、他のキラドコ疾走系バンドにある軽快さが無く「重み」を持ったバンドっすね!!
アルバム中何度と無くウヒョ―――(゜∀゜)―――――とテンション上がりましたよ。個人的に、以前読んだ小説「アーサー王物語」の世界観にあまりにもハマってしまい、その時の感動を思いだしながらきいています。聞き終った後に、何だか強くなった気がしてしまう一枚。
ただし、このアルバム聞いてると、「わけもなく走り出したくなる」「雄叫びをあげたくなる」「ありもしない敵を討つため武器を探してしまう」等の症状が現れやすくなりますのでご使用の際は十分にお気を付け下さい(笑)