Nocturnal Poisoning / XASTHUR


アメリカ産ブラックとしてはかなり有名な部類に入る、【自殺推進委員会会長】Malefic様による独りバンド、XASTHURの名作と名高い1st。バンド名は「はすとぅーる」と読むらしいっす(・ω・)あんま出回ってないからずっと欲しかったけどなかなか手に入らんかったよ・・・苦節3年(´д`;)


さて音の方は、まさにスイサイダル・ブラック・メタルの名に恥じない内容。ミドル〜スローテンポでひたすら淡々と同じメロディを垂れ流すスタイルで、ダメな人はとことんダメだろうけど、うっかりハマってしまうと非常に「キテ」しまう作風。まるでモヤのかかったかのような、輪郭のハッキリしないジュワァ〜〜〜というギターが不穏な空気を演出し、荘厳なKeyが暗く鬱屈した地下メロをアトモスフェリックにダラダラと奏でる。「絶望」「寂しさ」「孤独」といった負の感情が凄まじいまでに聞き手を襲うことは間違いない。ドラムはパッと聞いてわかる打ち込みなんだけど、この壊れた感覚には凄くマッチしてると思う。無機質な感じがソソる。
しかしほんと、メロディの暗さが半端ない。闇に病みきってる。ただ暗いだけならまだしも、その上、どうしようもなく悲しく、美しいからタチが悪い(笑)
さらにブラック・メタル界でもトップクラスに凶悪なボーカルも健在。エフェクトかけられて歪んだ強烈な絶叫はもはや隣の部屋で叫んでんのを録音したのかってぐらいの割れ具合(笑)ひたすら絶望を吐露する様はマジで狂気の沙汰。ボーカルパート少ないけどね。特に⑦なんかでは、もはや人間の出す音超越しちゃっててコワイww


実は4thアルバムの方を先に聞いてたわけだけど、4thとくらべると、こっちの方がかなり音がこもっちゃってる。ま、古いんだから仕方ないか。ボーカルはこっちのが凶悪かも。絶叫度、何言ってるかわかんなさ、ともに2割増。キーボのセンスがちょっと違うかな。4thの方がなんか綺麗な印象、こっちの方が神秘的で、神々しいとゆーか。ギターも含め、全体として不穏な空気や寂しさではこっちのが上かな。
また最高速度もこっちのが上。まぁ、このバンドにとってそれが一概に魅力と言えるわけではないっつーのがミソだが(笑)といいつつ速い(決して他のバンドに比べて速いわけではない)曲もかっこいいっす。


しかし初聴の時は正直4thほどインパクトないかなと感じたんだけど、じっくり聞いてみると、なかなかどうしてハマりますな( ̄ー ̄)とゆーか、聞いてるうちにじわじわ精神を蝕まれてしまうっつー点ではこっちのが遥かに上。ここまで読めばわかると思うけど、以前にも増してゾッコンLOVEになってしまった次第。BURZUMとか好きな人に激しくオススメだけど、多少ブラック聞く程度の人には、つまらないどころか拷問にすらなりうる真っ黒音源。ブラック・メタルといえど、もはやメタルらしさのカケラも残っていない暗黒世界。興味持った人は火傷覚悟で聴いてみてはどうだろうか。もしかしたら新たな世界が開けるかも・・・