To Violate The Oblivious / XASTHUR('04)

US産一人スイサイダル・アトモスフェリックブラックメタルXASTHURの4th。
暗黒世界の最深部に到達したバンドのひとつです
そんな彼の表現する音楽は、悪魔崇拝なんて言葉すらちんけに感じる、完全に意識の矛先を自己の内面に向けたダウナーミュージック
BURZUMをもっと極端にした感じで、生きることに絶望しきった人間にしか創作できない世界だと思います。
ひどく病的で慣れないうちは聞くだけでも相当精神力を消費します。


さてその中身ですが、やっばい暗黒オーラに満ち満ちています!!
もはやメタルらしさなんてこれっぽっちも残ってません。
展開はあまりなく、終始ミドルテンポで、陰鬱で不快な悲壮感溢れるメロディがただ只管に繰り返されます
ここまで絶望に満ちたメロディはそうはない!!
一種神秘的とも言えるKEYと不穏なギターリフとがあいまった暗黒メロディがだらだらとリフレインされまくって、
これでもかというくらい深層意識に孤独感と絶望感を刷り込んできます!!


ヴォーカルは常に絶叫、この絶叫はデス声とかって言うよりほんとに生きることに絶望した人間が泣き叫んでいるかのような悲痛なもので、
さらにエフェクトかかってるんでもう凄まじいことになってます!!(((゜□ ゜;)))ガクガクブルブル
ドラムはすぐにそれとわかる打ち込みなんですが、淡々と同じリズムパターンが繰り返されるのがさらに恐怖をあおるのに効果を上げています。
こういった魅力はマシンドラムならではですね!!


絶望、悲しみ、怨念とかいったものをいやでも意識させる音をしていて、聞いてるとすごい悲しくなります。
じわじわと精神を蝕まれて自分が殻の中へ閉じこもっていく感覚がリアルに体感できます。
マジな話これやってる人はいったいどんな環境で人生送ってきたのかと心配になります(笑)
絶対うつ病ですこの人(´Д`;)
自分の子供がこんな音楽やってたら迷わず病院にぶち込みますね(爆)
そして、非常にメッセージ性が強いというか哲学的ですらあります。
なんか洗脳されそうです
Suicidal(suicide=自殺)ブラックというのも納得ですね!!
やってる人間もこれ演奏しながらロープに首をかけ、これ聞いた人間も聞き終えたらナイフを手に取る、みたいなことがあっても普通に納得してしまいます(笑)
途中で「ぅぅぅううぁぁあああぁぅぅぅうあああぅぅぅぅううううう・・・・・・・」という超ダウナーため息みたいなのが延々とデス声にかぶさってくるとことかあって、もうホント怖いです
闇度病み度共にMAX!!


割とヴォーカルないパートが多いですね。
そして一曲ひとつのメロディみたいな曲が多いです。
音質はUGブラックらしくノイジーでラジオノイズのようなザラザラした感じ。
それでも結構音の分離はいいほうだと思います。
ベースはまったく聞こえませんがギターが、なんていうんだろ、何個も重ねられているというか、そんなギターとノイズとキーボとが合わさって結構厚みのある音作りしてます


地下から這い上がってきた音源にしかない魅力を味わうことができる正にUGブラックといった音で、
ここまで読まれた方ならわかると思いますが、水と油ほどに好き嫌いが分かれる音源だと思います。
決して万人受けしない、むしろ相当の玄人でも嫌いな人はまったく受け付けられない音でしょう
その代わり、ハマってしまう人はどっぷりこの暗黒鬱世界に浸かって当分光の当たる世界に浮上できなくなると思うんで覚悟して聞いてください