Arntor / WINDIR('99)

大和TROLLが敬愛してやまないノルウェーフォークロリックブラックメタルバンドWINDIRの'99年作2nd!!
北欧民謡とブラックメタルとの融合をここまで高次元で成し遂げたバンドは他にありません!!
このアルバムではまだVALFAR氏の一人バンドという体制なので、
その分極端なほどにこのバンドの個性が光っています。
彼の作品の中でやりすぎなまでのクサさと哀愁という点ではこのアルバムがピカ一です!!
それでは行ってみまっしょい!!


1.Byrjing
アコーディオンとドラムによるイントロ
いきなりガツンときます!!
うひゃぁ俺こういうの大好きなんだよマジで!!泣ける!!
なんかね、アルプスの少女ハイジに出てきそーな農家の妻が夫を亡くして、
その悲しみの中くらい馬小屋の中で夫に捧げるダンスを一人踊ってる・・・・・・
みたいなメロ!!
わからん!!(笑)


2.Arntor, Ein Windir
そっからいきなりクサ爆走キタ――――――――――――――!!!!
このメロはやばいです!!
泣き泣きです!!
イントロのような雰囲気をそのままにブラックメタルしてます!!
このギターはまずいって!!
ずうっと単音リフで悲しみを讃えた激クサメロを延々とリフレインです!!
そしてベースラインがなんかアコーディオン的?
ベースまでもが泣かせるなんて・・・(⊃д`)゜。゜
ぅああメインメロのアレンジ変えてきて盛り上げるとことかもうたまらんですよ!!
クワイアいい!!
ヴォーカルはただひたすらに絶叫なんですが、これが非常に悲しみを訴えるヴォーカルでぐっとクルものがあります
本当に泣きながら歌ってそう
なにがそんなに悲しいの(笑)
一度ブレイクしてからのメロもいいなぁ
ドラムの音に迫力があります
メインメロとはまた違った悲しみギターとキーボの絡みがナイス!!
ギターはずっと高音単音リフでそれにアコーディオンみたいなのとキラキラした雰囲気出すキーボードが乗っかります
ノーマルヴォイスの絡ませ方が非常にうまいですね
うあぁんアコギとキーボの共演なんて・・・(´д`;)
これがまた1曲目のような感じに悲しくてもう涙が止まらない・・・・・・
そしてメインメロに戻って余韻を残しつつフェードアウト
いやぁしょっぱなからいきなりかましてくれましたね(^_^)


3.Kong Hydnes Haug
なんかオーロラチックなキーボからスタート
そこにベースがかぶさって段々厚みのある音へ
ギターとドラムが入るともうそこはWINDIRワールド全開!!
先程と同じように高音単音リフにブラストを交えつつ突っ走ります!!
テンポ落としてオーロラキーボとクワイ
あぁぁぁぁ・・・・もうダメホント泣く(T_T)
キーボード大活躍ですね
ノーマル声の醸し出す退廃的な雰囲気も悲しみの演出に拍車をかけます
終始泣きを誘うギターが鳴りつつフェードアウトして終了


4.Svartesmeden Og Lundamyrstrollet
BURUZUMみたいなアトモスフェリックな部分を匂わせつつ
先程までと変わらない泣き爆走路線
少しは休んでください!!そして休ませてください!!(笑)
このアルバムでは全部そうなんだけどギターがかなり高音強調された音作りでずうっときいてるとちょっと疲れそう?
テンポダウンから走り出す展開は鳥肌もの
このバンドのオーロラキーボは視覚的な効果があって非常にいいですね
そのへんはARCTRUSにも通じるとこあるかも
クライマックスもいい感じに盛り上がってキラキラ終了


5.Kampen
今までとは打って変わってギターが耳に痛くありません!!(笑)
それでもハートにぐさぐさ突き刺さる殺傷力抜群のメロは標準装備胸をかきむしられてもうズタボロです
いや要所要所で高音ギター使ってますね普通に
最初はノーマル声で淡々と進行していきますがこれがバッチリ農家の悲しみと苦労を物語ってます
Femaleコーラスと絡んで「マリアマリィア」とか言うのとかもうヤバ泣けます。
そんでかっこいいメタルギターが1本2本と入って珍しくメタル(つってもヴァイキング/笑)失踪かまします
そしてさっきまでノーマルヴォイスでやってたのと同じパートを絶叫ヴォーカルで歌いだします
こういう展開大好きです!!さっきまでの悲しみがさらに増幅されて胸にズビブバきます!!
この絶叫とFemaleコーラスの絡みはたまらん!!
悲しいメロディをさらに引き立たせています!!
お決まりオーロラフレーズかましつつまたもやメタル疾走→マリアマリィアの流れ
このマリアマリィアというフレーズは一度耳に入るとなかなか忘れられなくなりますね。
退廃的な雰囲気ならこの曲が一番かも


6.Saknet
ぅおぅブラックメタル!!
そんでオーロラキーボでためつつまたブラックメタル的にブラスト大爆走
そんでいつもどおりWINDIR節へ
このギター泣ける・・・・・・
ていうかこのバンドの泣きギターって言うのは他のバンドの泣きギターとは明らかに質が違うって言うか、
なんかワルツ的?で頭のネジ完全に外れてしまってるような激泣き路線
明らかにこのバンドでしか聞けないギターです
つーかオーロラキーボと泣きギターと絶叫と哀愁コーラスの同時進行なんてこのバンドでしか聞けないと思います!!
クライマックスでは泣きのベース(!!)も堪能できます
このバンド音質が非常によくて(ちょっと耳にキンキンしますが)どの楽器もはっきり聞けて非常に気持ちいいです。
ベースが何気に結構いいフレーズ弾いてたりするんでどの楽器も見過ごせません
最後はヴォーカルため息混じりに泣きつつオーロラフェードアウト
気付いてみるとどの曲もおんなじ締めくくり方だがそこには気付かなかった方向で(笑)


7.Ending
ギターで憂いを帯びつつ始まったかと思えばブラスト大爆走曲これはキモチいい!!
つかこれヤバイなんだこれ!!?
マジでワルツ曲をそのままブラックメタルにしましたみたいな曲でリズムにメロに全てが悶絶!!
キーボードのフレーズがたまらん!!
1曲目で聞けたような「イーーーーーハァッ」という雄たけびとか絶叫しつつ巻き舌とかマジ悶絶!!
当然のように絶叫と哀愁コーラスが絡みつつキーボがひたすら踊りのメロディ弾いてますがこの曲聞いたら大半のメタラーはこっちに寝返るんじゃないか?
最後の音上がるとことかもう身をよじって部屋ん中もんどりうってしまいます
最後の最後で最高にテンションあがらせたまんま終わりとか反則です(笑)


総評
あぁ〜終わっちゃいました。
7曲しかありませんが1曲1曲が長くて6分半長くて10分と結構ボリュームあります。
それでも聞いてるうちはまったく長いと感じさせないのはさすがですね
そんな中最後の曲は3分しかないのであっという間に駆け抜けて終わってしまいます


見ていてわかると思いますが頭っから最後まで常に悶絶しっぱなしのとんでもない激泣きクサメタルです
哀愁と悲しみをこれ以上わかりやすく、しかも脳髄にガツンと直に叩き込んでくるバンドはそういないんじゃないでしょうか?
このバンドはどのアルバムもそんなスタイルですがこの後の3rdからはきちんとした6人体制のバンドになるんで、
その分演奏面ではかなり安定してよりブラックメタル的になるんですが、鼻につくほどのクサさはだいぶ減衰してしまいます。
そういった意味でこのアルバムはこのバンドにとって哀愁という点での最高傑作だと思います。
クサメロ好きヴァイキング好きは必聴だし、もちろん機会があれば全てのメタラーに聞いてほしい一枚です。


ちなみにこのバンドの創始者でありバンドそのものであったValfar氏は2004年二月にこの世を去っています。
雪山で遭難したとのことです。
まだ20代での早すぎる天才の死は非常に残念です。
一ファンとしてValfar氏のご冥福をお祈りしますm(_ _)m