Black Magick SS：[Panzerwitch]

https://www.youtube.com/watch?v=t82tjWL0les
ちょっと前に一部のおたくの間で話題になった国籍等詳細不明のサイケデリック・ロック／ブラックメタル、2013年デモ。3曲13分。
オリジナルはInfinite Wisdom Productionsからのテープリリース、2014年にAt War With False NoiseよりEPとして500枚限定で再発された。
自分はオリジナルのテープを入手。

この21世紀にレトロなホラーテイストがダサカッコいい、ヘンテコリン・オカルト・ブラッケンド・オルガンロック！
上で紹介した2012年デモ同様の、UGプリミティブ的劣悪サウンドメイクでお送りする唯一無二のB級ホラー系オルガン・サイケロック。
コッテコテの悪魔とか魔女とかが闊歩するおとぎ話を大真面目にやっているかのような、古典ホラー映画を思わせるダークで怪しい世界観は今作でも貫かれている。
#1[Darklord]冒頭からして「胡散臭い・古臭い・怪しい」と三拍子揃った、これぞBlack Magick SS！！と言いたくなるザ・キラーチューンでテンション上がる。
#2[Shall Prevail]はエルヴィス・プレスリーとかそっち系のバタ臭さをプンプンさせるコッテリ系ノーマルヴォーカルが大活躍する儀式的チューン。
#3[Panzerwitch]はドゥーミーで重苦しい展開から一転してテンポアップする際の辺りでほんのりNuit Noireっぽいギターフレーズが聴けておしっこチビリそうになる。
音質は前作よりもノイズ感が薄く若干スッキリめ。
どの曲も全くブラックメタルにそぐわないクールにロックンロールなギターソロが挿入されるのだが、それがまたこの胡散臭い世界観にマッチしている、どころかより一層引き立ててカッコ良くしているのだからたまらない。

というわけで、前作を気に入ったなら今作もマストと言える一品。
前作同様ジャケットのデザイン・配色からして往来のブラックメタルとは全く趣が異なる事が伺えるが、中身もやはり常識的ブラックメタルでは捕捉できない個性的なサウンドが楽しめる。
かなりマニア向けというか、一般ウケはしなさそうなアクの強い作風ではあるが、もっと流通良ければ結構話題になるのではないだろうか？と感じるくらい面白い作品だ。
Nuit NoireやCircle of Ouroborus、Urfaustといった脱力系ヘンテコ・ブラックメタルを嗜む方や知的好奇心をくすぐる新しいサウンドに飢えているギークな諸兄は一度は聴いてみていただきたい作品だ。
例によってレーベル売り切れ、Disocogsに高額出品という感じなので、まずはyoutubeで試聴してみて、気に入ったらDiscogsに突撃を推奨だ。

【お気に入り】
#1[Darklord]：グウの音も出ないほどカッコいい。
【At War With False Noise】
http://www.atwarwithfalsenoise.com/
【Bandcamp（レーベル試聴）】
https://awwfn.bandcamp.com/album/panzerwitch