Old Soul:[Who Are Willing To Draw Close]


オムツを履いて惚ける痴呆おじいちゃんみたいなジャケ(全方位失礼)といかにもオサレ系ポスト・ブラックなバンドロゴとのギャップが印象的な、アメリカはミシガン州産、ブラックメタルinspiredポスト・ハードコアスクリーモ、2012年1st。4曲20分半。
ハードコア/パンク系レーベル、IFB RecordsEastrainDingleberry RecordsよりLPで共同リリース。
Bandcampで無料DL可。


ザ・Envy meets Black Metal!!
Envyを思わせる、心洗われるような清澄感を発散しながら軽やかかつ流麗に飛翔するシャランラ・ギターや、激情ハードコアとブラックメタルが綯い交ぜになったようなエモーショナルかつ攻撃的なトレモロ/リフを伴ってダイナミックに展開する激情ポスト・ハードコア
基本は激情ハードコアに軸足を置きながらも、キリキリと苛烈に追い詰められるかの如きスリリングなパートのアグレッションや要所要所のリフ/トレモロから漂うダークなニュアンスにブラックメタルの影響が感じられる。
昨今流行りのクロスオーバー・サウンドではあるが、そのバランス感覚の絶妙さや、この手のポスト・ブラック的アプローチに付き纏う安直さ・軽薄さは皆無の迫真味が大変に素晴らしい!
激情ハードコアとブラックメタルの融合と言えば我らがCOHOLがその筆頭であると思うが、このOld Soulもそれに類する音楽性であり、本作でもその威力を遺憾なく発揮している、多様な手練手管を駆使しながらコロコロと顔色の変わる複雑な展開を違和感なく繋ぎ止め一つのドラマへと纏め上げるインテリジェンスなどはまさにCOHOLの十八番とするところだろう。
ハードコア界隈には疎いのでその範疇でどう評価すべきかはわからないが、ポスト・ブラックとして聴くと実に新鮮かつオリジナリティが感じられ、叙情的なメロディの奔流と全編通して張りつめた緊張感、急峻な展開のカタルシスに心底打ちのめされてしまう。
またD-beatでドカドカと突進するパートはクラスト的な炸裂感もあり、この辺はVestigesを髣髴とさせ非常にカッコ良し。


というわけで、これはなんとも堂に入ったオサレ系ブラックメタル/ハードコア。
「こんなのブラックメタルじゃない!」と言われたらおっしゃる通り、グウの音も出ないが、しかしそう鯱張らずにブラックメタル影響下のエクストリーム・ミュージックとして是非ともご賞味してみていただきたい。
ここまで読んで興味持った人ならまず気に入ること間違いなしと太鼓判を押せる。
前述のようにBandcampで本作含めこのバンドの全音源が無料DL可能であり、他の作品も実に素晴らしい出来であるため、本作が気に入ったなら突撃必須だ。
ちなみに自分はあまりにもツボであったため本作と続く2ndのレコードを注文してしまった次第。
届くのが楽しみだ!


【お気に入り】
#3[Forest]:コレはCOHOL好きにはたまらんでしょう!
【Blogspot】
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Tumblr
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【IFB Records】
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(2014.05.27追記)
LPはこんな感じ。紫スプラッター盤かっこいい!