Virvatulet / Gratzug:[Split]


前者フィンランドペイガン・ブラックと後者ドイツ産プリミティブ・ブラックによる2012年スプリット。4曲34分半。
テープはWerewolf Promotionより300本限定、CDはHammerbund KunstschmiedeBleichmond Tonschmiedeの共同でデジパックが100枚、ジュエルケースが400枚リリースされた。
自分はジュエルケース版をゲット。


【メロディック・ペイガン・プリミティブ良作スプリット!熱き涙ながらのガッツポーズは男の勲章!】

Virvatulet#1〜#2(18分弱)

フィンランド産、ウルトラ・メロディック・ペイガン・ブラック
基本は上に紹介したデモテープと同様の、フィンランドmeets自然派ペイガンな激クサ・ブラック。
今作ではさらにペイガン色が強くなり、近作のGoatmoonを思わせるシーンもチラホラ(#1[Sodan Roihuava Aamunkoitto])。
ヒステリックにガナリ散らすヴォーカルスタイルもBlackGoat Gravedesecrator兄貴に似ている。
ファ〜ファ〜シンセにはHin Onde的な風情も感じられる。
相変わらず殺傷力抜群のメロディをこれでもかとリフレインして哀愁と叙情を刷り込んでくるスタイルだが、メロディのクササや悲壮感が更に更にパワーアップ!
疾走展開も増えた。
特に#2[Revontulia Seuraten]は7分半たっぷりねっぷりと悲嘆にくれるようなメロディを繰り返した後、うつむき泣きはらした目で空を見上げれば満天の星空、みたいな、鬱屈したエネルギーを解き放つような鬼哀愁の救済トレモロが炸裂して胸が苦しくて切なくてもう大変なことに!
け、血液が沸騰している!?誰か、誰かお客様の中にお医者様はいらっしゃいませんか!助けて!
しかしデモテープでは、疾走増やすともっと良い、みたいに感じたけど、このスタイルはタップリと溜めた後、ここぞというとこで走ったほうがカタルシスあってイイね。
疾走好きは#1の方がハマると思うけど、自分はやっぱり#2の展開が好きだ。

Gratzug#3〜#4(16分半)

ドイツ産プリミティブ・ブラック
2011年結成で既に2枚のフルレンスと数枚のデモ等をリリースしている。
Virvatulet同様、古式ゆかしい邪悪性や禍々しさよりも、悲壮感溢れるペイガンな哀愁を撒き散らすプリミティブ・スタイル。
ジャーマンらしい湿り気も感じさせる。
Virvatulet目当てで買ったが、これは思わぬ収穫!
やはりここ数作のGoatmoonが好きならハマると思う。
Virvatuletより疾走メイン、かつメロディに男臭さというか力強さが感じられ、Goatmoon指数に換算するとより初期寄り。
面白いのはタスマニアStriborgみたいな、不気味な浮遊感のあるお化け屋敷的シンセが時折絡んだりして独特の雰囲気を醸し出している点。
こーゆーシンセはこの手のサウンドで聴くことは稀だから新鮮。
#4[Der Pfad...]は代わる代わる心を打ちぬくメロディの大洪水、かつ説得力あるブラックメタルであり大変に素晴らしい。


というわけで、ペイガンなプリミティブが好きならぜひとも聴いてみていただきたい作品。
なんだろう、決して一番手に上がるようなバンド、ないし作品ではないと思うけど、知る人ぞ知るというか、スキモノ御用達みたいな一枚。
特に上で紹介したデモテープよりは聴きやすいとも思うので、興味持たれた方はまずこちらから探してみるのが良いだろう。
自分的にはGratzugは今作しか持っていないため、他の作品も聴いてみたいところだ。
すばらっ!


【お気に入り】#2[Revontulia Seuraten]神曲いわゆるゴッドチューン。
【Virvatulet Myspacehttps://myspace.com/virvatuletofficial
【Virvatulet 公式Youtubehttps://www.youtube.com/user/VirvatuletOfficial
【Gratzug Facebookhttps://www.facebook.com/gratzug.official
【Werewolf Promotion(レーベル)】http://www.werewolf-promotion.pl/
【Hammerbund Kunstschmiede(レーベル)】http://www.hammerbund.blogspot.jp/
【Bleichmond Tonschmiede(レーベル)】http://www.bleichmondtonschmiede.de/


Virvatulet、疾走ファンはこっちの曲#1の方がオススメ