Marilyn Manson:[Guns God & Government: Live in L.A (BD)]


アメリカが誇る、そして同時に徹底的に嫌悪される、叛逆と冒涜と侮蔑と低俗のカリスマロックスター、Marilyn Mansonの2009年作ライブBD
伝説の3部作最終章、4th[Holy Wood]を引っさげたGuns God & Government世界ツアーの2001年10月に行われたLA公演を収録。
個人的なBD初体験作品w


音楽やパフォーマンスの過激さ、そしてJohn 5Twiggy Ramirezも在籍しているというバンドメンバーの面から見ても、まず間違いなくMarilyn Manson最盛期のライブが楽しめる本作。
同ツアーにおけるライブDVDが2002年にリリースされているが、あちらは世界ツアーの映像を切り張りしてLA公演の音声を乗せていたのに対し、本作は音・映像ともにLA公演の様子を未編集で収録している。


Marilyn Mansonというアーティストはダークかつポップな楽曲のカッコよさは勿論、衣装・化粧やアートワーク、PV等ビジュアル面でも徹底して淫靡で猥雑で不気味な世界観を作り上げたエンターテイナーであるということを改めて認識させてくれ、これぞMansonと叫びたくなる、生理的な嫌悪感を感じさせる気色悪くも怪しい色気と狂気に満ち満ちたブチ切れパフォーマンスを思う存分に楽しむことが出来る。
満員でギュゥギュウな会場の盛り上がりももう大変なことになっている(笑)
残念な点を挙げるとすれば、本公演はDVD収録が前提だったためか、聖書を破いたり星条旗を燃やしたりといった「らしい」パフォーマンスが行われていないことと、作品としての安定化を出すためか「口パク」である点だろうか。
特に後者は、明らかにマイクと口が離れているのにハッキリ声が入っていたりとあからさまで、歌声自体はそりゃかっこいいものの、やはり生の息遣いや魂の底からのシャウトが聴きたかったという点ではガッカリと言わざるを得ない。
しかし画質音質ともに素晴らしく(BD万歳!!)、現場の生々しい空気と臨場感を再現する一つの映像作品としては実にクオリティの高い出来栄えと言えるだろう。


というわけでMarilyn Mansonという、世界に蔓延る歪みが生んだマイノリティの声にならない叫びを一身に体現したルサンチマン・レジェンドを、青春時代の思い出とともに追体験できる永久保存版とも言える一品。
自分はManson3部作〜Golden Age Of Grotesqueまでしか知らない(1stは最近買った)が、しかしそれら作品は自分の青春に楔のような決定的な何かを打ち込んでおり、彼の哲学や音楽性、世界観は、現在の自分のブラックメタル嗜好に絶対的な影響を与えていることは間違いない。
Irresponsible Hate AnthemやDisposable Teens、Fight Song、The Nobodies、Rock is Dead、The Love Song、The Beautiful People等々、往年の名曲群にはブチ上がらずにはいられない!
実は前述のDVDを高校生の時に同級生に借りて見たことがあるのだが、そのDVDは自分にとっては非常にショッキング(当時はSlipknotとかRob Zombieとか好きだったけど、それでもMansonの常軌を逸したカリスマは衝撃だった)だったのを今でも覚えている。
DVDを見てすぐに自伝を読んだのも良い思い出だ。
そんな青春神代の興奮とともに、いろいろ見て聴いてきた今だからこそ感じる、当時とはまた違った興奮をも味わうことが出来、すばらしい音楽体験をさせてくれた一枚だった。
あと、個人的にはJohn 5「イヤイヤヘドバン」が昔から大好きなので、それをまた見れたのもうれしかった(笑)
今となっては詮無いことだが、当時のMansonを生で見たかった。
ファンならマスト!


【お気に入り】
#5[Disposable Teens]:ディスポーサボォ ティーンズ!ディスポーサボォ ティーンズ!ディスポーサボォ ティーンズ!ディスポーサボォオ!
【オフィシャルサイト】
http://marilynmanson.com/
【日本語公式サイト】
http://www.universal-music.co.jp/marilyn-manson/