Cirrhus:Cirrhus


アメリカ産、パンキッシュ・Rawブラックメタル、2011年7''EP。2曲11分強。
CW Productionsよりリリース。


Vlad Tepes初期Mutiilationの陰鬱メロウなRawブラックを踏襲しつつノリノリ・パンキッシュに疾走する快感荒くれパンク・プリミティブ!】


March to the Black HolocaustあたりのVlad Tepesを彷彿とさせるドタバタポンコツな疾走感と一種爽やかとすら言えるほどのメロウさ、ノイズまみれで籠りまくりのUG感たっぷりガビガビ劣悪音質、初期Mutiilationの捻じくれた陰鬱感と精神を逆撫でるような不穏さを伴いながら、荒々しくダーティでパンキッシュなノリノリ疾走をかましている。
ドタドタボコボコのポンコツな疾走感と、荒涼としていながらも胸を掻き毟るメロウさの噛み合いっぷりは破壊力抜群。
基本的にはVlad Tepes初期Mutiilationなどフレンチ陰鬱プリミティブがベースだと思うが、かなりメロディアスに攻めており時折Arkha Svaなんかに通ずる腐れお耽美感もチラついたりする。
あるいはこの寒々くも適度にクサいメロウさとツタツタツタツタな疾走感はSatanic Warmasterを始めとしたフィニッシュプ・リミティブにも近いように感じられる。
ボーボーデロデロと蠢くベースもまた不気味で良い感じ。
LLN〜デプレといった趣の、グエグエしつつ泣き叫び交じりで言葉にならない生々しい絶叫を死に物狂いで張り上げている悲愴感たっぷりのヴォーカルも実に真に迫っていてかっこよし。


というわけで、前述したような旧き良きフレンチカルトやポンコツメロウ系が好きな方に是非ともオススメしたいズビズバな一品。
雰囲気は違うがNS系のパンキッシュなプリミティブを好む方も楽しめるかもしれない。
少なくともアメリカ産バンドという雰囲気は全然しない。
ノイズまみれオのブスキュアな音質、腐れメロウかつ妙な爽やかさも備えたフランス臭いメロディ、ドタドタボコボコの疾走感、全てが完全にドツボであり、めちゃくちゃハマってしまっている次第。
特にパンキッシュなノリをポンコツ・プリミティブにうまいこと活かしていることが大変に素晴らしい。
実際UGプリミティブの芯をバッチリ射抜いておきながら個性的でもあるのだからたまらない。
このバンドは他作品もかっこいい音源尽くしなのだが、どれもアナログリリースなのでとっつきづらいのは否定できないものの、今年度中に新作を出すようなので、ぜひともCDリリースをして多くの方に聴いていただきたい。
これはオススメですよ。


【お気に入り】
#1[Time Honored Barrier]:この曲かっこよすぎる。
【レーベルサイト】
http://www.cwproductions.net/