N.S.D.A.P.:[Execution of the Weak!]


写真が下手なホラー映画よりおっかないNefandusによるベルギー産NSプリミティブブラックメタル、2010年1st
500枚限定。8曲(17曲)36分弱。


【キャッチコピー】
ワルプルギスの夜に集結した悪魔と魔女がラジオでヒトラーの演説を流して「ハイル!」する、おフランス流神経逆撫で国家社会主義オカルトプリミティブブラックメタル
【一言】
ツッタカツッタカ疾走、快走ブラスト、鬱系っぽいグルーブ感のゆらゆらスローテンポ、ドタドタポンコツ疾走など緩急織り交ぜる軽いドラムの上で、陰鬱かつ不快・不穏に神経を逆撫でまくるヒステリックなトレモロ・リフ、ジメジメと腐敗しきったメランコリーで胸が苦しくなるような哀愁を振りまく腐れお耽美トレモロ、邪悪オールドスクールリフ等を掻き鳴らし、じん麻疹をこじらせた石臼のような強烈ガラガラ濁声、生気が抜け落ち堕落し切ったジャンキー呻きガナリ、洞穴の奥からの咆哮、イーヴィル赤子泣き声などが陰湿に絡みつく。
【二言】
モロDarvuliaっぽい音色・ヒネたリフ捌きの2本のギターの絡みというか演出が絶妙。一本はボーボーと濃霧が立ち込めるような邪悪な音造りでミスティックな儀式空間を構築し、もう一本はキリキリと神経質な高音トレモロを掻き鳴らしている。
【三言】
ヴォーカルが至極強烈。StriborgSin Nanna中期Mutiilation魔王Meyhna'chの歌い方をしているような、胸の辺りがムズ痒くなるような不快指数200%のどうしようもないくらいダル気なガナリ声で素晴らしい。不気味に笑ったりネチっこく呻いたり、エクトプラズムはいてみたり、やりたい放題に邪悪極まりない。
【蛇足】
というわけで、ベルギー産とは名ばかりのガッツリフレンチオカルト系。
バンド名は「Nationalsozialistische Deutsche Arbeiterpartei」の略で、英訳すると「National Socialist German Workers Party」の意味だとか。
つまりゴリゴリのNS系だが、僕はNSには疎いのでなんとも言えないとはいえ、少なくともNSらしさはイントロのヒトラーさんにしか感じなかった(笑)
フレンチ系プリミティブとしてはなかなか上物で、LLNを曲解した気持ち悪さとRottenな耽美さはDarvuliaに通ずるが、あそこまで魔女っ子でなくもう少しストレートにブラックやってる感じ。
とはいえフレンチ血統らしくオカルトな雰囲気作りも徹底しており、#7(12)[The War Song!]などではMoonbloodをもっと泣かせたような慟哭メロディが飛び出したりと全編イカレメロディアスながらも、怪しく妖しく不気味な地下儀式的な雰囲気が濃密に充満している。
また各曲の間には必ず暗〜いアコギインストが挿入されており、ブラックメタル曲は8曲だが収録曲はイントロ含め実質17曲となっている。
これが孤独で怪しげな情感が沁み込んでおりなかなかにイイ雰囲気なのだが、中盤あたりからさすがにしつこいというか、飽きてきて(笑)
その分メリハリは効いているものの、ブラックメタル曲で盛り上がって「ガンガン行こうぜ!」な感じなのに、必ずしっとりアコギ入るもんだから何となくガックリ来るとうか(笑)
ブラックメタル曲が短めで、かっこいい割にさっくり終わってしまうのも、この辺の物足りなさに拍車をかけているかも。
せっかくブラックメタルがかっこいいのだから、もう少し曲長くしてタップリドップリ味わえたら尚良かったかも。
とはいえ、Darvulia好きはもちろん、Mutiilationの息吹がしっかり息衝くフレンチブラックが好きならきっと楽しめるだろう。
おすすめ!
【お気に入り】
#7(12)[The War Song!]:このトレモロは反則!国産ブラック顔負けのクサさ!


どうでもいいが、全曲タイトルにに「!」がついてるのがなんか笑える。
#1[Intro!]とか、語感が某ガールズバンドを彷彿とさせてなんともはや(笑)