霞鳥幻樂団:[藪蛇]


三味線、バンジョーアコーディオン、ギターにベース、ドラム唄!
誰が何と言おうと、僕がこの命の灯を賭して猛猛プッシュせねばならない純国産フォークメタル/ポルカパンク、待望の2ndデモアルバム
2010年作デジパック、4曲17分+α。
実はUGシーンの実力者によるバンドっぽい。(既に解散した老舗国産ブラックメタルLithiumのメンバー(神埼瑞獣<三味線>間宮亜穂論<バンジョー>)が中心で、今作から参加の目黒ネグロ先生もいろんなプロジェクトに参加して地下シーンでブイブイいわせてるみたい。ちなみに、目黒ネグロ先生はライブではGt.&Saxだったが今作ではGt.オンリー


【キャッチコピー】
みんなニコニコ一発昇天!悶絶が悶絶を呼ぶ津軽海峡冬景色、ベンベンチャカチャカフガフガフガ!!哀愁郷愁和洋折衷フォークメタル!そうか、ここが桃源郷か!!
【一言】
軽快明朗なアイリッシュパンク/フォークメタルベースに、雅な風情漂う三味線、素朴な異国情緒溢れるバンジョー、そしてNHKみんなの歌クラスにハイパー牧歌炸裂なアコーディオンが所狭しと乱舞する、超個性派クサ民謡パンキッシュメタルサウンド
【二言】
今作ではギターとベースがかなり前面に出てきたプロダクションとなり、魅惑の踊り子ヴォーカルも地声で歌うシーンが増え、ロック・メタルな骨格がより強調されている。と言っても、前作同様シンプルなギター・グリグリよく動くベースともにかなり美味しいフォークメタルな悶絶フレーズ弾いてるんで、みんなそろってクサメロ辺境フォークな霞鳥ワールドは以前健在。
【三言】
しっとり大人な雰囲気の民謡バラードから跳ねるヴァイキング的勇壮パンク、さらにはFinntroll[Trollhammaren]ばりの必殺ポルカメタルアンセムまで、幅広い楽曲をオリジナリティ抜群に、気取ることなく、しかし絶大な殺傷力でもってプレイしてしまう充実したインスピレーション、恐るべき作曲センスは、昨今エネルギッシュな若手バンドがバンバン出てくる成熟したフォークメタル界隈といえども世界屈指。そしてアルバム最後にはノーベル平和賞受賞して良いくらいのオマケが!
【蛇足】
(゚∀゚)(゚∀゚)(゚∀゚)
いや〜。これはもう堪りませんな。
相も変わらずの悶絶フォークメタルサウンド
前述のようにギターとベースが前に出てきたことで、三味線バンジョーアコーディオンよりギターとベースが主たるメロディを引っ張るシーンが増えた。
とはいえ、常にベンベンチャカチャカフガフガフガとかなりにぎやか、というかしっちゃかめっちゃかにいろんな音が鳴って、かつ一体感のあるお祭り騒ぎは全く損なわれていないのでご安心を。
全編通して「ヘイ!」「ハイハイ!」「えいやっさ!」「あらよっと!」などの掛け声、「ハラ減った〜」「い〜〜やっほう(巻き舌)」などのガヤまで、印象的かつノリノリなコーラス・ヤジがかなり増加しており、観客参加型(笑)の配慮も楽曲への没入を加速させる。


#1[いっぱい食おうぜ!]「ラーメンいっぱい食っちゃった!チャーハンいっぱい食っちゃった!牛丼いっぱい食っちゃった(ジャイアン歌唱)」「マジよく食べるージャン!(漢コーラス)」というDubBukばりにインパクトのある出だしから度肝を抜く悶絶食欲フォークメトゥ。Trollfest3rdみたいなほんのりオリエンタルな民謡フレーズの延々リフレインが効く。
#2[麝香]:ズッタカズッタカ跳ねるヴァイキング的三連打ち&勇壮リフが印象的な悶絶ヒロイックフォーク。舞踏ラインをなぞるベース、裏で鳴るアコーディオンの芳醇な香り。明るく力強い楽曲に反して歌詞は「貴方の腕を引き裂き 足を千切る 囲うわ箱の中 貴方の首を締め上げ 息の根止め 口づけする」という作詩のゴアゴアなメンヘル猟奇チューン。
#3[藪椿]:三味線バンジョーアコーディオンが大活躍するしっとり横揺れ悶絶民謡バラード。演歌。これは演歌です。舟歌です。凄まじい哀愁。
#4[悩みの種]史上最強悶絶ポルカメタルアンセムFinntroll[Trolhammarren]に匹敵する破壊力。これぞ霞鳥の真骨頂。超名曲。聴け。
そして[悩みの種]も終わり、「いや〜今作もよかったな〜」とホクホクしてると、不意にスピーカーから流れてくる、みんな知ってるあのメロディ・・・
た〜ら〜ら〜、たらら〜ら〜、たらら〜、たらら〜、た〜ら〜らら〜ら〜、たらら〜ら〜ら〜、た〜ら〜ら〜・・・
・・・
・・・
#5[カントリイイイイイイイイイイイイイイロオオオオオオオオオオオオオオッッッッッッッッッッッッッッド]「悩みの種」のノリをそのままに突っ走る隠しトラック鬼カバー。想像してください。青春パンク/メタルサウンドの上で、カントリーロードのあのメロディを奏でるアコーディオン、ベンベンチャカチャカする三味線&バンジョー、大合唱する女性ヴォーカル&漢コーラス(含むブラックメタル的喚き「ギャー」)、オイ!パンクな掛け声。脳内映像はもちろん耳をすませば」(c)ジブリ。かつてブラックメタルヴォイスの乗っかるカントリーロードが存在しただろうか!いや、ない!(反語)とんでもない曲。アドレナリンフルスロットルで駆け抜けるあっという間の3分。


というわけで、全曲ライブ映えする楽しい楽曲ばかりで固められた今作。
ライブで初めて「悩みの種」を聞いた時も凄まじいインパクトだったが、このCDでカントリーロードの不意打ちを喰らった時、あの時の感動と興奮を僕は生涯忘れないと思います(小学生の作文風)。
正直、ここでレビュー読んでからCD聴いた人は、正直ごめんなさいってくらい、それくらい5曲目のサプライズっぷりは凄かった。
というか、前作1stデモ(およびお試し盤)、そして今作と全9曲全てが必殺級の名曲尽くしという猛烈さ。
21世紀のジャパロックは彼らの時代なんじゃなかろうか。
すげぇ酒が進む。
個人的には、エスニックな色香漂うファルセットがもっと聴きたかったかな、とも感じるが、とにかく至福の20分間だった。
未だに前作も含め、とてもジッとしては聴いていられない、何度連続で聴いても全く飽きが来ないニヤニヤな楽曲群。
大好き。
Flogging MollyDropkick Murphysよりメタリックで、FinntrollKorpiklaaniKarevaraよりパンキッシュ、そしてその彼ら以上に和洋折衷の民謡メロが強烈とあっては、日本全国津々浦々の民謡メタラーはスルーしていたらモグリというものだろう。
全民謡メタラー歓喜必至の、幸せいっぱい夢いっぱいな一枚。
Super Wonderful!!! Please Listen and be Happy!!!
【お気に入り】
#4[悩みの種]Trollhornに聴かせたい。
#5[カントリーロード]Finntroll[Försvinn Du Som Lyser]*1+青春パンク(悦)。
【オフィシャルサイト】
http://www7b.biglobe.ne.jp/~kasutori/[悩みの種]のサンプル版ダウンロード可。
MySpace
http://www.youtube.com/watch?v=0lN8_SJ6JpI
購入はオフィシャルサイト、もしくはライブ会場にて。
というか、こんなバンドほっとくなんて、ユニオン何やってんの!

*1:参考