Curve:[Doppelgänger]


UK産シューゲイザー、1992年名盤1st
11曲46分半。


【キャッチコピー】
攻撃的なダンスビートの上で極彩色を放つ轟音サイケデリアが妖艶で官能的な快楽をもたらす脳内麻薬ドバドバ系シューゲイザー
【一言】
甘美な響きと強靭な厚みを持った轟音ギターの奏でる浮遊感溢れる幻惑メロディが濃密に空間を埋め尽くしている。テクノなエレクトロニカも効果的に多用。圧倒的な音の洪水が構築する妖しく倒錯的な幾何学的サイケサウンドに耽溺してしまう。
【二言】
他の90年代シューゲイザーと一線を画するのが、ブレイクビーツなダンスビートの大胆な導入。そのインダストリアルな感触・単調だが力強い炸裂感によって、破壊的とさえ言える攻撃性が感じられる。
【三言】
麗しきToni嬢の、凛としていながら深みのある艶声で甘ったるく囁くヴォーカルにメロメロ。天使のように神々しく透き通った高音、誘惑するような背徳的色っぽさのある中音、ボソボソと呪文を唱える魔女のような低音など、様々な声音を重ねてエスニックで妖艶な素晴らしいパフォーマンスを披露している。
【蛇足】
シューゲイザー全盛期の名盤とされる一枚。
妖艶なヴォーカル、目のくらむような轟音サイケギター、単調でノリの良いビート感が見事に噛み合い、極めて誘因力・没入力の強い恍惚サイケサウンドが堪能できる。
この倒錯的世界観はかのMy Bloody Valentineにも通じ、極めて中毒性が高い。
楽曲は精神を侵食するような快楽に満ちており、そこまで激烈な音像でないにもかかわらず、強烈なパワーと破壊性を感じさせる。
まさに麻薬ロック。
甘いだけでなく、相当カッコイイシューゲイザーだ。
鮮烈で刺激的な楽曲群は全体的にも非常に完成度が高く、名盤と語り継がれているのも頷けようというものだ。
MBVSlowdiveのようなサイケ色を前面に押し出したシューゲイザーが好みならきっと楽しめるだろう。
【ゲキアツ】
#2[Horror Head]:脳ミソとろける。
【傾向と対策】
My Bloody ValentineSlowdiveThe Pains Of Being Pure At Heart
【オフィシャルサイト】
http://www.curve.co.uk/