Satanic Warmaster:[Nachzehrer]


ブラックメタル界最々重要人物、魔王Satanic Tyrant Werwolf aka Nazgul社長による、みんな大好きフィンランド産プリミティブブラックメタル、2010年4th
8曲40分半。
自身のWerewolf Recordsよりリリース。初回限定?ゴールドディスク仕様。


【キャッチコピー】
揺るぎなき王者の風格、キング・オブ・フィニッシュ・メロウ・プリミティブ
【一言】
軽快なミッドテンポ絡めながら荒々しく疾駆するRawなドラム、寒々しくもメロウなトレモロ、いい感じに古臭いスラッシーなリフ・ノリノリ展開、噛みつくように邪悪に喚くEvilヴォイス、ここぞというところで絶妙に絡んでくるチープで荘厳なシンセという、もはやお決まりのスタイル。時折Sodomあたりの往年のスラッシュメタルを思わせる堰を切ったようなソロが入る。
【二言】
作品を追うごとに耳当たりが良く(プリミティブの範疇で)なっていた流れから一転して、1stを彷彿とさせる劣悪音質に。ドカドカバコバコと生々しいドラム、モコモコと籠って埃っぽい地下室ギターなど、非常にラフで抜けの悪い、粗い音質が醸し出すUGな空気感がサイコーたまらない
【三言】
3rdをベースに1stっぽさを取り戻したような作風。これまで同様メロウな哀愁の強調された荒涼感漂うリフがやたらめったらメロディアスな反面、1stのようなモッサリUGオールドスクール的展開が増量。この絶妙な噛み合わせは多くのバンドが志向しながらも到達しえないカリスマの境地。
【蛇足】
というわけで、待望の新作も相変わらずのSxWxクオリティ。
ロディアス極まりないリフを引っ提げてツタツタ疾走する様も、古臭くスラッシーなリフで邪悪に豪快に突進する様も、ホントもう猛烈にカッコよい。
寒々しく哀愁を撒き散らすメロディの良さもさることながら、軽快なノリ、荒々しい突進感を作り出すリズム感覚のセンスは抜群だ。
そしてやはりこのカラカラに乾いたEvil極まりない喚き声はブラックメタル界随一。ギャァギャァと悪魔が如くオブスキュアな濁声で喚きまくっており実にカッコイイ。
音質含めUGな雰囲気作りも完璧。
捻りも衒いも無く徹底してベーシックでストレートなスタイルを貫き、かつマンネリ化せず毎度テンションの高い作品をリリースし続けているのはさすがと言うほかない。
Darkthrone[Transylvanian Hunger]の遺志を継ぐUGブラックメタルの完成型と言ってしまっても良いバンドだろう。
プリミティブブラックメタルのかっこよさが凝縮された珠玉の一枚。
これまでのファンはもちろん、ブラックメタラーならまず聞いておかねばいけない重要盤。順当なる傑作。
必聴!!
【ゲキアツ】
#2[Satan's Werewolf]:これぞSxWx。ツタツタメロウ疾走うめえ。
【傾向と対策】
DarkthroneHornaSargeistBekhiraKristallnacht、etc...
MySpace
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