Manierisme:[Manierisme]


国産オカルトブラックメタル、2006年コンピレーションアルバム。17曲67分ちょっと。
#1〜#9に2004年自主製作デモ[Cursed Palace - Memory of Roses Faded Away]#10〜#16に2003年自主製作デモ[Cursed Palace - No One In the Room]#17に隠しトラック収録。
国産カルトの総本山、Nekrokult Nihilism Recordsよりリリース。手書きナンバリング入り666枚。


【キャッチコピー】
淫靡な腐臭芳しき懐古主義と人間性の崩壊の果てに狂気まみれの耽美と絶望を描き出す、凄惨極まる阿鼻叫喚Rawブラックメタル
【一言】
朽ち果てた大正時代の洋館のカーテンのようにモコモコビリビリジュワジュワと歪み破れ籠ったボロボロのノイジーギターが奏でる、ジメジメと陰鬱なロマンティックトレモロが、もう薄ら寒いほど壊れていて、しかし胸を掻き毟るほどに哀しく美しい
【二言】
怨み、つらみ、妬み、そねみ、欲望、憤怒、絶望、グチャグチャの感情を捩じあげ絞り出すように呻き、ガナリ、泣き、絶叫するヴォーカルは凄まじいの一言。
【三言】
オカルティックな暗黒美学の真髄とも言える素晴らしき雰囲気作り。ブルズドドドドガチャガチャチャチャと狂気に駆られて暴れ回るドラムが、メロディとヴォーカルのぶっ壊れ感に拍車をかける。秩序崩壊ギリギリのところで楽曲を保つ破滅的な暴虐性と、音質、メロディ、ヴォーカル、全てが醸し出すのっぴきならない切迫感、緊張感が凄まじい。
【蛇足】
最近復活して1stアルバムをリリースしたことでネット上を騒がせている国産カルトバンドの音源集。
実はこのCD、リリース当時、町田雲丹で中古¥300で流れているのを見かけたが、当時貧乏の極みかつ国産バンドをナメきっていた自分は華麗にスルーを決め込み、後々買わなかったことを死ぬほど後悔したCDトップ10に入る一枚
オクで高額落札も覚悟していたが、今年に入って海外ディストロで見つけ、喜び勇んで購入した次第。
どうやらそれが最後の一枚だったようで、ほんとツイテた。ありがとう>>728。
さておき、さすがに最近の国産ブラックブームの前からマニア受けしていただけあり、非常に完成度の高いフランス発祥日本進化系プリミティブ。
メロディ、ヴォーカル、音質、楽曲、それぞれ世界照準レベルで素晴らしいんだけど、特筆すべきはそれらをまとめあげて構築するオカルトな世界観。このへんは国産バンドの得意とするところだが、このバンドはホントにそのへんの演出が際立って真に迫っている。なんというか例えるなら、Deathspell OmegaからArkha Svaへ向かうベクトルの延長線上、をジュクジュクに腐るほど熟れさせた感じ、とでも言おうか。
フランチブラック、LLN系に通ずるバタバタした演奏とボロボロの音質、陰鬱に湿ったメランコリーは、その手のマニアにはたまらないはず。
徹頭徹尾陰鬱メランコリックでぶっ壊れている。
ヴィジュアル崩れと揶揄されるように、日本語語りやナルシスティックな耽美主義はおそらく多くの人の鼻につく、かなりうっとうしい演出かもしれないが、V系が苦手な僕でも、それらが気にならない(というと多少嘘になるがw)、むしろその暗黒耽美な雰囲気を楽しめる、ぐらいの誘因力は備えていると言える。うん、言える。
おそらく僕同様の若い世代、もしくは最近国産ブラックを聴き始めた層で未聴の方は結構多いと思うが、血眼になって捜す価値のある、国産ブラックを代表する名盤に数えるべき一枚。
素晴らしいにも程がある、わ!
【ゲキアツ】
#5[The Secret Garden]:トレモロセツナス。
#7[Anusy, Spent With You!]:イ、イカレてやがる。どうしてこんなになるまでほうっておいたんだ!!
#10[Cursed Palace - No One In the Room]:これが日本の実力。
#16[In Dear Memories]:ナルシストなArkha Sva。この壊れた叙情がたまらんのよ。
【傾向と対策】
MutiilationDeathspell OmegaMystic ForestArkha SvaFenrisulf
MySpace
http://www.myspace.com/manierisme2