Sorgeldom：[Inner Receivings]

スウェーデン産、ポストメロディックブラックメタル、2010年2nd。
9曲59分半。デジパック。

【キャッチコピー】
身を焦がし噴出する激情と、清浄でたおやかな、しかしどこか寂しげな幻想美とのマーブル模様に酔い痴れる叙情トレモロ濡れ新世代激情プログレッシブブラックメタル。
【一言】
Krallice、Klabautamannを思わせるトレモロが狂おしく掻き鳴らされる激メロブラックと、儚げトレモロ・切なげアルペジオ・柔らかアコギなどで涙腺を刺激する幻想的シューゲイザー／ポスト鬱ブラックが混在。
【二言】
ブラストで雪崩込むように爆走する暴虐性やリフに感じられる寒々しさ、邪悪さなど、ブラックメタルとしての矜持がしっかりと感じられる。
【三言】
曲展開が見事。叙情的なメロをこれでもかとリフレインして陶酔感に浸らせたところで、ガラッと展開を変えカタルシスを爆発させたりなど、1曲あたり5〜10分と長めの収録時間を無駄なく使い繰り広げられる叙情ドラマはスリリングで息つく暇がない。
【蛇足】
これまた実に完成度の高い新世代インテリジェントブラックメタル。
ファストでアグレッシブな楽曲は徹頭徹尾メランコリックを貫いており、涙腺刺激、琴線破壊、心臓破りの慟哭トレモロの破壊力たるや筆舌に尽くしがたい。もう辛抱たまらん。
ヴォーカルは中音域で掠れ気味に吼えるような迫力あるナイスデスヴォイス。楽曲によって儚げに嘆くようなノーマルヴォイス、Joy Divisionを思わせるﾏﾀｰﾘボイス等も用いている。
また、#5[Summer Day]はドリーミーシューゲイザーの代名詞Slowdiveのカバー。アンビエント色の強いサイケデリックな楽曲が楽しめる。
#7[Drömmarnas Galax]、#8[I Väntan På Telefonsamtalet]はその#5と似通った雰囲気のモロシューゲイザーな楽曲となっており、ただのNeige御大の追っかけでなくリアルシューゲイザーを確かに血肉とした上でブラックメタルをプレイしているという事が伺える。
というわけで、最近のシューゲイザー／ポストロック的アプローチを見せるブラックメタルや叙情的なトレモロで押せ押せの21世紀ブラックが好きな人にオススメしたい一枚。
う〜ん、素晴らしい。
【ゲキアツ】
#2[The Cold Empty Void]：激ドラマチック。もはや殺人的なトレモロ。
#6[Inner Receivings]：なんという狂おしさ。
【傾向と対策】
Krallice、Klabautamann、Janvs、Hakuja
【MySpace】
http://www.myspace.com/sorgeldom