霞鳥幻樂団:[お試し盤]


三味線(!?)、バンジョー(!!?)、アコーディオン(!!!)擁する東京の強力フォークロック/ポップパンク!!!
2009年デモ。4曲10分強。
タイトルの通り、ライブ会場でロゴ入りチロルチョコを買うとおまけでもらえるお試し盤(笑)
Slipknotのように団員に番号を振り、ピエロ・ゾンビ・コープスペイントなどの白塗りと袴や着物などの和装というコミカルなファッションに身を包み、そして三味線、バンジョーアコーディオンが乱舞するという、何から何まで強烈な存在感を放っているキワモノ中のキワモノバンド。
一発ネタのビジュアル系バンドと思うことなかれ。
これがまた、和製Korpiklaaniか、Finntrollか、はたまたKalevalaかと言った、歌えや踊れのスーパーお祭りフォークメタルとなっている。


ドチドチ遅めのブラストなどを適度に絡めながら爽快に裏打ち疾走するパンキッシュなドラムに乗せて、ザクザクメタリックに刻みながらズンッタズンッタと勇壮な舞踏曲系のラインを紡ぐギター・ベース、そしてとんでもない哀愁を放っている悶絶フォークロアメロディを奏でるアコーディオン、およびベンベンチャカチャカと弾かれる三味線およびバンジョーが凄まじく濃厚で芳しい郷愁の情緒感を醸し出しまくり、その上でが新ジャンル「ボンテージ芸者」なコスチュームが艶めかしい美女 さんがノスタルジックな民謡歌メロをしっとり歌い上げる
とにかく繰り出される民謡メロディが突き抜けてポップでキャッチー、おまけにノリノリ。
アコーディオン、三味線、バンジョー、ギター、ベース、ドラムと楽器の数が多いんで、ガチャガチャフガフガベンベベベベンと賑やか極まるしっちゃかめっちゃかのお祭り騒ぎ。
アイリッシュパンクをコンセプトに、面白そうなもん混ぜまくったらなんかよくわからん音楽が出来上がった(笑)」とはバンジョー奏者である間宮亜穂論さんの談。津軽海峡冬景色、雅で和な音色の三味線&バンジョーが時に演歌のようなフレーズを、時にアコーディオンとユニゾンしながら凄まじくノスタルジックな異国の民謡メロディを奏でるというのが、なんとも不思議かつ個性的でかな〜りおもしろい。
ヴォーカルはエキゾチックで色っぽい踊り子系女声。多少線の細い危うさがいかにも辺境フォークメタルっぽく、いい感じ。時折気が触れたかのように絶叫もする。また、遠くの方でアヒルブラッキー喚きコーラスもチラホラ入ったりする。
音質は低音が弱めだが、分離も抜けもよくまずまず。マニア心をくすぐるタイプのチープさで個人的には割と好きな音質。アコーディオンが前面に出たプロダクションはグッジョブ。


というわけで、民謡好きなら悶絶必至、純国産フォークロックの意欲作。
ツボを心得たメロディ、およびストップ&ゴーを巧みに用いたリズム感のセンスが良く、なにより主旋律を担う三味線、バンジョーアコーディオンの圧倒的な存在感は唯一無二。
もはや形容しがたいほど絶大な破壊力を持った最強フォークメタルアンセム#1[それいけ!霞鳥幻樂団]、ズンタッタズンタッタという舞踏リズムで踊り狂う#2[Will o' the Wisp]ロシア民謡っぽいアコーディオンと演歌の哀愁がいっぺんに押し寄せる#3[Forest]、これまでの民謡疾走曲とは一風変り、青春臭さ溢れる青空パンクなギタメロ、優しげな歌唱とが懐かしげで泣かせる#4[風吹く町で]。全曲筆舌に尽くしがたい魅力に満ちている。
ライブ会場で演奏を聴いた時も開始数秒で満面の笑みになってしまったし、一週が短い分冗談抜きで一日5週は聴いている今でも、電車の中で思わずニンマリしたりしてしまいます。
数ヶ月前から名前は知っていたんですが、まさかこれほどまでのモンスターバンドだったとは。
なにはともあれ、全フォークメタラー要チェック。この素晴らしすぎる世界観は是非とも多くの方に聴いていただきたい。
メンバーの皆さんもとても気さくで良い方たちだったし、全力で応援したいバンドです。
Hyper Recommend!!


・オフィシャルサイト:何といってもライブが楽しすぎ。また絶対見に行きます。
・Myspace
↓メロディが完全にTrollhorn節の本作未収録曲。マジ和製Finntroll