Blutschrei:[The Voice of Forbidden Pride]


フィンランド産、NSペイガンプリミティブブラックメタル、2006年1st。9曲46分弱。
HammerHornaSargeistなんかのメンバーが絡んでいる。
メンバーショットこそイモっぽいおっさんスラッシャーみたいだが、中身は中身で非常に古学校だがメロウかつ漢の哀愁漂うアツイ極上B級ペイガンプリミティブとなっている。


適度にブラスト疾走絡めつつ、シャンシャン金物を鳴らしながらどっしりミッドテンポで力強く邁進する安いドラム、Absurdをモロ彷彿とさせる、パンク/ロックっぽい青臭さと汗ムサイ渋み・勇猛さの滲んだ低音主体のNS系ズンズンリフブンブン唸る主張の強いベースフィンランドらしい寒々しくメロウなトレモロ/スラッシーなオールドスクールリフなどによるNSプリミティブの上で、土着臭い哀愁を漂わせる哀しくも勇ましいペイガン的リフ・および舞踏曲系アコギが叙情味豊か〜に紡がれ、汚らしくねちっこいサタニック高音ガナリがやかましく喚き散らす
端的に言ってしまえば、Absurdとフィニッシュプリミティブを2:1の比で足して3で割ってクサイ勇壮異教メロを添加したような感じ
その民謡アレンジのアコギ/ペイガンメロは、時折Pagan Reign1st(あそこまでコテコテではないものの)あたりをも彷彿とさせ、地味目だがやり過ぎることなくシケシケとした哀愁・郷愁に満ちている。この何とも言えない塩梅が激しくツボ。
ヴォーカルは聴いていると首筋がムズ痒くなるような不快さのじん麻疹系高音ガナリであり、ねちっこい邪悪さを振りまいている。また#6[Notre Foi]では、Nokturnal MortumWASPカバーのような野暮ったいおっさん濁声も用いており、かなり暑苦しいことになっている(悦)。余談だがこの#6、リフがInfernal Necromancy[War God]とそっくり。
音質はUGプリミティブとしては理想的な部類。いい感じのチープなモッサリ感とラフさを持ちながら聴きやすい。


というわけで、いい意味で古臭く、ツボを突いた一枚。
Absurd、フィニッシュオールドスクールプリミティブ、土着ペイガンとどれも好きな自分にとっては、まさに正月と盆がいっぺんにやってきたという比喩表現がぴったりで、かなり楽しめる
特に#2[Battle For Survival]#7[White Agony]は、フィンランドの荒涼感とペイガン的哀愁が同時に感じられるような極上メロが味わえてもうたまらん。キラキラクサクサのやり過ぎ系もいいんだけど、やはりこれぐらいの土臭いサジ加減がグッとくるね。
一つ一つを見るとそれぞれ突出することもなく総じて地味だが、それらが合わさることで作り上げられる音楽性はチグハグな足し算の解ではなく、Blutschreiという一つの個性を築くに至っている。
ハッキリ言って第一線に出てくる類の万人向けバンドではないが、個人的には結構オススメ、といった一品。
僕と嗜好が被りそうな方で未聴の方は是非お試しあれ。


・Label Site(?):現在はFinnentumという名前で活動して・・・・え?Finnentum?しまった!!レビュー書くまで気づかんかった!!うわぁ、買っとくんだったぁぁぁぁorz