Torgeist：[Time of Sabbath]
Les Legions Noires(LLN)所属フレンチカルトプリミティブブラックメタル、95年デモ。6曲16分。
上記の94年デモと同時にDrakkarより再発。
正直言ってどうせ買う人はこれも上のも両方買うんだろうし、両方合わせても30分にも満たないんだから一枚にまとめちゃえばよかったのにと思ったり思わなかったり。
上記デモ同様LLNブラックのかっこよさが詰まりに詰まったマニア歓喜の一枚。
Drowning Thne Lightなんかを思わせるチープなシンセインストで幕を開ける今作も、チリチリジャリジャリと脳髄をかき乱す粗さ汚さMax Heartの極劣悪音質と、生々しいラフな演奏が最高にカッコイイYES!サタニックスラッシュな地下室系カルトプリミティブ。
基本的に上記デモと同様の内容であり、DarkthroneやBurzumといった最初期ノルウェイジャンプリミティブを、UG臭プンプンのド濃厚カルト成分でフレンチプリミティブへとブラッシュアップしたようなスタイル。Vlad Tepesからメロウさを取っ払ったような感じか。
ドッタンドッタンミドルテンポ主体に時折狂ったように猛突進する。
ドラムは音質が向上してわりとまともになっているものの、ギターとヴォーカルのノイズが凄まじく、上記デモよりシャリシャリ感の強調された、汚さ3割ましのガビガビに割れまくったナイス劣悪音質。
パンキッシュな炸裂感はいくぶん抑えられ、ストイックなオールドスクールブラックになったような印象。
ヴォーカルもいかにもLLN系といった感じのイカレたガナリ絶叫。エフェクトがかけられますますワレワレに喚き散らしており凄まじい狂いっぷり。めがっさ邪悪でかっこよろしい。
というわけで、LLNブラックの狂気が詰まった最高にかっきい一枚。
とにかく音質の劣悪っぷりが強烈で、Ulver3rdに勝るとも劣らない耳障りここに極まれりといった感じの激ノイジー音質にぶっとばされる。
爽快な疾走感こそ上記デモに劣るものの、狂気という点ではおおいに勝っている。
LLNブラックの魅力である、ブラック黎明期のノルウェーに通ずる得体の知れない気迫のようなものがかなり濃密に充満しており、まさに鬼気迫るといった感じ。
これぞブラックメタルの真髄。
当然間違っても万人にお勧めできるシロモノではないが、だからこそわかる人にはわかり過ぎるくらいにわかってしまう禁断の果実。
Vlad Tepes、Vermyapare Kommandoあたりが好きならマストバイ。
Hail Les Legions Noires!!!
