Heathen Dawn：[Wasted Land]
フランス産、哀愁ダダ漏れ系メロディックペイガンフォークブラックメタル、2002年MCD。
今は亡き黒金属中毒のフレンチ特集や力戦車さんとこで紹介されていたこのバンド、高校生の頃から欲しい欲しいと思っていたんですが、念願叶ってようやっと入手することができました（喜）
Hail Avantra Records！！！(笑)
全身の血液が沸騰してしまうほどに超絶熱く漢臭い、鬼ヒロイック＆めちゃ雄大なガッツポーズ系クサクサ泣きヴァイキングギターがヤバいくらい鮮烈・強烈な、感涙必至の大吟醸ペイガンブラックメタル。
横揺れミッドテンポ〜爽快疾走〜ブラスト爆走とメリハリの効いたメロブラスタイル。
クサい。とにかくクサい。そしてかっこいい。聴いていて思わず笑顔になってしまうほどの熱血哀愁メロディには悶絶と言う言葉すら生ヌルイ。まさに闘う漢のメロディと言う感じで、熱く、逞しく、勇ましく、誇り高く、とてつもなくかっこいい。2本のギターがそれぞれに奏でるメロディにはジャーマンっぽい湿った哀愁やブラック由来の悲壮感・殺伐感が充満しており、かの偉大なるMithotynや最近のAbsurd彷彿とさせるような雰囲気。
#3や#4で挿入されるコンドルは飛んでいく系郷愁ホイッスルも実にいい味を出している。
ヴォーカルはリバーブのかかったブラッキーガナリ絶叫。ヤケクソに泣き喚いているようで悲愴感たっぷりの非常にいい声。やっぱりペイガンはこうでないと。
適度にモッサリとした音質の悪さがまたいい感じにツボを突きます。このギターの響きは非常にエモーショナルでいいです。
楽曲全5曲入り（うち#1[From The Past...]は8秒のインスト）。
#2[Heathen Heart]は、アルバム開始直後にいきなりガツンとくる必殺のギタメロが炸裂。「超特大スケールハリウッド映画、ただし開始5分でクライマックス突入」みたいなインパクト、というか衝撃。7分半と長めの曲ながら豊富な展開といちいちかっこいいメロディのおかげでまったく退屈を感じさせない。前へ前へと疾駆する伝説の勇者のメロディ、ブラッキーな耳触りのジャーマンメロとやたらと煽情力の高い名曲。
#3[Wasted Land]はゆったり横ゆれチューン。しかしやはりメロは突き抜けてヒロイック。血気盛んなNomans Landみたいな感じのメロディ。楽曲の最後を彩るRPGっぽいKeyも殺傷力抜群。
そして激アツクサ爆走チューン#4[Celtic Glory]。なんですかこの反則的なまでに熱いメロディ。ぼくを萌え死させる気ですか。そして走るんですか。いいぞもっとやれ。メインのメロからちょっとしたつなぎのメロまで全く隙がなくクサイ。そして爽快な疾走感。これまた破壊力抜群の名曲。
#5[Gloria Victis]は他の曲に比べるとモッサリ度地味度の高いいかにもペイガンブラックな曲。しかし要所要所でギターが本気出すとやはりいいメロディ。ダレルことなくかっこよく締め。
というわけで、全ヴァイキンガー最敬礼ものの大悶絶激クサペイガンメタル。
ペイガンというより、Skyforgerに通ずるようなモッサリ具合のヒロイックヴァイキングといった感じ。
むやみやたらと熱いんだけど気持ちいいほど爽やかでもあり、Mithotynとヴァイキング化以降のAbsurdを足して2で割って初期Menhirの
青空・青春成分を添加してメロブラ寄りにしたようなイメージ。
リードギターもバッキングギターも魂を熱く鼓舞する実にいいメロしてます。とくに#2と#4はズバ抜けてかっこよく、とんでもない殺傷力。
わずか2枚のMCDを残して解散なんてホント悔やまれます。
美人薄命ではないですが、日の目を見ることのなかった素晴らしいバンドの刹那の輝きが込められたこの一枚、現在入手困難な音源であるとは思いますが、Mithotyn、Nomans Land、最近のAbsurdといったジャーマン臭いヒロイックヴァイキングが好きという僕みたいな人はツボど真ん中を抉られること間違いなしの素晴らしい作品です。
ヴァイキング万歳！！
