Ashdautas Vrasubatlat:「Last Days...」


今夜お前を(ryでおなじみ、純国産ガイキチ・プリミティブ・ブラックメタラーAshタンことAshdautas Vrasubatlatの、1stデモから間髪入れずにリリースされた2008年2ndデモ。またしても66枚限定手書きナンバリング入り。
とっくに旬が過ぎてるよというツッコミはなしの方向でw


精神を逆撫でするような狂気を孕んだ不穏なギターと赤子の産声(のモノマネ?/笑)でスタートする今作は、ズバリSilncer+Sortsindだった前作とは打って変わって、スロー〜ミドルテンポで魂をジワジワと引きずり込むような、ひたすら陰惨で不気味な雰囲気のプリミティブ気味ディプレッシブ・ブラックメタル


曲目から察するに、人が生まれてから死ぬまでをテーマとしたコンセプト仕立てなのかな。
20分にもわたるタイトルトラック#2は、Deathspell Omega3rd:#1Burzum的邪悪リフを被せたような魔術儀式系の曲。ドゥーミーなリズムに乗せ、不安を掻き立てるようなささくれ立ったリフがただひたすらリフレインされる中、生気の感じられない不気味な囁き声が虚しく響く。15分過ぎあたりからXasthurが如く歪められた極悪呻きがボエボエと怨念を絞りだす。アコギで寂しげに沈んだあと、先ほどまでの曲調にあの強烈な発狂ヴォーカルが泣き喚きながら絶望を吐露する。これはかな〜りヤバ気な雰囲気。
それを受けての#3は46秒間ただただ無音。タイトルはLast Day。まぁ絶望感だのなんだのの演出なんだろーなと思うし、発想はいいなとも感じたが、少々あざと過ぎるというか、「無音で組曲を締めくくる俺ってインテリ!」みたいな狙いが見えるような見えないような(笑)まぁそれはさすがに悪意的解釈が過ぎますかね?w
そして前作よろしく発狂で幕を開けるMan Must Dieと題されたラスト#4はじっとりと沈み込んだ曲調。儚く怪しい雰囲気のアコギとズンズン邪悪なギター、狂ったように泣き喚きながら言葉にならない叫びを上げるイカレヴォーカルが悲惨すぎてどうしようもないほどに鬱。良い雰囲気です。


音質は前作よりギャリギャリ加減が減って耳当たりが良くなっている。マイルドなディストージョンギターと打ち込みドラムの醸し出す雰囲気が鬱鬱で好感触。ベースもちゃんと聞こえる。


というわけで、前作と同路線を期待するとえらく単調でつまらない感じだが、ちゃんと聞くと結構良質の中期Burzum直系デイプレッシブ・ブラックメタルで、虚無感を漂わせたなかなかの絶望サウンドが展開されている。前作でも感じたが、このバンドは雰囲気作りがうまいというか、陰惨で頽廃的な空気感は評価されるべきかなと思う
かなりおとなしくなったためインパクトは前作に劣るものの、暗く歪んだリフや寂しげなアコギが延々とリピートされる音像は言うほどつまらなくはなく、アンビエ〜ントなブラックとか好きな人はジワジワドップリと鬱に浸れるのでは(Keyは無いけど)。
とゆーか、やっぱりこのヴォーカルたまんないわ。
個人的にはこれはこれで良しと言える内容だったし、値段と中身と話題性突き合わせたら、買って損はないんではなかろうか?
うん、そんな感じ(投げやりなw)


・MySpace:さて次回作はどー転ぶか。