Goatmoon:「Death Before Dishonour」


BlackGoat Gravedesecratorなる素敵GUYが一人で全てをこなすフィンランド産NSプリミティブ・ブラックメタル、1014枚限定の2004年1st。我らがアイドルSatanic Tyrant Werwolf aka Nazgul傘下のWerewolf Recordsよりリリース。


もうこの時点で想像がつくとおり、ズバリSatanic Warmaster直系のフィンランドらしいメロウ・プリミティブ。
ドンタンドンタンミッドテンポを軸にツタツタ疾走・小気味よいブラストをかましてくるオールドスクールな楽曲にメロウかつペイガン的哀愁を漂わせるそれはそれはクっサいトレモロが乗っかる。
S.W.にかなり近い音像であるが、こちらの方が輪をかけてやかましく、寒々しいリフもあいまって凄まじい荒涼感を発散している。


そのやかましさの最たる原因はやたらと前に出たシンバルおよびドラムとヴォーカル。
ドコドコと荒々しくリズムを刻むチープなドラム、チンチンシャンシャン鳴りっぱなしの金物類がプリミティブっぽさを演出。
ディストージョンがかけられ高音でギャアギャア喚いているEvilヴォーカルは血管がブチ切れんばかりに終始テンション高く絶叫している。悲壮感を漂わせつつひたすら怒りをぶちまけており、素敵すぎるスクリームが堪能できる。


音質はこれ以上ないってくらいRaw。ジリジリブリブリした耳障りなギターとポンコツドラム(チープなスネア最高!!)が実に気持ちいい。あまり歪んでいないベースもしっかり聞こえる。UGブラックとしては理想的なノイジー加減だ。


しかしとにかくメロディのメロウさが光っており、トレモロに限らず儚く切ないメロディの中にピンと張った緊張感があり、殺傷力抜群のメロディセンスだ。おまけに半音上がったり、ノルウェー的リフやチラリとムーディーなフレーズが飛び出したりなどフックが多彩かつパンチが効いている。
また、疾走感という点でもこのバンドは素晴らしいものがある。オールドスクール由来のノリノリ感満載で、曲によってはかなりスラッシー。
もうね、非の打ちどころがありませんわ。


テンションの高いメロディ&ヴォーカル、Rawなドラムによって実に寒々しい北欧プリミティブ・ブラックが展開されている。
とびきりメロディアスなのにUG臭やラフさを失っていないあたり、クサメロプリミティブが主食な人にはもうたまらないスタイルなんじゃないかと思う。完成度も高く捨て曲など一切なし。まじで猛烈にかっこいい。
個人的にはSatanic WarmasterNazgulあたりと肩を並べて評価されてしかるべき逸材だと感じる。
というわけでそのあたりのバンドが好きな人はばっちりツボにハマるはず。激激オススメ!!


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