Alcest:「Souvenirs d'un autre monde」


Peste NoireMortiferaAmesoeursで大活躍、ブラックメタルの新天地を切り拓く天才Neigeによる心温まるノスタルジック・ハートフル・ブラックメタル(!!)。フランス、2007年1stDIGI。


いや、実際はおよそ類型的なブラックじゃないっすよ(笑)ダークウェーブ(Darkwave)とか、シューゲイザー(Shoegazer)なるジャンルに近いスタイルのようです。広い意味でポストロックなんかとも比較されてたり。個人的な感想からいえば、春になったAgallochって感じかな?
ブラック然りとしたノイジーなギターをバックに、アコースティックなギターやアルペジオによる温かみと清浄感のあるメロディがゆったりしたリズムの中で包み込むように広がっていく、情緒と優しさに溢れた深みのあるヒーリング・ロック。


まさにジャケットから想像できる通りの雰囲気で、生命の息吹や、それを支える大自然の包容力、母性、それと同時に子供の無邪気さなんかを想起させ、本来耳障りであるはずのシャリシャリギターまでもが柔らかい肌ざわりに感じられる。どこまでも優しく幻想的であるが、どこか懐かしく郷愁の念にも似た切なさに胸が「キュン」となる(笑)


そしてそこに被さるNeige透き通るようなクリーンボイス「キュン」にさらに加速をかける(笑)エコーのかかったのびやかなウィスパーボイスというか、ホントに心が洗われるようだ(T_T)Mortiferaで聞けた黒板を引っ掻いたような超絶超音波絶叫と同じ人物の声とはとても思えんw


曲が進むごとにヒーリング傾向は顕著になっていき、民謡アンビエント調の#6なんかはイマージュとかに入ってても全然おかしくない。
なんていうか、毎日が楽しかった子供時代を思い出すんだよなぁ。あのころはになにもかもが光輝いてたよ(泣)聴いていて癒されると同時にホームシックになるw(実家生だけど)


ベストチューンは#2かな。この曲が一番癒される。そのままの雰囲気で2ビート疾走する#3も涙腺がヤバいことになる。
あとは#5なんかも、心に沁み入る切ないメロディがたまらない。


ヤサグレた心をお持ちのブラックメタラーはもとより、せわしく癒しの足りない現代人にこそ聴いて欲しい素敵音源。聴いていて非常にリラックスできる人生の友的一枚。
国内盤の発売が決定したようだけど、至極順当といえるね。テレビで宣伝とかしたら普通に売れるんじゃないかっちゅー気がするよ。宣伝すりゃ何でも売れるっつー意見は置いといて。
ブラックメタルの持つ表現力の無限の可能性を感じさせる、というのはちょっと言いすぎかな?w
しかし、Neigeの懐の広さ、クリエイティビティには驚かされるばかりだ。むしろ無限の可能性を秘めているのはNeigeだよな。今後も凡人にはまねのできない彼独自の世界を見せてほしいと切に願う。
ふふ、正直惚れましたよ( ̄ー ̄)


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・Official MySpace:まぁ聞いてみろって。
シューゲイザーは近々掘り下げてみる予定。ただいま情報収集中。