Nazgul : 「Awaiting The Battle Ravens」


スペインのプリミティブ・ペイガン・ブラックメタル Nazgul の03、04年デモのカップリング音源。
以前紹介した1st(の#2、#3)があまりにもツボだったんでかな〜り期待して買った一枚。


この Nazgul は、いわゆる Transilvanian Hanger タイプのメロウなプリミティブ・ブラックにペイガンなクサメロが乗っかるっつー、まるで俺のためにあるんじゃなかろーかとゆー素敵バンドw
今作は1stの#2、#3、#4路線の延長線上に位置しており、息の詰まるような泣きメロとプリミティブな荒涼感が渾然一体となって聞き手に襲い掛かる極上極寒ブラックメタル

「Awaiting the Battle Ravens」(#1〜#5)

03年の音源。
粗削りだった部分が巧く削ぎ落とされており整合感が大幅に増した。 Nazgul 節を維持しつつ、より安定して高い水準を維持することに成功しているので前作から順当に進化を遂げたといって良いだろう。
その反面、一撃一撃のインパクトや突出したメランコリズムが多少影を潜めてしまったのも否めない。前作見受けられたバカ爆走(笑)もなくなってしまったしねw
とはいえ、これは重箱の隅をつついているよーなもので(笑)実際とてつもなくクオリティの高い作品。良質なんて言葉じゃ物足りないくらいの泣きメロがたまらない。特に憂いと悲哀のメロディを放出しながらメロス的に疾走する展開は鳥肌もの


また、専属ヴォーカルがメンバーに加わっているみたいで、残念ながら前作で聞かれた鬼Evilガナリヴォイスは聞けません↓↓新ヴォーカルは素人臭さぷんぷんのちょっと高音入った絶叫系ガナリ声。後半いくにしたがってましにはなりますが、最初聞いた時はなんと間抜けなデス声なんだ!!と心底がっかりしましたwwこの点で楽曲に漂う mithansropic な空気は大きく減退したかも。ブラックメタルっぽさは減ってないのでその辺は安心二重丸設計。


たまに入る呪術的なドラムとアコギのパートがいい味出してる。


ベストチューンは#5しょっぱなからテンション激高ノンストップ号泣プリミティブ・ブラックメタル。これはかっこいい!!

「The Reurn Of Pagan Beliefes」(#6〜#8)

04年のデモ。
個人的に大傑作!!1stでもそう感じたけど、これぞ俺の求める究極理想型ブラックメタル!!荒々しくも寒々しく、メランコリックでありつつ徹底してevilで、もはや文句のつけようがありません。
1stの路線をさらにプリミティブ寄りにしたような印象で、クドさがなくなった分鋭い切れ味と炸裂感には目を見張るものがあり、1stに並ぶか、聞く人によってはそれを超えるかもしれない素晴らしい出来。欲を言えば、?ぐらいエッジの利いた音だったら鋭い切れ味にも磨きかかってもっとかっこよかったかもしんないけど、それを言うのは野暮ってもんです。


またヴォーカルはドラマーの Defernos 氏に戻っており、彼の mithansropic という言葉を具現化させたかのような邪悪極まりないガリガリヴォイスが堪能できる。この声ほんとにかっこいいっす(´Д`*)


#6はインストだから実質2曲。ハッキリ言ってどっちも究極的に素敵。
#7:サビのギタメロがクサカッコいすぎるぅ!!おもしろいアコギの絡ませ方なんかもしつつ、止まることのない激しい慟哭のメロディがキュンキュンキテます。
#8:またのっけからなんて泣き泣きなんだ・・・!!泣きっぱなしの今作においてなお頭一つ突き抜けてます。メロディ、疾走・爆走感、プリミティブな荒涼感、ブラックメタル的邪悪さ、寒々しさ、盛り上げ方をわきまえた曲展開、もう何から何まで完璧です。


う〜ん、素晴らしい!!も、ほんと大満足っす!!
これでなんで有名にならないのかってくらいハイクオリティ。
ピンと張った緊張感はかなりのもので、ただクサイだけにとどまらない真に迫る泣きの領域。
また、何気にドラムの金物系のシャンシャン感や疾走パートのたたみかける感じがすごくかっこいい。まさに縁の下の力持ち。優れたメロディの裏でバック陣がしっかりしてるってのが実力者の証です。
これも1stもアルバム単体としては30分前後と物足んないのだけがネックなんで、続けて聴けば幸せになれること請け合い。


個人的に大プッシュしたいバンド。
ここまで洗練されたブラックメタルには今後どれだけ出あえるんだろうか。
この手のバンドがもっと評価される美しい国ニッポンになりますよーに(´・ω・`)