Vallendusk:Vallendusk


2011年結成のインドネシア産、ポスト/シューゲイザーブラックメタル、2012年EP。3曲25分弱。
シューゲブラックファン御用達、中国はPest Productionsより500枚限定デジパックでリリース。


【ついに来たぜDeafheavenWoe以来の衝撃!感涙必至で胸に掻き毟った跡が残っても当方一切関知しないよ的爆走激情アジアン・シューゲイザーブラックメタル!】


イントロのほんのり翳ったアコギのアルペジオに続いて奏でられる、AlcestLe Secretsを彷彿とさせるジャーーーーという快感ノイズシャワーなノスタルジック・トレモロを聴いた瞬間に「大当たりキターーーーーーーーー!!」と確信。
胸を掻き毟る琴線切り裂きジャック、涙腺ダイナマイト爆破な激情シューゲイジング・トレモロ/リフを爆裂ブラストビートに乗せ、儚さと切なさとノスタルジーとセンチメンタリズムと滾る情熱と煮え立つフラストレーションと噴出する歓喜と青臭い焦燥感と迸る感情とetc.etc.とに身を任せて初期衝動そのままに突っ走る。
腹の底から魂の叫びを絞り出しているかのような、激情に身を焦がすような切迫感や必死感に満ちていながら、シューゲ・ブラックらしい温かくも柔らかな安らぎといった癒しに満ちた陽性の感性を絶えず振りまいている点が堪らない。
またポストロック的にダイナミックなオサレミドルも程度に挟みつつ、感情を叩きつけるかのようにほぼブラストしっ放しのドラムや、掠れ気味のハスキーな絶叫を張り上げているガナリヴォーカルなど、どこをどう聴いても紛う事なきシューゲ・ブラックでありながらブラックメタル由来のアグレッションが全く損なわれていない点も実に好印象。
緩急の切り返しがとかく極端すぎて気持ち良い。
そういったブルータリティにとどまらず、#2[Foghymn]冒頭や#3[The Wooden Sphere]中盤で顕著なように、ギターリフが寒々しくも陰鬱な空気感を纏ったブラックメタルらしいメロディセンスを失っていないあたりも、シューゲブラックとのたまいながらシューゲイザー要素ばっか強調されたデプレバンドとは一線も十線も画している。
また不意に切り込んでくる静寂パートで炸裂する、熱を帯びつつしっとり切なげアコギがまたツボを付きまくっており、涙を誘うことこの上ない。
さり気なくグイグイ動いてくれるベースも素敵。


というわけで、正しい意味でシューゲイザーブラックメタルを体現している、教科書に載せたいほど素晴らし過ぎるシューゲブラックファンはBuy or Dieな一枚。
AlcestAmesoeursに始まるシューゲブラックブームの中でも飛び抜けてエネルギッシュな内容であり、小生図らずも満腹感服低頭平身。
3曲とボリュームは少ないながら、どの曲も一秒すら聴き逃すのが惜しいほど完成度が高く、というか全編クライマックスと言ってしまいたいほどとにかく泣けて泣けて、実に満足度は高い。
DeafheavenWoeJeなどの激情系や、あとはこのVallenduskよりもっとブラックメタル寄りではあるがWidernesskingといったシューゲ的雰囲気をうまくブラックメタルに取り込んだバンドが好きな人にオススメ。
しかしこのバンド、限りなく50:50に近い形でシューゲイザーブラックメタルを両立してるんじゃないの?
Deafheavenからハードコア抜いたらこんな感じだろうか。
さすがはAlcestショックへの対応が一早かった黒死病プロと言うべきか、相変わらず実に良いバンドを引っ張り出してきたなぁとただただ脱帽。
早くフルレンスが聴きたいぞ!


【お気に入り】
#1[Antimatter]:出だしのノイジートレモロで既にウルトラハッピー。
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