Sun Devoured Earth:[I Wish I Would Never Wake Up]


地味にロリVomitsともスプリットを出しているラトヴィア産、アトモスフェリック・ブラックメタル/ポストロック/シューゲイザー、2011年EP。6曲29分弱。
100枚限定プロCDRがRigorism Productionよりリリースされているようだが、バンドページにて無料でDL可能。


【キャッチコピー】
「俺はこんなに清く正しく生きてるのに、なんで人生うまくいかないんだよ」とグジグジネチネチいじけて自分を憐れみ涙に暮れることで後ろ向きな癒しを得る、根暗まっしぐらな鬱ブラinspired環境ポストロック/シューゲイザー
【一言】
鬱系の沈み込むグルーブ感を持ったミッドテンポに、時折抑えきれない感情が噴出するようなブラストを織り交ぜる打ち込みドラム、幻想的に残響をたなびかせる淡く物哀しげなポストロック的美麗クリーントーン/柔らかな優しさと共にどうしようもない寂寥感を募らせるアコギのアルペジオ、白昼夢の虚無感を醸し出す神秘的アンビエント・シンセ、琴線を掻き毟る儚く切ない感傷的ノイジートレモロ等が絡む。
【二言】
気だるげなクリーンヴォイスが泣き言を訥々とため息交じりに吐きだすような、倦怠感たっぷりの語り/昂ぶった感情剥き出しで、なりふり構わず嗚咽交じりに泣き叫んでいるような、非常に人間くさいネガティブ絶叫が胸を貫く。
【三言】
本作は他作品に比べてシューゲイザーブラックメタル度が飛び抜けて高く、ヴォーカルも絶望に塗り込められた悲痛な絶叫を張り上げまくっており、ディプレッシブかつノスタルジックかつセンチメンタル極まりない絶望ブラックメタゲイザーが堪能できる。
【蛇足】
とにもかくにもメランコリックに徹するラトヴィアの多作新人のEPの一つ。
ジクジクとしたリストカッティングな鬱ブラックの要素も残しながら、本格ポストロック/シューゲイザーに肉薄した繊細な音使いや、幻想的でひたすら孤独なアンビエンスには、群を抜いたセンスの良さが感じられる。
本作以外の作品も聴くと、シューゲブラックの範疇を越えて、本格シューゲイザーのような甘ったるいサイケ感や、轟音美メロのアプローチ、ポストパンク/ニューウェーブ的リズムが見られ、明らかにNeige御大に触発された音楽性ではあるものの、単なる追っかけにはとどまらない深い出自を感じさせる。
淡い儚さ、胸を締め付ける切なさ、どうしようもなく痛々しいほどの悲愴感、憂鬱感の滲んだメロディ・ヴォーカルに気が滅入ってしまう半面、痛みを伴うからこそ心の奥底に強烈に響く癒しに胸がいっぱいになる。
前述のように、DL可能な7作の中では最もシューゲブラックらしい音像であり、全ての楽曲において一つ一つのメロディが強烈に琴線に触れまくるため、特にお気に入りの一枚となっている。
もうたまりまへんわ。
AlcestAmesoeursMoroseLes DiscretsPest Productions白コンピ等のシューゲブラックらしいシューゲブラックが好きな人や、Croocked NecksCircle of Ouroborusのスプリットのような不安定な浮遊感漂うサイケデリック・ブラックが好きな人には鮮烈なインパクトを与えること必至。
激おすすめです。
【お気に入り】
#5[Make Me Disappear]:あんた既にめちゃ鬱じゃないか(笑)
【オフィシャルサイト】
http://sundevouredearth.bandcamp.com//
MySpace
http://www.myspace.com/sundevouredearthbm


#2[Life is poson]もたまんない