Banane Metalik:[Nice To Meat You]


Shoutin' CorpseCorpse:Bonefide先輩大推薦!!
フランス産ホラーパンク/サイコビリー、2008年3rdデジパック。14曲36分弱。
ゾンビメイクが怖すぎる(笑)
サイコビリーとはなんぞや?という方はこちら。
サイコビリー - wikipedia
エルヴィスがゾンビとなってパンクを始めたぞ!!うわー!!きゃー!!(語り:オーケン)
みたいな感じですか。違うか。
やってる人達はDMCに出てくるメタラーを地で行くような、正直ブラックメタラー以上に過激そうな人たちばかりみたいです(笑)
ところがどっこい、メタルのシリアスな哀愁・攻撃性とハロウィン的B級ホラーをパンクなノリで仕上げたような、ゴキゲンパンクメタルが堪能できる


ドッタタドッタタと軽快な裏打ちでパンキッシュに打ちつけられるドラム低く響くアタック感の強い骨太ウッドベース、青臭いパンク的リフ・ザクザク刻むメタリックなバッキングギターが最高にゴキゲンなロカビリー/メタルパンクな楽曲をノリノリのイケイケにプレイし、その上でリードギターや時折挿入されるシアトリカルなシンセがB級ホラー映画をデフォルメしたカートゥーンお化け屋敷のようなオドロオドロしくも陽気さと胡散臭さ漂うキャッチー極まるフレーズを炸裂させ、全身ケロイドの80年代ゾンビが生き血滴る臓器を噛み千切りながらロカビリーな歌い回しで絶叫する!!
僕の聴いた限りにおいてだが、サウンドもメロディセンスもサイコビリーと評されるバンドの中でズバ抜けてメタル色が強い。特にリードギターの奏でるフレーズにはメタル特有の(もっと言えばヴァイキングメタル的)哀愁が感じられメタラーハートにビンビン響く(#8[Maniac]、#9[Le Cirque De L'horreur]、#12[Santa Muerta]あたりがヤバい)。
とにかく炸裂感のあるリズム隊と分かりやすさ重視のフレージングによるノリ易さに特化した楽曲と、オドロオドロしくもどこか陽気で、かつ哀愁も携えたメロディがかなり素晴らしく、聴いていてガンガン楽しくなってしまう!これはリズム取らずに聴けって方が無理な話だ。SEや悲鳴の類も効果的に用いたホラーな演出もお見事。
ポルカに通ずるズンタタズンタタというダンサブルなリズムおよびベースライン、オドロオドロしくも悪ふざけしているようなフレーズに、場違いにもTrollfestが強く想起された(特に#3[Strip Or Die]なんかが顕著)。
ヴォーカルは適度に汚らしいパンクロック/ハードコア的濁声〜ヤケクソスクリーム。デス声に片足突っ込んでるようなハーシュな声質。これがまたカッコイイのなんの。歌い回しにロカビリー然りとしたリーゼントで決めるぜロックンロールな雰囲気があるあたりが個人的に新鮮。低くガナったり裏声でおちゃらけたりと遊び心のあるパフォーマンスに魅了される。パンク臭いコーラスなんかもあったりしてライブはかなり楽しそうだ。
またクリアなサウンドプロダクションも素晴らしく、適度に重く鋭利でキレも良い。非常に気持ち良くノルことができる。


というわけで、頭真っ白にして楽しめる快作。
一曲一曲がコンパクト、かつどの曲も非常に個性的で面白いため、ダレルことなくあっという間に聴き終えてしまう。捨て曲一切なし。
お気に入りはしょっぱなからサイコにメタルに脳ミソブッ飛ばしてくれる#1[Nice To Meat You]Trollfestがゾンビになったような#3[Strip Or Die]、本作最強・問答無用のキラーチューン#6[Pussycat]、爆発的な哀愁を発散しながら突っ走る#8[Maniac]、フォークメタルファンが卒倒しそうな哀愁メロが炸裂する#9[Le Cirque De L'horreur]、これまたフォークメタルファン悶死級の#12[Santa Muerta]あたり。
フォーク要素は無い(ヴァイオリンとかマンドリンがまれに入ったりするけど)んだけど、フォークメタラー受けしそうなリズム感と哀愁メロがたまらん。
パンク、メタル、ハードコアなどジャンルにこだわらずノリの良いロックが好きな人はもちろん、とくに僕のようにサイコビリーなんて知らなかった人にはぜひとも聴いていただきたいオススメの、楽しい一枚。
Trollfestが好きな人はとりあえず下に張った#3[Strip Or Die]をチェック!!


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