Nekrokrist SS:[Nekrokrist SS]


フィンランド大空襲メロディック/プリミティブブラックメタル、2009年5曲入りEP。NSなのかな?
#1〜#3は2003年収録、#4〜#5は2006年収録。
名作1st[Suicide]は今でも視聴回数の多いお気に入りの一枚ですが、今作でも前作同様の爆裂ハイテンションメロディアスな高品質プリミティブが堪能できる


ドッタンドドタンという心地よいミッドテンポを挟みつつ、疾走感抜群のブラストでカミカゼ爆撃が如く突進突進、その上でいかにもフィンランドな趣の、オールドスクールさも感じさせる寒々しくメロウなトレモロが猛威をふるいまくる北欧メロウプリミティブ
Satanic WarmasterSargeistあたりを若々しくエネルギッシュにしたような印象。スウェディッシュブラックの暴虐ブリザード感を備えたフィニッシュメロウプリミティブとでも言おうか。適度に緩急をつけながら終始ハイテンションに突っ走っており実に爽快
このバンドの大きな魅力は、張り詰めた緊張感を維持しながら抒情性豊かに掻き鳴らされるキャッチーなトレモロの煽情力と、緩急を巧みに利用した前のめりな疾走感であり、それらを武器とするフィンランド系のバンドたちの中でも頭一つ二つ飛びぬけて良いセンスをしているように感じる。


ヴォーカルは情けなさ漂う泣き叫び系ガナリ。非常にサタニックかつクレイジーであり、ドラムやギターをさらに凌ぐキチガイ染みたハイテンションっぷり。なりふり構わず絶叫しまくっておりとてもかっこいい。
音質は、03年音源1stを籠り気味にして汚くラフにしたような感じ。このドラムの音が好きです。06年音源ではドラムがかなり前に出てきてドカドカとブルータルになっており、ハッキリ言ってバランス悪い(笑)まぁどちらもプリミティブとしては音の分離も良さげで低音まで厚みのあるしっかりした音作りといえる。


というわけで、フィニッシュプリミティブの魅力がデフォルメ、というか濃縮されたハイレベルな5曲24分
1stに比べ若干ストイックでまじめなブラックなようにも感じるが、まぁそう変わりません(笑)
リフの良さはフィンランドの水準の高さを物語っているのだとしても、やはりこのリズム感のセンスの良さはこのバンドの強い武器だと思います
前述したようにSatanic WarmasterSargeistに代表されるような典型的フィニッシュプリミティブが好きならまず気にいると思われます。
非常に聴きやすく、マニアからビギナーまで楽しめると思うので、興味持たれた方はぜひ聞いてみてください。
あまりよそで語られていませんが、個人的にかなりオススメです。


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