Fenrisulf：[1st demo]
Sarinという東京のブラックメタルバンドのメンバーによるバンドであり、Voが僕の友人であること以外一切正体不明(笑)の純国産カルトプリミティブブラックメタル、2009年1stデモアルバム。手書きナンバリング入り66枚リミテッド。
バンド名は「フェンリル」と読みます。
数ヶ月前から紹介しよう紹介しようと思ってるうちにデモ盤出ちゃいました(笑)
昨今日本ブラックメタルシーンではベテランバンドから新人バンドがまで立て続けに音源をリリースし、過去類を見ない盛り上がりを見せており非常に喜ばしい限りですが、このバンドもカルトなイメージ作りからその楽曲の質まで、国産ブラックのクオリティの高さを証明するに足る素晴らしい内容。
初期MutiilationやVlad Tepes、Celestiaあたりのフレンチプリミティブからの影響をモロ強く伺わせる、ひたすら陰鬱で物悲しくメランコリック極まりないフレンチ系カルトプリミティブ。換言すれば僕のツボど真ん中を痛快に抉る個人的理想スタイルであり、開始5秒でノックアウトされる。
LLN系を思わせるノイズまみれかつ不気味に籠った地下室臭プンプンの劣悪音質・バタバタしたポンコツなドラムがいかにもカルトで非常に素晴らしい。
ジリジリと耳障りに歪められたヒステリックなギターが奏でる、根暗で病みきったぶっ壊れ系陰惨トレモロはしかし狂おしいほどにメロウかつかな〜りキャッチーであり、かのHakujaにも通ずるような魂を掻き毟る非常に印象的なメロディを奏でている。う〜ん、たまらん！！
またドッタンドドタンと小気味よいミッドテンポ疾走を頻繁に絡めながら、ドカドカバコバコと狂ったように荒々しくブラストするドラムがRaw極まりなく、正直ムチャクチャかっこ良い。
ヴォーカルは絞り出すような苦しげ金切り絶叫と歪ませないガイキチ系キャーキャー悲鳴。曲の最初のうちは歌詞（のようなもの）を喚いているが、すぐに「あー(°ρ°）」「あー(°ρ°）」とキチガイに泣き叫ぶだけになる(笑)なりふり構わず狂いに狂っており、凄まじいガイキチっぷりで素敵。
さすが居酒屋で奇声を上げまくって店員に注意された挙句、隣の席の女子2人組を追っ払ってしまうだけのことはある(笑)
というわけで、デビュー作ながら国内の有名バンドに引けを取らないレベルの高さを見せつけてくれる素晴らしい一枚。
精神病疾患系キチガイヴォーカル、軽快な疾走から狂気と初期衝動を爆発させるブラストまで味のあるポンコツドラム、そして何より病的な叙情とオカルティックな瘴気とを滲ませるギターと、何から何まで激しくツボ。とにかくこの嘆き悲しむリフと粗くRawなリズム感がたまらなく好きです。
また不穏な雰囲気作りは「今夜お前を(ry」でおなじみのAshなんちゃらの1stデモを思わせるような部分もあり、実によく作り込まれています。
なにより演奏のラフさや微妙にチグハグな曲運びの妙、ブツッブツッと切られる楽曲などがカルトプリミティブらしい生っぽさを醸し出しており、LLNフォロワーとしては間違いなく一級品。こんなバンドが出てくるのを待ってました。
アルバム通してメンタルなテンションが全く衰えることがない点も実に素晴らしい。
正直66枚限定というのはもったいな過ぎるというくらい素晴らしい内容の一枚なので、皆さんお早めに購入されることを強くお勧めします。
Hail Fenrisulf!!!
