Absurd:「Raubritter / Grimmige Volksmusik」


ドイツの元祖NSブラックメタル、2004年EP「Raubritter」と2005年EP「Grimmige Volksmusik」カップリングして再発されたコンピレーションアルバム。ブックレットは半分折りの紙一枚だがアートワークが重厚でかっこよし。


再生ボタンを押したとたん予想の遥か斜め上を行く叙情的なアコギが入り「ウホッ」となったのも束の間、血の滾るような熱いリフが始まり何を思ったかとんでもなく勇ましいヴァイキングメタルが幕を開ける。
これは・・・・・・漢臭くどこまでもヒロイックな勇壮リフを携え横ノリミッドテンポで力強く邁進する、Running Wild直系のジャーマン臭い正統派骨太ヴァイキングメタル!!キ、キ、キ、キターーーー(゚∀゚)ーーーーア!!!!
わずかに匂いたつブラックメタル由来の埃っぽい殺伐感がいい具合に哀愁を引き立たせており、印象としてはクドくなく落ち着いたBlack Messiahといったところ。時にMithotynを彷彿とさせる、むせび泣くツインギターが絡み合うようにして紡ぎ出す憂いを帯びた勇壮メロディがヴァイキングハートにガンガン薪をくべる。全ヴァイキンガーガッツポーズ必至。とにかくキャッチーなギタメロ歌メロの熱さがハンパではなく、曲によっては冗談抜きでMithotynに匹敵するんじゃないかと思えるほど。何度聞いても胸が熱くなる。


ヴォーカルはあまり1stと変わらずSkyforgerのような汚らしいブラッキー濁声。怒号のようなデスボイスが情熱的な歌メロを熱く熱く唄い上げる。ムサいおっさんコーラスや爽やかコーラスに掛け声もありいい感じ。
楽曲の力強さを支える骨太な音質もナイス。固くタイトなドラムが実に気持ち良い。


どの曲も素晴らしい内容だが、#1#4#5#9がズバ抜けて熱い。
#1#4、は凄まじい殺傷力の爽やかクサイ漢泣き哀愁ジャーマンギターが高らかに鳴り響く悶絶ヴァイキングチューン。
そしてなんといっても#5!!この曲知ってる!!Glittertindがやってた民謡カバー曲!!爽やかっつ!!クサっつ!!青空っつ!!邪悪ヴォーカル場違い!!漢コーラス!!ハンパない!!半音上がるとか反則!!終盤予想外の暴走ブラック展開!!うううううううわあああああああああああ!!かっこえええええええええ!!大和TROLL、思わず泣きながらコーラス!!さぁみんなも一緒に!!←馬鹿
いやね、実際これはヤバいっすよ(笑)
そして最強泣きチューン#9。横ノリリズムで泣きまくるBlack Messiahのような情熱的ギタメロ、ムサ苦しいおっさんガナリと朗々としたエエ声コーラスのハモリ、ブレイクしてハイ!!ほっほっほぅ、へいっ!!の掛け声。感情が昂ぶり叫ぶとことかもうね、熱すぎる。死ねる。
明日に戦を控えた夜の宴、明日の夜にはもう相まみえなくなるかもしれない、そんな仲間たちと静かに酒を酌み交わす男たち。みな表にこそ出さないが、命朽ちようとも祖国を守るという固い決意を胸に秘め、。そんな名も無き戦士たちの誇り高き生き様を讃えた決して歴史に記されることのない悲しくも勇ましい英雄譚。
みたいな(笑)この曲はマジで泣ける。


あのポンコツ・プリミティブサウンドはどこへやら、果てしなくかっこいい正統派ヴァイキング・ブラックメタル
あくまで悲壮感と哀愁漂うヒロイックギターで勝負する硬派な内容
ブラック然りとしたブラスト爆走も適度に織り交ぜた横ノリ曲が中心だが、パンクっぽい青臭さのある疾走曲もあり、NSブラックの名残りが感じられる。後半は特にブラストも多くブラック色が強い。
てっきりパンクなノリのNSプリミティブだと思っていただけに、最初聞いた時の衝撃ったらなかった。とくに#5はマジで声を出して笑ってしまうほど興奮した(笑)もう心臓バクバクいわせながらスピーカーに食らいつくように聴き入ってしまった。何度も聴いた今でも聴いていると笑顔を抑えることができない(笑)
Skyforgerの埃っぽいダサさや、MithotynNomans LandBlack Messiah3rdGlittertindなんかが好きな人は酸欠になるほど悶絶できることを保証します。ヴァイキングメタラーを自負するならこれはぜひとも聴いて欲しい。大推薦の一枚。


・Official Site
・Myspace Fan Page#1#9が聴ける
#5:Ein Joger aus WalhallGlittertind「Evige Asatro」#10:Se Norges Blomsterdalと同じ曲。2回目のサビからは一緒に歌えるほどわかりやすく爽やかクサイ歌メロは最強。